デリカテッセンのレビュー・感想・評価
全15件を表示
青春の思い出加点したら満点に
グロテスクでユーモラス、ナンセンスでロマンティック。やっぱ最高に面白い映画。この度のレストアがなければ観かえすことは無かったかもと思うと大変ありがたい。メインテーマ、曲そのものも使い方も抜群にいい。大学生の時のオレ、よくぞ観た。
一度味わうとクセになるジュネ亭メニュー
ジャン=ピエール・ジュネがマルク・キャロと共同で監督した作品で、とてもデビュー作とは思えないぶっ飛んだ世界観が魅力です。世紀末のパリで人肉を売る精肉店で働くことになった男の文字通り食うか食われるかのブラック・コメディです。なんと言っても、セピア調でドロっとした映像や不気味な小道具、エグさたっぷりの強烈なキャラの登場人物達と、ジュネの作品に共通するスタイルが既に完成しているのが凄いです。また、主役または準主役にどこか未成熟で不安定な女性が出て来るのも、後年の『ロストチルドレン』『エイリアン4』にも通じるジュネの嗜好性があって面白いです。直接的な残酷なシーンはなく観客に想像させながら、独特のグロテスクで歪んだ情念を感じさせる映像はインパクトがありますが、ストーリーを動かすのは男女の恋であるのがフランス映画らしい所です。役者では、以後の作品でも常連になるドミニク・ピノンが妙な味合いです。意外とまともに見えるのは妖艶な肉屋の女房役のカリン・ビアールで、観る側もジュネの毒に当てられたのかな。
ジュネ&キャロの完成された長編デビュー作
当時と変わらず…
ポップでかわいくて狂気
ここ数年、レストア版のリバイバルが多くて嬉しいかぎり。
これも当然のことながら田舎では上映されず、中高生の頃に悔しい思いをした作品のひとつ。
ジュネ作品の中では『ミックマック』が一番好きなのだけど、これはもっとぶっ飛んでる。
食人族vsベジタリアンの地底人なんて荒唐無稽なアイデア、しかも人肉だって事を客も知ってるとか頭おかしすぎて素晴らしい、天才ですか?
カメラアングルや美術も、随所に細かいこだわりが。
近未来という曖昧な時代設定のおかげでまったく古さは感じないし、ベッドの軋む音を様々な音とリンクさせるシーンはかなりポップな仕上がり。
それにしてもずいぶんと製作費が掛かっている印象だけど、当時30代半ばだった新人監督に思い切った投資をしたもんだ。
4Kレストアするほど古くはないけれど『ミックマック』『天才スピヴェット』をもう一度スクリーンで観たいなぁ。
癖になるブラックユーモアの世界
もともと「映画」って…。
DVD特典の監督自身のコメントによれば、本作は、監督がオンボロアパートに引っ越した折に「変わり者がたくさん住んでいて、いろいろとトラブルが絶えないアパートかも知れない。もし、そうだったら、面白い。」と妄想したことから着想を膨らませ、低予算で作った作品だったとのことでした。
映画作品の内容としては、実話モノ(ドキュメンタリー)あり、小説などの原作を底本とするものなど、いろいろとありますが、映画作品というものが、そもそも監督の知的創造の産物であるとすれば、本作のように監督の想念を少しずつ膨らませて、一本の作品に仕上げるというのは、案外とオーソドックスな製作方法と言えるのかも知れません。
◯アパートの大家は、建物に同居しているのがいい。
◯建物の一階で(入居者も顧客にして)商売をしているというのが良い。
◯肉屋はどうだろう。入居者から家賃を取るほか(食材として誰でも買う)肉を売って儲けている。
◯毎朝、決まった時間に肉切り包丁を研ぐ様子が不気味。
◯古いアパートで、変わり者もたくさん住んでいるし、ドブネズミ(トログロ団)も出没する。
監督の想念を、少しずつ膨らませて(映像化して)一本の作品として仕上げる―そういう意味では「映画らしい映画」ともいえる一本だったと思います。
佳作であったとも思います。
評論子は。
ツボでした
共食い
こういう映画を撮れるのは、
ルイ国王やマリー・アントワネットをギロチンで殺して 快哉を叫んだフランス国民ならではなんだろうなあ。
国歌「ラ・マルセイエーズ」も、歌詞を見れば眉をひそめますよ。卒倒するような血の海と喉笛を掻き切る残虐さですもん。
🇫🇷
「アメリ」のジャン・ピエール・ジュネ監督が「アメリ」の10年前に撮ったとのこと。
なるほど、両方の作品に共通するのは・・恋愛に発展するファンタジーなのかな?と思いきや、実に奇っ怪でサイケデリックな暗黒もの。
うっかり子供と一緒に観てしまっては慌ててしまう明け透けな性行為と、そして本作ではカニバリズムなんですよ。
🇫🇷
おどろおどろしくて、画像は同じ年に公開されたジョニーデップの「シザーハンズ」の系譜かもしれない。
でも特殊メイクではないのです。
人間が持っている生の面相が、そのままのグロテスクさで勝負しているところがいい。
これ、キャスティング担当者は奇天烈な顔の俳優をオーディションで選りすぐったのだろうし、魚眼レンズで写す住人たちの薄気味悪さがどの人も最高でした。
🇫🇷
最終戦争後の地球が舞台とのこと。
小さなアパルトマン=地球号に同居していながら、お互いに喰い合ってでも生き残ろうとする我ら人類の「共食いの醜さ」を、ニヒリズムたっぷりに描いているのかも。
【陽光も降り注がない近未来のデリカテッセンで、行われていた事を描く、ブラックシュールなコメディ。】
ー ジャン=ピエール・ジュネ監督作品は、「ミック・マック」で出会い、その不可思議な世界観に嵌ったモノである。
その後、新作は欠かさず見てきたが、初期作品は鑑賞する機会が無かった。-
◆感想
・どこのどの時代にあるのか分からない舞台設定。初期からブレない世界観。
・デリカテッセンの求人募集にやって来た人の良いルイゾン(ドミニク・ピノン:彼は、今作以降ジャン=ピエール・ジュネ監督作品には欠かせない存在となる。)
・どこからか、供給される”肉”。何もない筈なのに・・。
・徐々に明かされる、デリカテッセンの秘密とは・・。
<最初期作品と言う事もあり、ストーリー展開に粗さはあるが、ジャン=ピエール・ジュネワールドはこの作品が出来た時点で、厳然と出来上がっていた事を確認した作品。>
おフランスのスウィーニートッド?
あれ?ドミニク・ピノンがカッコいい。
18年5本目。 【デリカテッセン】観た。舞台は核戦争後、荒廃したフ...
ファンタジーみたいな
音楽と屋根の上でのビヨーン楽器
この大好き映画、2025年1月から映画館で見られる!楽しみ!
......................................................
見た!やっぱりかなり忘れていた。
地底人、山ほどいて一人一人に名前があることに感動。いしいひさいちの地底人ってこの映画から?地底人の姿から「未来世紀ブラジル」のデニーロ思いだした。何度も自殺を試みる金持ち夫妻の妻、味があった。2022年に見たフランス映画「ヴィーガンズ・ハム」は「デリカテッセン」の逆versionか続編かオマージュ?「デリカテッセン」では肉を食わない豆食い地底人が既にいたのだ!凄い!子どもはいつだってどこだって楽しみ見つけていたずらで希望の星!
今回思ったこと:公開時に見てそのかなり後に書いた感想文「怖い話ではなくてロマンチックでシャガールの世界みたい」って馬鹿だなあと思った。いつ、どんな状況で見たかで映画は別の側面を見せてくれる。好きな映画だから余計身に沁みてわかった。映画館でまた見ることができておめでとう!(2025.01.10.)
....................................................
見始めてから最後まで、胸がドキドキして虜になってしまった映画です。サントラCDも買って、何度も何度も聞きました。怖い話ではなくてロマンチックでシャガールの世界みたいだった。懐かしい。
全15件を表示