「死刑制度の意味と価値」デッドマン・ウォーキング カメさんの映画レビュー(感想・評価)
死刑制度の意味と価値
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個人評価:3.7
シスターの中立さが、違和感と時には苛立ちを覚える。被害者、加害者を平等に扱う。あぁ、それが神の立ち位置なのか。死を前にして神と向き合う事はできたが、本当に主人公は、罪や被害者と向き合ったのだろうか。全ては神の元へ旅立つ自分自身の為なのではないだろうか。自身が真実と向き合う事と、赦しとは別の問題ではないだろうか。無宗教の私には色んな感情が湧き起こる。
さてティム・ロビンスの狙い、テーマはどの部分だろうか。結末から見れば、主人公は死の直前になり、初めて罪と向き合い、神への道を意識出来る様になった。これは終身刑では辿り着かなかった域だろう。また一方、被害者家族は犯人の死によって、ようやく憎しみから解放され、穏やかな生活を取り戻す事ができた。これも終身刑では得られない感情かもしれない。この部分のみスポイルすると、死刑制度の肯定と価値を表した作品だと感じる。
いずれにせよ、とても宗教的だが、死刑囚を誇張なく、とてもリアルに捉えた脚本だと感じた。
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