劇場公開日 2024年3月8日

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「クリストファー 真鍮の鈴」デ ジャ ヴュ 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0クリストファー 真鍮の鈴

2024年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

幸せ

デ ジャ ヴュデジタルリマスター版
神戸新開地にあるCinema KOBE(シネマ神戸)にて鑑賞2024年4月7日(日)

17世紀のスイス。グリソン州独立の最大のヒーローであるイェナチュ(ヴィットリオ・メッゾジョルノ)は、宿敵ポンペウスを殺し、権力を手中に入れた。しかし、数年後には“謎の人物”によってイェナチュもまた殺された。
現代のジャーナリスト、クリストファー(ミシェル・ヴォワタ)にとってこの史伝は、興味のあるものになった。それは、イェナチュの墓の発掘を指揮した人類学者トプラー(ジャン・ブイーズ)とのインタヴューの仕事がきっかけだった。密かに持ち帰った真鍮の鈴の存在を知る。やがて、ポンペウスの城へと向かった彼は、その帰り道、不思議にも、時を超えてイェナチュに会う。
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クリストフはどういうわけか上着のポケットに入っていた真鍮の鈴の力で17世紀を既視体験(デ ジャ ヴュ)できることに気づく。クリストフが最初にこの既視体験に見舞われるのはイェナチュがボンベイハウス・ブランタを斧で殺害したリードベルグ城を取材し、そこに住むブランタ一族の末裔である謎めいた中年女性と会って、彼女からブランタ殺害でつかわれたと思しき斧を見せてもらった後のことである。
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精神的混乱に悩むクリストファー。もう一度城へ向かった彼は、何とそこでポンペウス暗殺の現場を目撃する。イェナチュは、暗殺の後、ポンペウスの美しい娘ルクレツィア(キャロル・ブーケ)も手に入れたのだ。城を後にしたクリストファーは恋人のニナ(クリスティーヌ・ボワッソン)と共に、再び城を訪れる。クリストファーだけ、17世紀のイェナチュの世界をさ迷う。仮面をつけたカーニバルのさ中、彼は美しいルクレツィア(キャロル・ブーケ)と目が合うのだった。
やがてトブラーは死に、不吉な真鍮の鈴はクリストフの恋人ニナの手で川に捨てられるのだった。

監督ダニエル・シュミット
1987年 スイス=フランス=西ドイツ

大岸弦