血を吸うカメラのレビュー・感想・評価
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【”Peeping Tom” 幼い時の父による心理実験により、歪んだ性癖を持ってしまった哀しき男の物語。】
■心理学者の父親の心理実験材料にされた幼いマークは、実験の末、狂気の淵に追いやられる。
成長したマークは映画の撮影助手として働きながら、副業で娼婦たちのエロティックな写真撮影を行っていた。
やがて彼は女性の死の間際の表情を撮りたいと熱望するようになってしまう。
◆感想
・公開年が、ナント1961年である。
・60年以上前に、”女性の死の間際の表情を撮りたい”と言う異常なる性癖を持った男の物語を作ろうと考えたマイケル・パウエル監督の発想が凄い。
<2023年に今作を観ると、影響を受けた映画が多いんだなという事が分かる先駆者的サイコスリラー作品。>
傑作!
同時期に公開されたヒッチコック名作「サイコ」の陰に隠れ、公開当時、性的・暴力的な内容が時代に受け入れられなかったサイコスリラーの傑作。直接的な殺戮シーンはないがイメージすることで、より怖さが増幅される😱。原題、Peeping Tom にサイコ野郎、誕生のヒミツが…。
"ジギー・スターダスト"
センス溢れる冒頭の映像が刺激的、デヴィッド・ボウイの5枚目「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and Spiders from Mars」のアルバムジャケットは本作が元ネタ!?
全体的に色が印象的なLOOKと、不穏な世界観の中にある主人公の純粋に思える変態性が不気味でもあるが、物語はシンプルに衝撃的な描写は控え目に。
完成させたい心理は掴み所がなく、ヒロインの女性を犠牲にはせず、寧ろ存在がウザったい。
古典的なサイコスリラー物として、映像描写の斬新さに古臭さを微塵も感じない。
鍵のない不用心なアパート経営
いつもカメラを携えている男マーク・ルイス。亡父が心理学者であり、息子のマークを実験材料として育てたため、彼自身も人の恐怖、断末魔の表情に興味を持つようになってしまい、売春婦を手始めとして徐々にサイコパス化してゆく。
「血を吸う」などという邦題はどうかと思うが、まったく血が出ないし、グロい映像もない。むしろ、警察の捜査までもドキュメント映像としてカメラで撮りまくったり、「映画監督になりたい」と常に語っていたりと真面目青年を装っているのだ。ただし、ドキュメンタリー好きというより、スナッフムービー好きといった感じであろうか・・・
カメラの三脚にはナイフが仕込んであり、人の恐怖表情がとても好きみたい。女優やヌードモデルたちからもいい演技、いい表情を引き出す才能があるのに、こんな趣味を持ってしまったために人の道を外れてしまうという悲劇。アパート経営もやっているし、生活にも不自由していないのに、やっぱり父親の影響が強かったんだろうなぁ・・・。原題が「のぞき魔」というのもピンとこないが、イギリスでは評判がいいみたい。カメラにも仕掛けがしてあるのだが、それは最後に明かされる。
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