チャイナタウンのレビュー・感想・評価
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J.N×F.D>ストーリー
「午前十時の映画祭」で鑑賞。
うーん、お話があんまり入ってこなかった。というか、入り込めなかったというか……。
ストーリーよりも、ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイの「ぶつかり合い」といいたいような共演のほうにこころ引かれた。
しかしどうもスッキリしない話だなぁ。後味も悪いし。
なんかモヤモヤ感が残る。
『チャイナタウン』というタイトルもどうなのか?
もっとしっかりと作品を読み解いたら、しっくりとくるのだろうか。
悲痛で、索漠たる雰囲気を感じさせる、あのチャイナタウンのラストシーンはたしかに胸突かれるものがあったけれど(音楽の効果大)。
フェイ・ダナウェイの妖艶で魔性なファムファタール感が実に魅力的。
午前十時の映画祭14にてロマン・ポランスキー監督『チャイナタウン』(1974)鑑賞。
『チャイナタウン』(1974)
実際の1930年代当時のカルフォルニア州の水利権・水不足による汚職・スキャンダル事件をプロットに取り入れたフィルムノワールの代表作。
ジャック・ニコルソンのギラついた存在感、フェイ・ダナウェイの妖艶で魔性なファムファタール感、そして強欲で冷徹なハリウッド映画屈指の悪役ノア・クロスを演じたフィルムノワールの名匠ジョン・ヒューストンは白眉でしたね。
フェイ・ダナウェイは同年『タワーリング・インフェルノ』(1974)、その後『ネットワーク』(1976)でアカデミー主演女優賞を受賞しましたがキャリアも寡作で勿体なかったですね。
ジェリー・ゴールドスミスの緊迫感ある劇伴はメリハリがあって良かったですね。
水面師たち
イヴリンの総て
ハードボイルド御三家と呼ばれる、ハメット、チャンドラー、マクドナルドの作品はそれぞれ映画化されてはいるものの、意外にもロバート・タウンのオリジナル脚本による本作が最もハードボイルド映画として完成度が高いと思う。
上記3人の代表作も含めてすべてアメリカ西海岸が舞台で、カリフォルニアの風土が何かしら醸成するものがあるのかもしれない。カリフォルニア水戦争を背景に水利権を巡る陰謀に端を発するが、終盤過去の闇からおぞましい真相が浮かび上がってくる。このあたりの悠揚たる語り口は実に巧みというしかない。監督自ら演じるチンピラが主人公の顔を傷つけて、中盤以降鼻に絆創膏を貼って男前を台なしにしているのも面白い。
タイトルの“チャイナタウン”は最後の最後まで登場しないが、あまりに衝撃的なラストシーンである。情感たっぷりの劇伴とともに忘れがたい余韻を残す。
ロマン・ポランスキーの作品では、「水の中のナイフ」とともに思い入れのある映画だ。DVDも持っているが、せっかく再上映してくれるのだからとスクリーンで鑑賞することに。
そんなにヤバイ
真相を暴いて嫌~なものを見せられた感じの映画でした(苦笑)
フィルム・ノワールの最高傑作だ。
ある探偵が、浮気調査の対象である水道局幹部の死に遭遇。その依頼主である夫人は、偽者だった。探偵は、本物の夫人や、夫人の父親である町の有力者と対峙する、、、。
本作は、1910年代に起こった、ロサンゼルス市とオーエンス渓谷の農民や牧場主の間で起こった水利権をめぐる政治的紛争、「カリフォルニア水戦争」を参考に、舞台を1930年代に移している。
ジャック・ニコルソンは、本作撮影後、『おかしなレディ・キラー』の撮影中に、タイム誌の記者から、姉だと教わった女性が実母で、両親だと思ってた人物が母方の祖父母だと知らされている(その時既に、祖父母も母も逝去している)。
本作は、生々しい道徳的退廃と奥深い腐敗を、魅惑的かつ超然と描いている。これは面白い。ジャック・ニコルソンとフェイ・ダナウェイの素晴らしい演技も相まった、フィルム・ノワールの最高傑作だ。
3分間待ってやる
「"なまけ者の街"だ」
午前十時の映画祭14にて鑑賞。
深刻な水不足に悩む1937年のロサンゼルス。人々はダム建設を求めるが水道電源局長モウレーは軟弱な地盤を理由に頑としてこれに反対していた。その最中、私立探偵ジェイク・ギッテス(演:ジャック・ニコルソン)に"モウレー夫人"と名乗る女性からモウレーの浮気調査の依頼が来る。依頼通りモウレーの身辺調査をし、彼が夫人以外の女性と会っている現場を撮影したジェイクだが、後日その写真がなぜかスクープとして新聞に載る。すると今度は実際のモウレー夫人であるイヴリン(演:フェイ・ダナウェイ)が現れ、ジェイクを告訴すると言い出すが、その矢先にモウレーが溺死体となって発見されるのだった...。
自分の職務に忠実な市井の人間達が巨悪によって翻弄される姿が何ともやりきれない。タイトルの"チャイナタウン"とは、ジェイクが警察官だった頃に担当していたエリアであり、その頃を自虐気味に"なまけ者"と称しているが、この表現には多少なりともチャイナタウンの華人に対するアングロサクソンの上から目線も含まれているのだろう。ジャック・ニコルソンのニューシネマには剥き出しの人種差別が付きまとう。
本作について、ある知人から事前にもらった忠告は「1秒たりとも見落とすな」というものだった。この物語では、何の変哲もないひとりの水道電源部長を通していくつもの人間模様が展開される。モウレー本人の話はすぐに察しがついたが、フェイ・ダナウェイに関しては読めなかった。本作のモウレー夫人にフェイ・ダナウェイが起用された理由はジャック・ニコルソン曰く「何をしでかすか分からない感じがするからプロデューサーのロバート・エヴァンスに推薦した」とのことだが、彼の言葉通り2周りも3周りも遠いところを行かれた。
劇伴も決して多くはないが、ジェリー・ゴールドスミスによるメインテーマがいつまでも尾を引く。この劇伴によって、観終わってしばらく経ってもまだ静まり返ったロサンゼルスの通りに取り残されたような気分になる。
映像表現が進化しても、やはり最後に作品の出来を決めるのはホンだよなぁと、改めて思わせてくれた、そんな作品だった。
汚れた街を往く反権力、無頼の徒の系譜を受け継いだ私立探偵の肖像
本作を、ノスタルジックで哀愁漂う佳品に仕上げたのはもちろん演出のポランスキーと音楽のゴールドスミスの手柄ではあるが、やはりこの映画は、ジェイク・ギデスという私立探偵を創り出し、彼が巻き込まれる不条理な事件のプロットを書き上げたロバート・タウンのものというべきなのだろう。
ギデスはフィリップ・マーロウと同じ警官あがりである。ただ彼はチャイナタウンに生まれ、チャイナタウンでの警官稼業に限界を感じて私立探偵に転じている。その経歴をちらちら見せながら、本作はチャイナタウンに戻って最終局面を迎える。その構造がなんともうまい。
ジェイクは生活のため(彼は雇員を擁する事務所の経営者でもある)現実的になるところはあるが、基本的には反権力であり、権力にすり寄った連中には徹底的に抵抗する。また切った張ったの警官時代の地金が出るというか時として荒っぽく無頼である。
このあたりの人物の創り方はロバート・タウンは実にうまい。彼の脚本では「戦うパンチョ・ビラ」や「さらば冬のかもめ」で同種の人物が登場する。脚本家として描きたい人物の理想形だったのかもしれない。もちろん登場人物の造形だけではなく、二転三転するプロット、巧みに配置された伏線や小道具の使い方も実に見事である。本作でアカデミー作品賞を受賞したのもむべなるかな。
ロバート・タウンは今年(2024年)の7月に亡くなった。享年89。合掌。
なまけ者の街
地方にやましい事件事故がありそうで
戦前のロスアンゼルス地域が砂漠地帯で水が出なく、自治体と手を組んで貯水槽や公共水道の建設工事をし、それが完成したのかしなかったのか、その地域に不動産がありその権利があるひとだと水が出ない砂漠地域と公共水道が完備された区域ではその不動産の価値が違いますが、その不動産所有者の年輩の女性が突然、亡くなったりしますが、フェイダナウェイの夫が建築設計技師で、フェイダナウェイの父が地上げ屋、不動産成金のようなで、貯水槽からそれに溜まった水を深夜に海浜に放出してましたが、そのフェイダナウェイの夫がその貯水の放出の出口辺りで死体で上がっていましたが、青森県の五所川原市内で偏差値が1等高い高校が五所川原高校で、五所川原東高校が偏差値が相当、低い高校ですが、その偏差値が低い高校の五所川原東高校が偏差値がその地域で1等高い高校の五所川原高校の分校になり、その後にその五所川原東高校または五所川原高校分校が廃校になったがネットの記事にあり
街の闇、2人の女、歯牙無き男の足掻き。
アメリカ史上最高のミステリー
確かに脚本がしっかりしていた
私立探偵物で、ハードボイルドなタッチ。テンポはゆったりしているが、弛緩がなく、序盤から細部や人間関係を覚えていないと理解しがたい。水道局の部長、夫モーレイの浮気調査を依頼してきた夫人が偽物で、浮気現場の写真を撮るが、ゴシップ誌に勝手にリークされ、本物の夫人が訴えに訪れる。誰の仕業か暴こうとしていたら、モーレイが溺死体で発見される。真相を暴こうと調査を進めると、ロスに水を引くためのダム建設で夫人の父とモーレイが対立していたことが判明し・・・という映画。
脚本がしっかりしていて、推理小説とハードボイルドを足して2で割ったような映画。脚本がいいので、奥深い事情をもった夫人を演じるフェイ・ダナウェイと、それに対応する私立探偵ジャックニコルソンの演技も見どころ。ストーリーがよく練られていて、セリフも洒落や皮肉がよく効いている。レイモンド・チャンドラー的な世界であった。
ラストは、なんともやり切れないハードな終わり方。私立探偵が愛する妻を守れなかったトラウマを抱えているのがチャイナタウン。チャイナタウンは、治外法権的な街だったらしい。ロマン・ポランスキーもハリウッド、愛妻が惨殺されているらしい。この映画の監督をするって、すごいトラウマを乗り越えたのだろう。
【”怠け者たちが集う街で起こった悲劇。”有名原作なしのオリジナル脚本で、この作品レベルには脱帽である。】
■第二次世界大戦前の南カリフォルニア。
私立探偵ジェイク(ジャック・ニコルソン)は、ダム建設技師モーレイの妻を名乗る女性から、夫の浮気調査を依頼される。
早速、調査を開始したジェイクだったが、やがて彼の前に本物のモーレイ夫人(フェイ・ダナウェイ)が現れる。
◆感想
・初鑑賞であるが、2023年に観ても特に衝撃の後半のストーリー展開には魅入られる。
・町の実力者ノア・クロス(ジョン・ヒューストン)が行っていた悪辣な事実と、それの報いを受けたモーレイ夫人の姿。
<ジャック・ニコルソン演じる私立探偵ジェイクが、真実に近づいて行く様も佳き作品である。
ロマン・ポランスキー監督。自らの家族に起きた悲劇を乗り越えて、秀作を作り続ける姿には畏敬の念を抱きます。>
「なるべく静観」
世上は冤罪との声もありますが、ケネディ大統領の暗殺犯として警察当局に逮捕されたオズワルドは、その第一声を取材しようとして押し寄せたマスコミ記者に対して「どなたか私に法的な支援(リーガルアシスト)を」と叫んだと聞きます。
英米では、それほど問題の法律的な解決ということが市民の間に根づいていることに比べ、日本を含む東洋系の国では、当事者間の話合いや、いわゆる「顔役」による調停によって問題を解決しようということが、令和の今でも広く行われています。 (ちなみに、各都道府県には一以上の国立系大学がありますけれども、そのほとんどが「ものつくり」に関連する工業系の学部が中心で、少数派の中でも単独の法学部を擁しているものは、更に指を折って数えるほど。先進国でありながら、今の日本でも、それほどリーガルサービス、ないしは、その前提となる法学教育が軽視されている。)
まして、当時(1930年代)のチャイナタウンにしてみれば、アメリカ国内とはいっても、同じような状況で、当時のアメリカ人には、奇異な社会に見えたことは、想像に難くありません。
おそらくは、その「不可解さ」がロス市警当局をして「なるべく静観」という態度をとらしめたのだと思います。評論子は。
高級官僚による、ありふれた単なる浮気調査だったはずが、どんどんと利権の渦に巻き込まれていく様には「痛い」ものがありましたが、そのお陰様で、2時間を超える長尺映画であったにもかかわらず、疲れることなく、十二分に感情移入しながら見入ることができました。
面白い一本であったと思います。評論子は。
(追記)
必ずしも法律や形式的な正義に束縛されない私立探偵のギデスとしては(警察官時代はいざ知らず)、チャイナタウンでの出来事について「なるべく静観」という態度に出たことは、本件の場合については無理からぬかなぁと思います。評論子は。
同じく私立探偵としての設定では、『ゴーン・ベイビー・ゴーン』のパトリック探偵(ケイシー・アフレック)がああいう判断をしたこととは好一対かなぁとも思います。
どちらの場合にも、考え方には、賛否の両論があるとは思いますけれども。
見終わって、そんなことにも思いの至った一本になりました。評論子には。
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