劇場公開日 1991年5月18日

「絶滅危惧種となった理由へのObjection」ダンス・ウィズ・ウルブズ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5絶滅危惧種となった理由へのObjection

2020年4月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

群れを襲う単体の外敵に捕食されることを知らなかったアメリカバイソンは、襲撃に立ち向かう習性を持っていたと考えられています。白人の入植前、6千万頭と推測されるバイソンの個体数は、1890年には1,000頭にまで激減します。ライフルを持つ白人の狩猟に対しても怯まず、逃げることなく立ち向かった事が、自らを絶滅の縁にまで追いやった一因になったと言う説もありますが。

異論ありです。
誰がそんなデタラメ過ぎる説を唱えてるんだか。

スー族に限らず多くのネイティブアメリカンの種族は、バイソンを追いかけ、定住することなく移動式住居の生活を送っていました。衣食住のほぼ全てを、バイソンに依存していたのです。白人は最初、食料・皮革を得るために。後には害獣として、バイソンの狩猟を行っていましたが、インディアンの絶滅政策に伴い、「インディアンを飢餓に陥れる」と言う目的で、より大規模なバイソン狩りを押し進めます。アメリカの平原には、殺害されたままで放置されているバイソンの死体の群れが転がっていたと言う時代があったはずです。

アメリカンバイソンの習性なんて、関係ない話ですやん。

ネイティブ・アメリカンへの政策も、同じレベルな訳で。

スー族は、白人に狩られ、皮を剥がれ、放置されているバイソンの骸を見つけ、茫然とします。当時カリフォルニアでは、インディアンの絶滅政策に基づき、「駆除した」インディアンの証拠としてハンターが持ち込んだ「インディアンの頭皮」と引き換えに、賞金を出していました。あのバイソンと、それを眺めるスー族の立場は、全く同じだったって事です。

広大な大陸への入植者であった白人は猟銃によって、ネイティブアメリカンも、アメリカンバイソンも絶滅の縁に追いやり、そして、保護した。この映画の中で、「狼と踊る男」は、滅ぼそうとされる側と、滅ぼそうとする側のハイブリッドであり、白人の罪を告発すると言う役回りが与えられていました。

1991年に7個のオスカーを獲得したこの映画。この手の「白人達の罪を告発する映画」は、アカデミー賞で高い評価を得る傾向があります。でも。今も、ネイティブアメリカンは社会で冷遇され、差別され虐げられ続けている。告発を称賛しながら、現実では一向に変わらない社会ってのもねぇ...まぁ、少しづつではあっても良い方向に向かってるかも知れないんでしょうが...なんて、暗澹たる気分にさせられる映画でした。

午前十時の映画祭で鑑賞。

下書き感想文を書き直してアップするぞ週間。コロナ感染症ピークアウト戦略の我が国ですがヤバいです。致死率二桁%の変異体発生はほぼ間違いなく。東京・大阪・愛知・北海道は封鎖するしかないと思われます。中国からの感染者流入を止められなかったのは失政(野党の反対を言い訳にしてはいけません)でした。今回は毅然とした決定を望むばかりです。

と言うことで新作はしばらく見れそうにないので記憶を辿りつつ感想文を書きました。

bloodtrail
asicaさんのコメント
2020年4月25日

すすめ」の冒頭部のみで語られるのとは全く異なる姿が知られていませんね。あの続きに 〜とは言え が続くことも。
世の中不穏な日々ですが
こういったレビューを読ませて頂ける楽しみに出会えて 嬉しく思っています。

asica
asicaさんのコメント
2020年4月25日

フィールドオブドリームスを当時出始め(?)のwowowで見て ボディガード?ロビンフッド?もう全然 順番がわからない私です。
歴史感については学べばまさに白人たちの行状が凄まじく新大陸におけるスペイン人の感覚に驚きのあまり開いた口が塞がらない程の衝撃を受けた記憶があります。奴隷海岸からの輸送方法も知った当時は悪夢でうなされました。福沢諭吉は明治期に日本も欧米列強が如くに植民地政策すべしと言っていますが「学問の

asica
asicaさんのコメント
2020年4月25日

間違えた フィールドオブドリームだ

asica
asicaさんのコメント
2020年4月25日

公開当時に全盛期(ピークちょい前かな?)のケヴィン・コスナーが見たくて映画館に行きました。ロビンフットでファンになり パーフェクトワールド、ボディガードが私の中ではピーク。ウォーターワールド(薄毛っぷりは気にならなかったけど)からはちょっと下向きに。なのでこういう内容の感想を読ませて頂きただただ感心しております。なるほどー!と。

asica