タクシードライバーのレビュー・感想・評価
全186件中、121~140件目を表示
実に味があるほろ苦いストーリー
音楽がちょっと・・・。
Martin Scorsese
私の中では、マーティン・スコセッシ監督作品の中でベストの作品。色々な予想を裏切りながらも、一つ一つの要素のパワーが強力なのと、それらの要素が様々な方向から一つに収集されていくのがとても映画的だなと感じました。
何と言っても、ロバート・デ・ニーロの演技がこの作品の中心にいることが一番大きな要素だと思います。そのロバートデニーロの演技に含まれる小さな仕草や、間の取り方に嘘がなくそれらが、監督のディレクティングにバッチリハマっているのが、相乗効果となり、超強力になっています。
普通に我々の身近にいるようなキャラクターではないトラヴィス。例えば、一目惚れの女性に猛アタックをしたり、身体を売っている少女に異様な正義感を見せたり。この辺は、いわゆる世間では異常者の行動です。トラヴィスのクライマックスでの行動はさらに想像を絶するものです。しかし、その全ての行動を嘘っぽく感じないのがすごい。ラクシードライバーをしている時のトラヴィスや女性の好きなレコードを買いに行ったり、重装備の自分に鏡ごしに話しかけるのは、決して以上ではないし、むしろ私たちがパブリックに公表しないような、とてもプライベートで自分の世界に入っている時にするような、ちょっと恥ずかしいような行動。それを描く勇気とそれから大きなテーマ、遠回りしないとたどり着けないような感情を喚起してくれます。
まさにストーリーテラー。常にトラヴィスの感情を追いかけるようなカメラワーク。それに加え、単体では受け入れられないようなショットも、それまでの行動や人間関係からわかるトラヴィスのキャラクターから理解でき、さらには感情移入もできるようなキャラクターアークがあることで、その奇妙なショットがブランド化していく。
マーティンスコセッシは天才であることは間違いないが、めちゃくちゃ我慢強い映画監督だろう。自分の感性に嘘をつかず、カッコつけない。泥臭く、才能のあるフィルメーカーたちが持ち寄った芸術を自分の信じる方法でオーケストレートしていくような監督だと思う。だから役者によってもガラッと色を変えるし、多様なジャンルを描くことができる。決して緩やかな道のりではないだろう。何度も途中で壁にぶつかりながらも、自分の軸から手を離さず、光を探していく忍耐強さがある。
だからこそ、自分の枠にとらわれないような、大きな大きな作品を生むのだろう。
デ・ニーロ堪能(モヒカン含む)
わけのわからないことをしたい時もある
ロバートデニーロが若かりし頃、まだ人をバッドで殴ったりする前の頃の話。
一方的にしか話を進められないところとか、理解力が足りなくて会話の中で適当に誤魔化すところとかが、自分と共通している気がしてドキッとした。
何か目立つことがしたいと、鏡の前で1人銃を構える練習をしているシーンは、アドリブの名シーンとして名高いそう。
結局、殺された人は気の毒なんじゃないかという気もするが、淡々と日々を過ごしていくタクシードライバーに代表される、社会の貧しく名もなき人々に焦点を当てた映画としては真を突いたものだと思う。
なんとも言いようのない虚しさが全体に漂っていて、じっと見入っていると、なんだか病気になりそうな雰囲気がある。
苦悩
ベトナム戦争から戻った男の日常と心情を描く。
偶然見かけた女性に猛アタックし最後には嫌われる。
売春婦をマフィアから救う…正義なのかエゴなのか。マフィアは悪。そこから少女を救うのは善?
マスコミにヒーロー扱いにされ。女性が戻ってきて満足気。
んー、男の苦悩が伝わってきます。
タクシードライバー
アメリカの闇、にんげんの闇
タクシードライバー、一時期憧れた、車好きだし。しかし腰にきそうなの...
タクシードライバー、一時期憧れた、車好きだし。しかし腰にきそうなのと、後ろから弁護士に蹴り入れられてはたまらんのでやめておこう。
デニーロの映画か、やばいんちゃうの?やっぱりやばかった。
どうしようもなく襲い来る孤独感。この歳でも感じることがままあります。なぜか捨てきれぬ他に認められたい心。私もデニーロみたいにならぬようにせねば(笑)
この映画の怖いのは、当時より今の方がこんな人が増えているのではないかということ、そう世界中に。この映画が名作と言われるのも、そんな人達がたくさんいることの証明かも。
結末もまたなんと皮肉なことか、この先一体なにが起こったのだろう…いらぬ心配をしてしまいます(笑)
13歳のジョディ・フォスターのシャープな魅力が作品に花を添えます。断っておきますが私はロリコンではありません(笑)この作品を見てジョディのためとか言って実際に大統領暗殺を企てた者がいたのにも驚きです。
それと、初デートでポルノはやめておきましょう。
何はともあれ人生一度は見るべき作品には入ると思います。のめり込みたくはありませんが。
社会の閉塞感は
現代社会にも通じており、トラビスのような精神的に不安定な人間が“狂う”様は横で見たならかかわり合いになりたくない。
カッコいいと言うよりは、社会的逸脱行為に走ってしまう様は何処かの患者様そのもので措置入院待ったなしな様子。
だが、そうなるまでに時間があるはずなのに、ベトナム帰還兵はそれほどのストレスを抱えたのだろう。
今もどこかで狂いかけている人がいると思ってしまう。
しかもちょっぴりの手助けではどうにもならないほどに、人生を狂わせてる人が。
タクシードライバーという職業でありながら街を俯瞰で観ているところが...
タクシードライバーという職業でありながら街を俯瞰で観ているところがシビレますね。孤独感と社会からの疎外感は、設定ももちろんですが楽曲とのマッチングもステキだし、デ・ニーロの演技もこの作品では格別なオーラを放ってます。
「You talkin' to me?」は名シーンとして語られていますが、やはりロバート・デ・ニーロは内なるものを演じるのが上手いですよね。昔から大好きな俳優の一人ですが、どの作品を観ても細かいところまで役作りされていて感服します。ジョディ・フォスターも13歳でのノミネートですし、ニューシネマという歴史から見ても存在感のある作品です。
技術的にも素晴らしく、やはり名作と呼ばれる作品は何度見ても飽きないですし、いつも新しい発見がありますね。
教養として鑑賞
アメリカンニューシネマというものを観てみたかった つまりマーティン...
厨二ストーカーが輝く名作!
・たまたますれ違った女に一目惚れし、女の職場を外から長時間に渡り監視→ストーカーです
・初デートで、ポルノ映画をチョイス→セクハラです
・当然女に絶交され、何度も謝罪の電話をするが取り合ってもらえず、何度も花を送りつける→ストーカーです。
・それに対し逆ギレし、女の職場に押しかけ罵倒する→ストーカーです
・鍛えた体で銃を構える姿を、鏡越しに見て自分に酔う→厨二です
・自宅ででかい独り言を延々と続ける→私です
・その独り言の内容は、いつか言おうと思ってる自分が考えたカッコイイセリフ→厨二です
・自分は国に仕える仕事をしてる設定にして妄想に耽る→私です
・その設定を親宛の手紙に書いてみたり、実際に10代の売春婦に言っちゃったりする→厨二です
・「君がこれを読んだ時には、たぶん僕は生きてはいない」みたいな映画なんかでよく見るフレーズを手紙に書いちゃう→厨二です
最後は売春宿を襲撃して、助けを頼みもしてない売春婦を救いヒーローとなった主人公は、絶交女からも声をかけられるようになりめでたし〜
作中に何度も流れるオシャレなジャズが、主人公の痛さをより引き立てる名アシスト。
終始気持ち悪い主人公なんですけど、その気持ち悪さを見ていて胸にグサッと刺さるところもあるので、完全には否定できない笑
全186件中、121~140件目を表示