「普遍的だからこその名作。映画ナメてた。」第七天国(1927) ありきたりな女さんの映画レビュー(感想・評価)
普遍的だからこその名作。映画ナメてた。
クリックして本文を読む
愛してるって言えないから名前を呼ぶ不器用さも、
待ち合わせはいつも11時なのも、
本当に見えてなくてもシーコには目に焼き付けたディアンが「見える」のも、
細部に光るものが散りばめられていてうっかりポロポロ泣いてしまった…
いつも下ばかり見てた彼女は逞しくなって上を向いて、いつのまにか窓の外を伝って歩くのも怖くなくなっていて。
無神論者だった彼は神に永遠を誓うようになって。
知らぬ間に互いに影響し合って人って変われるんだと、社会の底辺や戦争という現実さえ凌駕する普遍的な希望を感じた。
物理的に天と地を行き交う映像も見事。
トーキーへと変わる時代に映画はここまで作り上げられていたのかと目を見張ります。
地下で働いていても、住まいと気持ちだけは天を向いて生きる。
階段を上っていくのが最後に反復されて感動するとは思わなかった…あの結末の解釈の余白が残っているのもいい…現実か虚構か、天国と下水道、神と戦争、何を信じるかは自分次第なんだと。
コメントする