タイタニック(1997)のレビュー・感想・評価
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スペクタクル+悲恋物
実際に起こった豪華客船タイタニック号の沈没事故。
そのタイタニック号に乗り合わせた人々の悲劇を事実と創作を織り交ぜて描いた超大作です。
画家を夢見て新天地に向かう青年ジャックと、落ちぶれた名家の令嬢ローズの悲恋を中心にストーリーは進んで行きます。
(ジャックとローズは当然、架空の人物です)
【悲恋物】としては、身分違いの恋・恋敵の妨害・悲劇的な結末・・・とコテコテの展開。
【スペクタル物】としては、巨額を投じた大掛かりなセットと迫力ある特撮。
良くも悪くも「使い古された」定番の展開なんですが・・・
この「悲恋物」と「スペクタル」の見事なまでの融合が、この作品を見応えのある物にしています。
年老いたローズの回想という形で話が進行して行くんですが、
最新のテクノロジーを駆使した探索船で、悲劇の現場に再び戻ったローズは、どんな気持ちだったんでしょうか?
ラストのローズの安らかな顔。そして、事故後に撮ったであろう数々の写真が、ローズの生涯を物語っています。
ジャックという青年に会ったことで、ローズの人生は変わりました。死んでしまったジャックの分まで、力強く生きたローズの人生は、作中では描かれていません。でも、僕はあの僅か数分の時間で、それを感じ、そして、涙しました。
3時間余りの上映時間は、あのラストの為の前置きだったのでは?という気さえします。
ただ一つ、残念だったのは、若かりし頃のローズを演じたケイト・ウィンスレットの体が、ふくよか過ぎて「落ちぶれた名家の令嬢」という悲壮感を感じなかったことですね(苦笑)
わたくしには伝わらなかったです
この作品が公開され、当時つきあっていた彼女が一回目で号泣し、二回目見ても泣き、だから三回目を一緒に行こうと言ってききませんでした。わたくしはずっと抵抗していました。しかし本作は異常なロングランを成し遂げ、公開が終わる一週間前にようやく折れて見ました。
元カノは映画が始まった一時間以内にまた泣きだしています。しかしわたくしにはどこで泣いていいのかまったく分かりませんでした。結局3時間泣くどころか涙線を緩ませる事もなく映画館を後にしました。(それがきっかけで別れたのかな(苦笑))
どうして感動しなかったのかそれから今になっても考えることがあります。でも今だにその明確な理由がわからない始末。でも幾つか考えられる理由があります。
一つは本作にはそれまでのジェームス・キャメロン監督の「らしさ」がないこと。「エイリアン2」や「ターミネーター」ほどの悲哀さが本作にはないのです。それはおそらくレオの美形を活かすことに監督の演出がよりすぎていたからだと思っています。そうやって「らしさ」が削られたのだと思います。
二つはわたくしという一人の男の目からすると、レオもケイトも全然魅力的じゃなく、さらにどこか嘘っぽかった事。綺麗な宝石を前にされたら逆に疑いたくなるのはやはり人間の心理なのでは?
でもわたくしのこの意見はどう見てもマイノリティーなようで、世の、特に女性はこれで何回もリピートしたというのだから、やはり素晴らしいものがあるのでしょうね。でも、ごめんなさい、百人に否定されても、わたくしはこれを見ている間まったく何も伝わらなかったのは真実なのです。
大切な人へ伝えられなかった想い
最後のシーン・・・
年老いた現代のローズが眠るベッドの横の写真たち
乗馬をした時の写真
飛行機を操縦した時の写真
女優時代の写真・・・
どの時代の表情も笑顔で美しく 自信に満ち溢れ 人生を謳歌しているようだ
しかし 本当ならば それらすべての写真はジャックと共に写るはずだった・・・
親や許婚の婚約者を捨て 世界の広さと人生の素晴らしさを教えてくれたジャック
その意思を受け継ぎ 一から自分の人生を再スタートさせたローズ
その後の第2の人生と《ジャックへの想い》があの写真達にたくさん詰まっている
ジャックは死者数が最も多かった3等客室に乗っていた
今よりも移民や貧困層への差別が酷かった時代
1等客室の富裕層から次々と避難する中でローズの代わりに亡くなったジャックは《タイタニック号で命を落とした人達の象徴》であろう
タイタニックと運命を共にして亡くなった被害者全員が伝えることのできなかった《愛する人への永遠の想い》がこの作品全体に深く刻まれている
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