「国民性の差」大脱走 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
国民性の差
冒頭の字幕にあるように実話らしいが、登場人物のやり取りや軽快な音楽から、コミカルで楽しい印象の映画になっている。3つもトンネルを掘ったり偽の身分証を作るなど、脱走に対する熱意と執念が凄まじい。アメリカとイギリスの兵士達は独立心が強いのだろうか。日本兵だったらここまで脱出に執着するのかと、国民性の差を考えさせられて面白かった。
第二次世界大戦時のドイツの捕虜収容所におけるソ連兵の扱いは、ナチスによるスラブ人蔑視が根底にあるため、餓死者も出るなどかなり過酷だったようだ。しかし作中のアメリカとイギリスの兵達はあまり苦しそうには見えない。たとえナチスといえども、蔑視している対象者以外の捕虜扱いは普通だったのだろうか。そこが気になった。
コメントする