「オールタイムベスト」大脱走 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
オールタイムベスト
よくあるオールタイムベストでは大抵「ゴッドファーザー」が一位になってるけど、私の中では「大脱走」が断然一位。
まさに映画の教科書。何回観ても飽きることがない。
まず、ドイツの連合軍捕虜収容所からの脱走という実話をもとにしたストーリーが良い。
のちに「将軍」を著したジェームズ・クラベルによる脚本が良い。ゲシュタポに目をつけられているビッグXバートレット、アメリカ空軍バイク乗り独房王ヒルツ、閉所恐怖症のトンネル王、登場人物一人ひとりの魅力的なこと。はっとするような台詞。
演出が良い。
撮影良い。アルプスの雄大の風景。
編集が良い。
アクションが良い。スティーブ・マックィーンのバイク
エルマー・バーンスタインの音楽が良い。
そして俳優が良い。
この映画に足りないのは女優だけ。だが、無理に女優を出してくる必要は全くない。(女優パートが長くなかったら「七人の侍」が一位)
昨今の台詞で全部説明してしまう日本映画や見たいもの全部見せてくるハリウッド映画の下品さに満足できないのは、今作のような良く出来た作品を洋画劇場で毎週観て育った世代だからなのだろうな。
「大脱走」のレビュー欄で「オールタイムベスト」という表題の文字を見て、嬉しいばかりです。
今回、午前10時の映画祭で上映され、映画館の大きなスクリーンで見れたこと、嬉しくてたまりませんでした。この2週間の間に3回ほど見に行くことができ、大満足です。
最近、映画が趣味となって、ずいぶん沢山の映画を見るようになりました。しかし、本来、映画というものは、一部の映画が大好きで、そのために自由な時間のほとんどを使っているような人たちだけのものではなく、「誰と行ったのか」とか、「どこで見たのか」とか、「どんな状況で、どんな気持ちの時に見たのか」等ということと、分かちがたいものだと思っています。
私にとっての「大脱走」は、テレビの○○ロードショー(何曜日のだったかは忘れてしまいましたがwikiで見ると「ゴールデン洋画劇場(?)」のようでした)で家族みんなで見た記憶と密接に結び付いています。
極端な言い方になるかもしれませんが、今ではストーリー等よりも、その思い出そのものが大切なものとなっています。
今回、このレビューを読むことができ、今の趣味としての映画とはまた別の「映画の楽しさ」を思い出したような気がします。レビューありがとうございました。