「この映画は虐殺の事実以外はフィクション。また、一つの話では無い。」大脱走 マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画は虐殺の事実以外はフィクション。また、一つの話では無い。
事実に基づくとあるが、本当なのだろうか?
バーゼルとレーベンシュタインの中間点。確かにスイス国境だが『ノイシュヴァンシュタイン城』はスイス国境ではない。また、川はライン川なのだろうが、ドイツの大都市を通過するので、ライン下りは無理だ。ローヌ川、セーヌ川、ラベ川(源流はチェコ?)ウェザー川全て考えられない。だから、ライン川なのだが、ボン、ケルン、ジュセルドルフ、そして、ロッテルダムをどうやって通過したのだろうか?ましてや、一日二日で行ける距離ではない。また、収容所はフランス国境からは程遠く、リヒテンシュタイン公国よりも東だと推測できる。つまり、スイスを通らずにフランスへ行く事は不可能で、スイスへ逃げる方法しか考えられない。だから、純粋なフランス国籍の人間がこの辺をうろつくはずはない。また、スイスにもフランス語を喋る地域はあるので、スイス国籍を装うと考えられるが。もっとも、スイス国籍の市民が容易にドイツへ入国出来たかは不明だが。また、スペインへ越境すると言っているが、スペインは親ナチスドイツのフランコ政権。同時にレジスタンス活動をしている南フランスは、ヴィジン政権でやはり親ナチスドイツ政権。脱出を目指す様な場所ではない。まぁ、それは兎も角、
そもそも、トンネルを本当に掘ったのだろうか?
脱出があったとしても、大脱走となれば、一番手っ取り早い方法は、内部の協力者を募る事だと思う。それが一番リスクが無く、成功確率も高いと誰でも分かるはずだ。
この映画は、虐殺の事実以外はフィクションであると断言できる。戦争活劇として鑑賞すべきだ。
追記 ノイシュタット (Neustadt)と言う駅から汽車に乗る様だが『新しい町』と訳せるだけで、どこの町が限定されない。まぁ、戦争論的に考えると捕虜収容所は捕虜の故国よりも遠くて、脱走して自国民に危害を加えない様な場所に作ると思う。つまり『現在のポーランド領』
因みに、エルマー・バーンスタインはレナード・バーンスタインの親族では無い。