「Was it worth it? I don't think so... ハリウッド的脱走活劇」大脱走 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
Was it worth it? I don't think so... ハリウッド的脱走活劇
映画ファンを名乗るなら昔の名作と呼ばれる作品も観なければという義務感?で観た「大脱走」。だいたい昔の映画は好みに合わない事が多いのですが、本作は面白かったです。これが実際にあった話っていうんだからスゴいよなぁ。
女性が殆ど出てこない濃い映画なのですが、男同士の友情が熱いです。正直昔の俳優さんは誰が誰だかって感じなのですが、今と比べると皆さん顔つきが濃いですよね。その濃さが作品に厚みを与えてるのではないでしょうか?
捕虜収容所だけあって普通に考えれば過酷な環境なハズなのに芋焼酎作ったり、独立記念日祝ったりしてて何だか楽しそう。ここ脱走しなきゃいけないの?って思っちゃったり。でも脱走は義務だっていってましたしね。脱走した後はヒルツがバイクを奪って逃走したりで、とってもハリウッド的です。全編英語なので分かりにくいですが、実際に脱走の時にはアメリカ人の捕虜はいなかったらしいです。
トンネル名人のダニーがトロッコに乗ってトンネルを進む姿がカッコいいです。でも話の途中で突然豆腐メンタルになってビックリ!何があった?アイブスも自分から独房に入った割に出てきたら豆腐メンタルになってたし。意外と脚本粗いです。
本作の公開が1963年なので当時ってまだ実際に第二次世界大戦を経験した方が生きてた時代ですよね。そんな頃に観ていたら印象も全く違ったんだろうなっと思います。やっぱり映画って時代を映す鏡だな。
で、映画自体トンネル作ってるシーンも脱走劇も楽しめたのですが、実はそれよりも興味深かったのが、blu-rayの特典映像に入ってたドキュメンタリーです。実際に脱走した方へのインタビューとかあって、現実にあった物語なんだって事を改めて感じました。結果としては50人が殺された訳で、生き残った人も友人が殺されてたりで、生き延びてホッとした反面「あいつは死んで俺は何故生きているのだろう?」っという心境にもなったりで。生き延びたおじいさんが「本当にやる価値があったのか?私にはそう思えない」と語っていたのが胸に響きました。