第三の男のレビュー・感想・評価
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フィルム・ノワールとの出会い
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まず「フィルム・ノワール」って何?
フィルム・ノワール (film noir) は、虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画を指した総称である。
狭義には、1940年代前半から1950年代後期にかけて、主にアメリカで製作された犯罪映画を指す。
(Wikipediaより引用)
代表作の中でこれまでに観たことある作品はなかった。日本映画でも、黒澤明監督などの作品でこのジャンルに入るものがあるとか。
虚無的・悲観的・退廃的な指向性か・・・
警察も知り合いも口を揃えて「ハリーは死んだ」と言うが、なんか辻褄が合わない。怪しい。ホリーが独自に調査していくと、予想外の結末が待っていた。というストーリー。
内容はそこまで面白いってわけじゃなかったけど、舞台が終戦直後のウィーンだったり、60年以上前のモノクロ映画だったりで、異世界の雰囲気を楽しめた。いつもと違う世界にいける気がするから、映画とか美術館とかって好き。
あと軽やかでコミカルな音楽も独特で良かった。
ハリーの恋人である踊り子アンナ役のアリダ・ヴァリさん、めちゃくちゃ美人で神々しい。そんなアンナに叶わぬ恋をしてみたり、素人の単独調査なのに警察の協力を仰いでハリーの墓を掘り起こしてみたり、ホリーは一生懸命だけど滑稽なキャラ。
時代背景からして、ハリーは実はどっかの国のスパイで、終戦と共に祖国に帰るなり姿をくらますなりしたのかなって推測していましたが。違いました。全然推理が当たらない人ですわたし。でもそんなスパイ系の壮大なストーリーを勝手に思い浮かべながら観ていたからか、ハリーの本性や失踪の動機が随分しょぼい気がした。ラストだって、親友とはいえホリーが絶対に裏切らない保証はないのに自分からのこのこ出て行ったりして。脇が甘い!とか思いました。
あと名前ね、けっこう後半までホリーなんだかハリーなんだかで混乱してた。しょーもな。笑
このオーソン・ウェルズという俳優さんは、顔の角度によって全然違う人に見えるという特徴があった。斜め横から見るとそこそこイケメンなのに、正面から見るとほっぺがぷっくりしすぎてて冬眠前のリスですか?って感じだった。全体的にくりぃむしちゅーの有田に似てる。不思議な顔。
光と影のコントラストが美しい
光と影
『第三の男』~光と影の魔術師キャロル・リード監督
いわずと知れた映画の古典。後の教科書的作品となる、リード監督の最高峰。考え抜かれた緻密な構成。無駄な場面ひとつとしてない高い完成度。数ある名シーンの唖然とする見事さ。冒頭のツィターの爪弾きの大写しからしてわれわれを作品に引き込む。オーソン・ウェルズの職人的演技にはただただため息が出る。またアリタ・ヴァリの芯ある骨太の演技も注目に値する。闇夜の街頭でさっと射す光に浮かび上がるふてぶてしいウェルズの鮮烈なマスクの演出は実に心憎い。ジョゼフ・コットンが講演者としていきなり車に乗せられ会場に着くまで暴走する場面には意表をつくサスペンスがあって面白い。アングル・ショットの多用が不安を募らせる。さらにオーソン・ウェルズが凶悪犯罪の黒幕と知ってもなおも愛しつずけるアリタ・ヴァリの悲しい女のサガ。それを知ったジョゼフ・コットンの失望があの映画史に残るラストシーンへとつなっがる。地下下水道のおとり場面の緊迫感も見所。この傑作なくして映画は語れない。
モノクロでしか表現出来ない巧みな演出
完璧という言葉は、この映画のためにあるのではないか、と思うほどよく出来ている感じありますね。
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