劇場公開日 2020年8月21日

「チターの音色」第三の男 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0チターの音色

2019年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 米英仏露の4つに分割されたウィーン。皮肉なことに共通語はドイツ語。クルツ、ポペスク、そしてもう一人は?女も怪しいし、医者も怪しい・・・というサスペンスだ。

 キャラハンとキャロウェイ、ハリーとホリー、名前を必ず間違える伏線。三文小説家と貶されたり、いきなりのパーティで英文学の質問ばかりされてさっぱり答えられないマーティンス。結局は友人に利用されるだけされて、それでも優しい彼の生き方も素敵だ。

 チターの演奏が東欧の雰囲気を醸し出し、わからない外国語の中での疎外感はアメリカ人らしくないアメリカ人マーティンスに哀愁を帯びさせてます。中盤あたりのカメラワークが猫を使ったり、花の中にカメラを入れたりと実験的で、かなり凝っていることにも気づきました。最初に観たのは小学生の頃で、当時の方が緊張感を味わった。

 ラストの枯葉散る並木道は、以降色んな映画で取り入れられている手法ですよね・・・これが元祖なのかは知らないけれど。

kossy