大河のうた

劇場公開日:

解説

インドの近代都市の中で次第に薄れてゆく家族関係、母と子の問題を追及した作品。ビフティブシャーン・バナールジの小説『パテル・パンチャリ』を三部作構成で、監督・脚本のサタジット・レイが試みた第一部「大地のうた」に続く第二部である。撮影スブラタ・ミットラ、音楽ラヴィ・シャンカールと前作と同じスタッフ。出演はオプの少年時代をピナキ・セン・グプタ、成年時代はスマラン・ゴシャール、父母は前作と同じカヌ・バナールジ、コルナ・バナールジである。

1956年製作/インド
原題または英題:Aparajito
配給:ATG
劇場公開日:1970年11月28日

ストーリー

親子三人が新生活の地としたベナレスは貧しい人々で溢れていた。一家は父親のハリハル(K・ベナールジ)がガンジス河岸で経典を朗読して得る僅かな金が頼りで、母親のサルバジャ(K・ベナールジ)の苦労は絶えなかった。しかし、オプ(P・S・グブタ)にとっては全てが新鮮だった。或る日、風邪を引き熱のある身体でかせぎに出た父は、帰り道の高い階段で倒れた。肺炎だった。数日後、妻と息子に見守られ父は死んだ。母にはオプの成長だけが生きる支えとなった。母はある裕福な家庭の召使いとなった。しかし、オプが主人の使い走りにされるのを見て我慢が出来なくなった。窮状を聞き叔父がやって来て二人を自分の村へ連れ帰る。田舎の生活が始まったがベナレスの生活を経たオプ(S・ゴーシャル)は自我にめざめていた。学業成績は抜群だった。彼の才能を教師達は惜しみ、あちこち奔走して、奨学金をとらせカルカッタ大学に彼を送りこんだ。母は悲しんだが、息子の意見に従った。カルカッタの小さな印刷所の屋根裏の生活が始まった。寂しい部屋であるが、そこには今迄に見た事もないスウィッチ一つで操作出来る電燈があった。オプにはその部屋が魔法でいっぱいのような気がした。生活は厳しかったが、希望があった。母は夏の休暇に帰る息子を一日千秋の思いで待ち続けた。しかし、久し振りに息子と逢った母は心のふれあいが薄れているのを感じた。そして、そのふれあいを失うにつれ、彼女の命は衰えはじめた。結咳がしのびこんでいた。急の知らせを受けオプが駆けつけた時には母親は亡くなっていた。村に残ってくれという叔父の願いをしりぞけ、オプは新しい、より希望に満ちたカルカッタの生活へと戻るのであった。

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映画レビュー

5.0親と暮らさなくなって、40年。その親もこの世にはもういない。寂しくないけどね。

2022年5月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

小説でも映画でも、自分が死ぬ事は書けない。自分の人生は、周りの人達がこの世から去って、初めて、時間の経過が明確になる。そして、それは誰もが逃れる事の出来ない運命だ。
さて、最後のオプー三部作はどうなるのか?

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マサシ