ダーククリスタルのレビュー・感想・評価
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独特のキャラデザインをどう見るか・・
本作は脚本より先に世界観づくり、人形劇でどこまで実写に迫れるかの可能性探求から始まったそうです。
原案・製作・監督のジム・ヘンソンはマペットの生みの親、高校時代から人形劇の人形作りにのめりこんだようです。当時の人形劇と言えば木彫りの操り人形だったものを発砲ゴムで造形しロッドで操るように考案、「人形にも生命と感性が必要」というのが彼のモットーでした。CM製作やセサミ・ストリートで成功し映画にも進出しましたが究極の人形劇を作るのが夢だったのでしょう。
一方、子供に見せるにはグリム童話のように恐怖心も必要だと思っていたそうで、そんな時、触発されたのが英国のベストセラー絵本作家ブライアン・フロードのイラストでした、NYタイムズは彼の絵を「グロテスクだが美しい」と評しています。
本作の殆どのキャラクターデザインはブライアン・フロードが描いたものです。妖精のようなキーラのフィギュアを作成した美術スタッフのウェンディー・ミッドナーとブライアン・フロードは意気投合、これが縁で結婚しています。後に彼女はスターウォーズのヨーダも創っています。
まだCGが使えなかった時代、特撮の最高技術は動くフィギュア、アニマトロニクスでした、本作でも一体あたり4人のコントロールで動作、表情を実現しています。全景のショット用にはゴジラと同じ着ぐるみ、演者はパントマイマー、アスリート、ダンサーなどからオーディションで選ばれたようです。
さてストーリーはというと地球ではなくTHRAという惑星、なんと太陽が3つもありそれらが直列に並ぶとき大異変が起きるという、救世主として生まれた少年ジェンは回避するには城にある秘宝のクリスタルの欠けた一片を探して戻すことと長老に告げられる。それからジェンの冒険物語が始まります・・。
悪の部族は禿鷹とトカゲを合わせたような化け物、善の部族も魚と馬のような顔をしています、流石にヒーロー&ヒロインは人間に近づけたものの、大体は不気味に描かれます。この辺が子供たちにどう映るのか微妙ですね、私はギリギリでした。個性的なキャラ造形の流れは「アバター」などにも影響しているかも知れませんね。
ひねりとして善と悪は本来一体だったというのはシュールなオチでしたがまあ、物語というよりは実写人形劇の金字塔、その映像、世界観に目を見張って欲しいと言うことでしょう。
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