「ドーン・オブ・ザ・ゾンビ刑事」ゾンビ・コップ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ドーン・オブ・ザ・ゾンビ刑事
原題は『Dead Heat』。
なのに、この邦題。
一度死んでゾンビとなった刑事が、ゾンビを利用する悪徳企業の陰謀に立ち向かう。
そして、この内容。
B級もB級、THE B級!
80年代、人気のジャンルだった刑事モノ。
同じく、マニアックな人気ジャンルのゾンビ物。
よし、その2つを合わせちゃえ~!…と、何とも安易な発想。
世の中にはロボのコップやエイリアン刑事(『ヒドゥン』)だって居るのだから、ゾンビの刑事が居たっておかしくない。ゴースト刑事だって居るだろう。(…そんな映画、多分あるよね??)
これでつまらなかったら単なる企画倒れだけど、ちゃんと面白い!
真面目刑事と不良刑事のコンビの、画に描いたようなバディ。
勿論、2人のやり取りはコミカル。
ゾンビになっちゃったのは、真面目刑事の方。
相棒が死んでも、ゾンビになっても、悲壮感は全くナシ!
緩さ、コミカルさはそのままで、ひたすらお気楽。ここまで来ると、バカ楽しい。
怖さも全くナシ。敵のゾンビも銃弾食らって死なないだけでゾンビらしさの欠片もナシ。
ツッコミ所、チープさだけはたんまりと。あの死体蘇生マシンはチープ過ぎるやろ!
怖さは無いけど、実はゾンビだったヒロインの顔がグニャッと腐敗したり、中華料理屋の食材がゾンビ化して襲ってきたりと、見せる所は見せる。
ゾンビで居られるのは僅かな時間だけ。途中、相棒が殉職。
孤立無援のまま、悪徳企業に乗り込み。そこへ、相棒もゾンビ刑事になって現れ…って、もう何でもあり!
事件は解決、めでたしめでたし。ゾンビになっちゃった心配も何処へやら、最後まで軽快。
まるで『あぶない刑事』を見ているよう。
決して話も演出も誉められた出来じゃない。
感動もナシ。スリリングでハードなアクションや恐怖のホラーにも程遠い。
悪く言えば、ポンコツ、下らない、しょーもないおバカ映画。
でも良く言うと、90分ただただ楽しめる。これぞ肩の凝らない痛快娯楽作。
何かお困りがあったら、ロボのコップやエイリアン刑事ではなく、ゾンビ刑事にお任せを!