劇場公開日 1971年2月13日

「国家の残虐性」ソルジャー・ブルー FormosaMyuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0国家の残虐性

2024年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

冒頭の主題歌がものすごく印象的で頭に残ります。この映画全編を貫くテーマを歌ったまさに主題歌です。映画として成立するための筋が合間にありますが、言いたいことの8割は冒頭と最後の戦いのシーンでしょう。明らかにマネキンが使われていたり、血のりが嘘くさい色だったりと現代からすれば突っ込みどころはありますが、むしろそのくらいでないと泣いてしまいそうな残虐さです。

ホロコーストという言葉もまだなかった時代、民族の集団に対して国家という強大なリヴァイアサンが残虐さを振るった事例を見せてくれるのではないでしょうか。実際先住民が土地を奪われ、殺されるということは報復の連鎖があるにせよ現代からすれば犯罪以外の何物でもありません。主人公とヒロインはそんな現代の目を当時にもたらす役割かと思えました。

FormosaMyu