劇場公開日 1956年8月23日

捜索者のレビュー・感想・評価

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5.0姪を求めて三千里‼️

2024年1月22日
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悲しい

怖い

興奮

"西部劇の神様" ジョン・フォード監督が、ジョン・ウェイン演じるイーサン・エドワーズという主人公がインディアンにさらわれた姪を探す旅を通して、カウボーイ対インディアンという構図が人種差別を孕んでいることを認めて製作した名作‼️これは西部劇という形を借りたロードムービーですね‼️ジョン・ウェイン扮するイーサンはコマンチ族に拉致された姪が陵辱されたのではとの思いに引き裂かれる‼️そしてイーサンは姪を助けるべきか殺すべきかで苦悩する‼️このテーマは後にマーティン・スコセッシ監督が「タクシー・ドライバー」で、12歳で売春をやらされている少女を助けるか悩むトラビスというキャラクターに継承されているそうです‼️「流れ者のガンマン」「インディアンによる白人女性の誘拐」「馬での追跡」「騎兵隊」「バッファロー」「砂漠」「雪」「カントリー音楽とダンス」「純情な恋愛」「殴り合いの喧嘩」など、宝物のような西部劇の定石が散りばめられていて、さすがジョン・フォード監督と思わされる‼️まさに集大成ですね‼️美しい四季を跨ぐイーサンの長い旅路では、怒涛にまみれたり、メランコリーに溢れたりしながら、イーサンの暗い内面が掘り下げられ、イーサンのインディアンに対する復讐心と憎悪がむき出しにされています‼️このイーサン・エドワーズという主人公のキャラ描写の素晴らしさが、「駅馬車」や「荒野の決闘」のアクション描写や詩情性とは明らかに違うところですね‼️演じるジョン・ウェインの演技も尊大でマッチョなスタイルではなく、シンプルな演技で、実は演技派だったんだなぁと痛感させられる名演です‼️お見事‼️そしてイーサンが姪を無事家族の元へ送り届け、ドアの外の荒野へ向かって歩いていくラスト・シーンの後ろ姿‼️ホントに素晴らしいです‼️

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活動写真愛好家

4.5『いつかはいい土地になる』

2023年9月2日
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怖い

兄夫婦と甥が殺され姪二人がさらわれた。しかも、劇中の様子から兄嫁と主人公のイーサンは過去に思い合っていた時期が有ったのだろう。そんな相手が人に見せられないような酷い姿で殺されていたのだから、抑えきれない憎しみが沸いて当然のはずだ。

しかし、兄の家が襲われるかもしれないと分かった時、何が起こるか想像できたにも関わらず、イーサンは非常に冷静な対応をする。そこに大きな違和感を感じた。これは、同じようなことを何度も経験した者の対応なのではないか。兄家族の悲劇はコマンチ族を殲滅するマシーンに闘う理由が一つ付け足されただけなのではないか。

後のシーンで、イーサンはコマンチ族に染まったデビーを殺そうとする。それを観て、デビーの姉ルーシーを殺したのも実はイーサンではないかと勘ぐってしまった。(ここは抵抗するルーシーをコマンチ族が殺したと考えるのが順当か)

しかし、それ以上に恐ろしく感じたのは元教師であるローリーの母親の『いつかはいい土地になる』という一言。そこには、ここは自分たちが神から与えられた土地であり、コマンチ族をはじめとするインディアンは根絶されるべきであるという意味に思える。

これは、兄家族の仇討ちを描いた勧善懲悪映画ではない。どちらの文化が生き残るかをかけ、実際に存在した闘いの一場面を白人側から見た記録映画なのだ。差別などという甘い言葉でなく、被害者加害者なんて段階でもなく、互いに互いの存在を認めていないのだ。

ラストシーン、デビーを迎える温かい家庭と、静かに去るイーサンの対比。凄惨な過去を忘れつつも、奥底にくすぶるものを抱えた現代社会を表現したように思えた。

それにしても、ジョン・ウェインは本当にこの役がよく似合う。

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komasa

3.5西部劇の典型例と理解したらいいのかしら。 しかし、『食人族』『NO...

2023年6月9日
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鑑賞方法:映画館

西部劇の典型例と理解したらいいのかしら。
しかし、『食人族』『NOPE』を通過した後だと、名作だと持ち上げるにはちょっと躊躇するものがある。

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ouosou

5.02つの意味の捜索者

2023年3月3日
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南北戦争が終わり
ひとりの男が故郷に帰って来た。

男は愛する者を兄に譲り
その家庭を静かに見守る。
時はコマンチ族の全盛期。
家族を奪われた男は
拐われた姪を探す旅に出る。

アメリカの広々とした赤い大地
そこに吹く風さえ感じさせ
温度さえ伝わる映像の数々。
ジョン・ウェイン演じる男の
非常さ、寂しさ、愛情のゆきどころ、
その全てが伝わってくる。

「2つの意味の捜索者」

愛する者の家族
そして自身の愛

喜びに溢れ、非常に寂しい
ラストカットは必ず涙する。
大好きな映画。

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星組

4.0拉致被害者

2022年2月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

弟の一家がコマンチ族に襲われ、殺されるが一番幼い女の子は拉致されたようだ。
兄(ジョン・ウェイン)は姪っ子を探し、追跡の旅に出る。
とてもシンプルなジョン・フォード監督の西部劇。

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いやよセブン

4.0近年の高い評価も理解できる

2021年12月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

人気俳優ジョン・ウェインと、人気監督ジョン・フォードが組んだ、ただのエンタテインメント「西部劇」として扱われた上映当時は、興行成績もパッとせず、評価は低かったのだという。
しかし、本作の背景にある、アメリカ先住民とテキサス入植者との間に起きた悲惨な史実を踏まえて見ると、先住民を単なる「悪役」に仕立てたエンタテインメントではない本作の捉え方も、違ってくるのだと思う。
そうした「先住民への眼差し」の部分を除いても、この作品の映像美や撮影技術などは高く評価され得るもので、公開から半世紀も経ってから高評価を得るようになったのも、むべなるかな、と思わせられる。
やはり古典の一つとして見ておくべき一本だろうと思う。

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ブースカちゃん

3.5普通に良い西部劇ではある

2021年5月11日
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wジョンの西部劇だから、大西部の俯瞰映像とか圧巻です。
確かにウェイン君がダーティヒーロー寄りで異色だし、全体として良い西部劇だとは思いますが、これが西部劇を代表する名作というほどのものではありません。
尤も公開当初は話題にならず、フランスの若いモンが騒ぎ出したら名作になったらしいから、世間の評価なんてその程度のモンですね。大体、映画に限らず「再評価」ってマユツバか話題作りでしよ?徳川綱吉が名君だったとかね。当時の空気感は当時でしかわからない。
予備知識ゼロで、この映画を本当に素晴らしいって思えるんですかね?
あと、観た5分後にラストシーンが映画史に残るらしいことを知ったけど、もう忘れてた。はー?

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越後屋

3.0ネイティブアメリカンは勧善懲悪の相手?

2021年2月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

見事な映像美の作品だ。
そして、従来のフォード映画にはない雰囲気の作品として後に評価されたとのことだが、
しかし、果たして過去のフォードイズムから
脱却は出来ていただろうか。

もちろん、フォードイズムを体現する
ジョン・ウェインの、
この映画での残虐性と孤独感は
従来には無いタッチだ。

しかし、伝統的にフォード映画で
描き続けられるネイティブアメリカンの描写
は相変わらずだ。

西部劇はある意味、文明の衝突だろうから、
双方に残虐性はあったろうが、
この映画では、開拓者側の残虐性を
ウェイン一人にその性質を背負わせて
その他の開拓者は皆善人のような描写、
それに対して
総体としての残虐性を示唆するのは
ネイティブアメリカン側だ。
また、知性の優劣を匂わす映像手法は、
変わらずこの作品でも一方的だ。

川の反対側に逃げたジョン・ウェイン一行
に、撃って下さいと言わんばかりに
襲い掛かったり、
まるで自由に攻めて下さいと言わんばかりの
コマンチ族の無警戒キャンプ設定等、
まるでネイティブアメリカンは知的に劣る
人種のように描くフォード映画の慣例は
変わらないままだ。

また、ウェインとハンターが
コマンチ族に岩場に追い込まれた後、
どうして追撃を受けずに、
無事結婚式場に現れることが出来たのか等、
いくつかの不自然で説明不足な
御都合主義的ストーリー展開も
気になるところだ。

フォード監督が
少しはネイティブアメリカンの苦難を
描くことが出来たのが「シャイアン」
だったろうが、
基本的に彼は、ネイティブアメリカンを
勧善懲悪の相手として描き続けた映画人生
だったのだろうとは思った。

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KENZO一級建築士事務所

5.0ネイティブアメリカンへの偏見と憎悪に憑かれた西部男の生き様と孤独

2020年4月17日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

ネイティブアメリカンに誘拐された姪を何年もかけて追跡するイーサン・エドワーズの生き様が、ひときわ輝く西部劇の名作です。彼のネイティブアメリカンを嫌悪し差別する偏屈さが、事件解決を諦めない執念深さに繋がります。助手のマーチン・ポリーは、命の恩人と慕いながら、チェロキー族の血を八分の一受け継いでいることで嫌われて、目的の為には手段を選ばないイーサンの独断専行に振り回されます。このイーサンとマーチンのぶつかり合いながら進む捜索が、結果が予測できる単調なストーリーを変化に飛んだものにすると共に、発端の殺害事件と当てもない捜索から受ける深刻さと暗鬱さを、ふたりのときに楽しい掛け合いが和らげて、喜怒哀楽がある絶妙なバランスで進む人間ドラマしているのです。特に、マーチンと牧場主の娘の恋愛トラブルを映画のクライマックスの前に持ってきた脚本の構成力は素晴らしい。フォード監督得意の大格闘を楽しんでからの急展開が、堪らない。
堅物イーサンを演じるジョン・ウェインの魅力が傑出しています。ジェフリー・ハンターもなかなかの好演。勿論フォード監督の演出とウィントン・C・ホックの撮影は、完璧なカメラワークとカラー映像の鮮やかな美しさで魅せてくれます。ラスト・ショットに刻まれた、ひとり去っていくジョン・ウェインの孤独が何とも味わい深い。

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Gustav

4.0西部劇の美しい映像を楽しむ映画

2018年9月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

西部劇と言えばあの風景と世界中の人々が思い浮かべるモニュメントバレーの光景が、美しいカラーでワイド画面いっぱいに広がる
カメラの構図、アングル、広角や望遠レンズの多用など撮り方にはかなりの苦心とこだわりがみてとれる
明らかに本作が後にデビットリーン監督のアラビアのロレンスの映像に大きな影響を与えているとわかる
それほどの素晴らしい映像だ
もちろんインディアンとの戦闘シーンも迫力満点だ

しかし映画を見通してカタルシスを得られないのだ
まず主人公のジョンウェインの造形がヒーローとしては異質で悪役を思わせる設定
だから相棒の若者との長い旅があまり楽しくないのだ
最後はハッピーエンドなのだが大団円という感動が起こらない
主人公が最後に人格を変えるのだが、そこに至る過程が共感をもてないままラストシーンを迎えてしまう
そして肝心のインディアンとの戦闘シーンも駅馬車と比べると見劣りしてしまう
これだけ?と思ってしまうのだ
これでは確かに公開当時はヒットしなかったのもむべないと思う

21世紀に生きる人間の目で見ると、インディアンを人間扱いしないシーンは胸糞が悪い
彼らからすれば白人こそ侵略者なのだ
しかし当時はこうであるのだからそれをそのまま映画に残す態度で正しい
本作の価値を落とすものではない

西部劇の美しい映像を楽しむ
これが本作の見方ではないか

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あき240

3.5古典的西部劇、モニュメント・バレーの雄大な景色が圧巻

2014年3月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

ジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演のインディアンを悪玉とした1956年制作の古典的西部劇。インディアンにさらわれた姪を捜すジョン・ウェインと助っ人役の青年ジェフリー・ハンターの距離感の縮まり方が面白かった。その青年の帰還を長く待ち望む恋人との二人のエピソードも退屈しなかった。現代映画では、許されないであろうインディアンを単純悪として描いた昔ながらの懐古的西部劇でした。モニュメント・バレーの雄大な砂漠の風景を見るだけでも一見の価値はあります。約60年前の映画であるにもかかわらず画質の素晴らしさに驚きました。日本映画の保存管理は大丈夫でしょうか。なお、2008年にはアメリカ映画協会によって、最も偉大な西部劇映画第1位に選出されたそうです。

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chakurobee