劇場公開日 1956年8月23日

「ネイティブアメリカンへの偏見と憎悪に憑かれた西部男の生き様と孤独」捜索者 グスタフさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ネイティブアメリカンへの偏見と憎悪に憑かれた西部男の生き様と孤独

2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

ネイティブアメリカンに誘拐された姪を何年もかけて追跡するイーサン・エドワーズの生き様が、ひときわ輝く西部劇の名作です。彼のネイティブアメリカンを嫌悪し差別する偏屈さが、事件解決を諦めない執念深さに繋がります。助手のマーチン・ポリーは、命の恩人と慕いながら、チェロキー族の血を八分の一受け継いでいることで嫌われて、目的の為には手段を選ばないイーサンの独断専行に振り回されます。このイーサンとマーチンのぶつかり合いながら進む捜索が、結果が予測できる単調なストーリーを変化に飛んだものにすると共に、発端の殺害事件と当てもない捜索から受ける深刻さと暗鬱さを、ふたりのときに楽しい掛け合いが和らげて、喜怒哀楽がある絶妙なバランスで進む人間ドラマしているのです。特に、マーチンと牧場主の娘の恋愛トラブルを映画のクライマックスの前に持ってきた脚本の構成力は素晴らしい。フォード監督得意の大格闘を楽しんでからの急展開が、堪らない。
堅物イーサンを演じるジョン・ウェインの魅力が傑出しています。ジェフリー・ハンターもなかなかの好演。勿論フォード監督の演出とウィントン・C・ホックの撮影は、完璧なカメラワークとカラー映像の鮮やかな美しさで魅せてくれます。ラスト・ショットに刻まれた、ひとり去っていくジョン・ウェインの孤独が何とも味わい深い。

Gustav
KENZO一級建築士事務所さんのコメント
2021年4月13日

Gustavさんのコメントから「アパッチ砦」を初めて鑑賞しました。フォード監督への認識も変わりそうですし、
Gustavさんのコメントも参考に観ることが出来ました。御意見も少しは理解も出来たように思います。本当にありがとうございました。今後とも映画.comでのお付き合いの程、宜しくお願いいたします。

KENZO一級建築士事務所
KENZO一級建築士事務所さんのコメント
2021年2月23日

「♥共感」操作方法の御教授ありがとうございました。
御指示通りなのかは自信ありませんが、
「♥共感」がどなたに頂いたものかが分かるようになりました。
そしてGustavさんに沢山の「♥共感」を頂いていることを知り大変恐縮いたしております。
今後の鑑賞後の皆さんの意見に触れることが益々楽しみになりました。
本当にありがとうございました。

KENZO一級建築士事務所
Gustavさんのコメント
2021年2月22日

こちらこそ恐縮しております。
私自身も詳しくはないのですが、ご参考までに「♥共感」の件についてお伝えします。(MYページ)の(設定)の画面の(メール/プッシュ通知)のチェックで表示のオン・オフが出来るようです。頂いた共感にはなるべくお答えしたいと思い初期のころから分かるようにしていました。
私もKENZO一級建築士事務所さんのレビューを楽しみに読ませて頂いております。ストーリーテラーの代名詞的な巨匠のルビッチ、ワイルダー、ヒッチコックがお好きなのが伝わり、勝手に親近感を抱いておりました。どうぞ宜しくお願いします。

Gustav
KENZO一級建築士事務所さんのコメント
2021年2月21日

コメントありがとうございました。
ただ、まだまだ映画.com新人としては、Gustavさんが何故、共感クリックした相手が私だと分かったのかも不思議でいるレベルです。
さて、Gustavさんの高い見識のレビューにはいつも感心して拝見させて頂いており、己の観た作品にGustavさんのレビューを探すことも多々あります。
私の映画鑑賞での重要な点のひとつに、「リアリティあるストーリー展開」というものがあり、そう言った意味ではリアリティに欠けたシーンや都合良くストーリー展開を図る作品に抵抗を持ってしまい、作品を鑑賞する上で視界を狭くしている傾向はあるかも知れません。
早くGustavさんのような、より大きな視点で鑑賞出来るようになれればと思いますので、今後とも映画.comでのお付き合いのほど宜しくお願いいたします。

KENZO一級建築士事務所