ソイレント・グリーンのレビュー・感想・評価
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もっと欲しかったディストピア感
最初から中盤までただの殺人事件の展開なので、ディストピアの設定にする必要あったのかなと、結構長い時間思うことになる。
最後はやっとそれっぽいけど、とてもあっさりしている。
個人的に主人公のことを最後まで好きになれなかったのが残念。
勝手に物を盗んでいくし、女の人には当たり前のように手を出してしまうし。
それでも子供は見捨てないというのがカッコイイ男の象徴なのかな。
50年も前の映画だから仕方ないか。
ベートーヴェンの田園
僕が、12歳の時の作品
チャールトンヘストンが刑事で2022年のニューヨーク
今、これを書いてるのは、2023年だから
また違う未来だな。人口が増えすぎて
食料問題となり、老人を安楽死させて食料とする
プラン75って作品もあったね。老人のエドワードGロビンソンが、ベートーヴェンの田園を聴きながら亡くなるシーンが衝撃だった。今たまたま読んでる小説にこのエピソードがあって思い出した。ただ政府は、違う意味で老人はいらないから、安楽死は、ありえるかも。
PLAN75とこの映画、悪行を働くのは民間だ。民間は司法の裁きだけで済むが 国では立法で廃案、その後、司法の裁き。どちらの話も、立法が省かれた独裁国家と言える。それを知られたくない。PLAN75は特に
高校の頃は映画ばかり見ていた。千葉の田舎から銀座、上野へ、毎週の様に見に行った。
さて、この映画は、その頃、封切りで見た映画。飛び抜けて面白い訳では無かった。
さてさて、この映画が、2022年の出来事時だとは知らなかった。また、出鱈目な話だが、あの『plan75』よりはしっかり出来ていると思う。HGウェルズは『タイムマシン』で見事にディストピアを描いたが、この映画はそれをリスペクトしていると思う。この類の話は全て『タイムマシン』が元祖だと思う。『猿の惑星』とか『カッシアの物語』とか。だから、出鱈目な話は、遠き未来に置くべきだ。2022年を迎えた今『ソイレントグリーン』は出鱈目な話だと露見してしまった。もう一つ。『アキラ』も同類だが、話の中の出来事が、直近起きるかもしれない大惨事をペシミズムすると、『アキラ』の中の社会は、現代世界の現状の誇張と感じた。
しかし、あのPLAN75は、今起きている社会問題を、ありえない話として描いてしまっている。つまり、重い現実の問題を、架空の話の中で、しかも、解決方法のない話として描いている。芸術であっても、解決しなければならない話を主題に置くならば、解決方法を盛り込まない限り、シャッターを押しただけの写真になってしまう。しかも、悪い方向ヘ歪められた、醜く映るフィルターを使っているとなれば『PLAN75』の監督は全く才能がないと断言できる。監督をやった事のある、あの芸人のレベル以下だと断言する。
ソイレントグリーンの監督はこの映画を撮った時、背景にはベトナム戦争の混迷があったと思う。『タイムマシン』の描くディストピアな世界が、ベトナム戦争の先にある。と言いたかったと考える。だが、あまりにも『タイムマシン』を意識している。また、あくまでも商業映画だ。『マンディンゴ』みたいな映画も作るけど、彼は商業映画の監督として自覚はあったと思われる。黒沢監督の代役で撮った映画が『トラ・トラ・トラ』それだ。
2022年のニューヨーク
マンハッタンだけでも失業者が2千万人。電力供給もなく自転車で自家発電する生活。金持ちも家具は豪華に取り揃えてるが、食料品だけは万人にとって貴重なもの。ちなみに“家具”というのは囲ってる女性をも意味している。暴動も毎日のように起こっていた。金持ちは殺されやすいが、葬式なんてものはく、死んでしまったら死体焼却所へ直行。
刑事ソーンは殺人現場に赴き、“収穫物”をこっそり頂戴している生活だったが、殺されたサイモンソンがソイレント社の重役だったことを突きとめる。強盗によって殺されたのなら調書だけで済ませてしまう警察だったが、暗殺の匂いがあると直感したソーンは一人で捜査しはじめた。故人の囲ってた愛人とも寝てしまうスケベなソーン。しかし正義感が強い。上からの命令で終結させる書類にも署名しなかった。
巨大会社ソイレントの内情を知ってしまった男のサスペンスが主軸となるが、それよりも安楽死施設“ホーム”が印象的だ。好きな色、好きな音楽を選んで、今では失われてしまった大自然の映像を見ながら眠りにつくという施設。ソーンと暮す老人ソルは神を信じないが、ホームにこそ神が存在すると考えていたほどだ。暴動鎮圧のためのブルトーザーのシーンも空恐ろしくなってしまうほど。人間をゴミのように扱う現場を見れば、現実の未来をも危惧してしまう。
貴重な食料である“ソイレント・グリーン”。農場は全て独占している企業だけに何でも作れるのだろうけど、原材料は一体何なのだ?!
ホームでかかる曲が「田園」。音楽の印象とグリーン・フィルターの映像。ストーリーはパッとしないが、設定のインパクトで勝負の映画。
2022年になっちゃった
某ゲームソフトが好きで、その中にあるイベント(?)があり、
その元ネタとされているのがこの映画なんですね。
元ネタの映画があると知って、即行見ました。
内容は書くと(両方の)ネタバレになるので書きませんけど、結構重いです。
こんな日が来るのも近いかなと思わせる内容になっております。
詳しくは、ゲームか映画を見るべし。
食事シーンだけでも見て
『ソイレント・グリーン』は中途半端な所で終わっていると思うのだが、この映画が伝えたい事は残酷な世界や強大な敵に向けて、主人公は正義の心を持って反発した、その勇士を監督は見せたかったのではないかと自分では思ってる。
制作秘話とかあったら違う事言ってそうだけど😆
何か行動しなさいと映画で直接的に言葉で訴えているわけではなく、多くの人の為に行動している主人公の背中を通して、正義の心で動く人物を描写していると感じた。
後、食事シーンではこれまた美味そうに食べる。上品さがあるとか、食ってる物が特別豪華で美味そうというわけではないが、満足そうに食べていたのが凄い印象的だった。🍽🍅🥩😂😁
暗黒の現在
暗黒未来を描いた伝説的SF映画。2021年現在の状況は、恐ろしいほど当たっていて背筋が凍る。
「成長の限界」を超えてもなお、新自由主義的思想の跋扈、資本主義の暴走には歯止めが掛からない。人口爆発、雇用不安、経済格差は拡大するばかり。
環境破壊、土壌汚染、温暖化によりついに新鮮な食べ物は姿を消した。人類の歴史よりもずっと以前から地球という庭で野生してきた植物が、われわれの社会とともに変質してしまった。代わりにモンスター食品が世界を食い尽くしている。
人々は人権も知性も文化も失い、ついに「命の最後」まで不気味なホームによってシステム化されている。
地球上の資源が無くなった末の、テクノロジーがもたらす悪夢。
70年代に、この映画をディストピア映画(娯楽)として観ていた時代にはもう戻れない。私たちにとっては「とっくにわかっている事実」になってしまったのだから。
では、2021年の現在。崖っぷちに立たされた私たちはこの先どんな世界を見通せば良いのだろう。一体どうしたら正しい「生命のあり方」を守れるのだろう。
地球上に残された唯一の資源は、人間の想像力だけかもしれない。
いつかは起こるかも・・・
タイトルの響きとパッケージで興味を持って観ました! 政府が配給する食品の原料はまさか人間! 人口増加で人間だけはあり余ってますもんね・・・実際にはまずは世界中の動物たちが食料にされてしまって、その後でどうなるかですね、その頃には政府なんか機能もしていなくて、富裕層なんかいないかもしれませんね、そうなれば人間を食べるようになるのは時間の問題かも、文明社会が崩壊したら何でもありの世界になっちゃうでしょうし・・・
タイトルなし
中学のとき何気なくつけたテレビで観た。
震撼した。
近未来予言作品。
ラストのベルトコンベアのシーンで絶叫する。あれはチャールトン・ヘストンならずとも、PTSD です。
舞台が2022年ということは再来年てことで。
ベートーベン「田園」を聴くと必ず思い出しますね。
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追記:
代用の培養肉の研究が進んでいるそうだ。ソイミートを食べる菜食主義者はそれを口にするのだろうか。
「ヴィーガン」が市民権を得てきているが、彼らは
「野菜が好き、肉は嫌い」という個人の嗜好だけでない動機も含んでいるのではないかな。何に抗しての野菜食なのか知るといろいろと積極的な理由がわかってくる事もある。
加えて最先端の研究は「昆虫食」だ。あれを軌道に乗せようとする昨今の動きは、実はイカモノ喰いのお遊びではない。
つまり、
餓死する人々が地球上にたくさん存在するにもかかわらず、牛肉を食する人たちのために麦やトウモロコシを牛のエサに大量に使ってしまう食糧生産の仕組みを、不道徳だと追及してもいるのだ。
牛の肥育に比べて昆虫食はシステムが単純で、軌道に乗れば短時間かつ安価で、工場で動物性たんぱく質の生産・供給が出来るのだ。
畜牛が減れば牛のゲップによるメタンガスの大気中放出を抑さえられる。
穀物を飢餓地域に回せる。
― こういう流れだ。
様々な取り組みや工夫で、環境と人命を大切にしていくためには、自分自身の食生活を考えなおす必要もあるんだろうなと思う。
あき240さんとのコメントのやり取りも読んでください。
よかった
ちょっと前にラジオでこの映画のネタバレをしていて、分かっていても面白さはそこだけではないだろうと思っていたら、思いっきりそのネタをぐいぐい押している。この映画を見たつもりになっていたのだけど、『禁じられた惑星』とごっちゃになって記憶していて、見たのは初めてだった。 2022年の未来のディストピアで、物語はミステリーとして構成されていて面白い。人が、本や家具の役割で、奴隷のような身分制度がある。美女の家具がうらやましい。
現実的な作品
前半は大手企業の幹部殺害の真相を追求するサスペンス・刑事ものという見方もできるけれど、「人口爆発」「食料不足」「貧富の格差」こういう難題がちらついて見える・・・
食料自給率の低下、貯蓄二千万円発現、高齢化社会・・・日本でもこういう問題が挙がっているから本作の最期は現実社会でも起こるんじゃないかと考えさせられた。
1973年当時の稚拙な未来予想図。描かれている世界は2022年、そ...
1973年当時の稚拙な未来予想図。描かれている世界は2022年、そうほぼ現在。ゲームとかテレビとか笑っちゃいます。
ところでなんでこんな酷い世界になってるの?さっぱりわかりません。その謎が解明されると思いきや、ラストは「ソイレントグリーンは◯◯だー」いやいや違うだろー、もっと根本を説明しろよ!「本」とか「ホーム」とかにそんな意味があるのもわからんやろ!これだからSFってやつは…ネット解説でようやく分かりましたよ。
ただ一つ羨ましいのは美女が「家具」と称して住居に配置されている。いいねー(笑)
こんなに人が余っているならば食料の生産をさせればいいのに
総合:40点 ( ストーリー:40点|キャスト:65点|演出:50点|ビジュアル:65点|音楽:60点 )
設定が無理がありすぎで駄目なうえに、説明不足で分かり辛い。
食べ物には色別の種類があって不足している。それなのにたくさんの人間が都市部に過密集中していて、食料の生産もしないし生産できる農村地帯に脱出もしない。
それでいて通りには飢死・病死した死体が溢れているわけでもなく、暴動も起きていない。我が子が飢死しそうならば何をしてでも食料を手に入れようとするのが人間だが、警官として普通に生活している主人公は捜査先の物を盗むのに、彼の住む建物の階段に住む浮浪者達は強盗1つしようとしない。むしろ失業者ばかりといえどもみんなそれなりに健康そうに見えてしまう。犯罪や不正しかないはずの世界が、我慢強い人々を選りすぐったかのようにみんな大人しく体制に従う。
そんな世界観には白々しさしか感じない。これではむしろ日常的に盗難・強盗が起きる現在の食糧危機の起きていない現実のアメリカのほうが余程犯罪者で満ちている。これはこんな世界なんだ、未来はこうなるかもしれないんだという興味は少しはそそるものの、演出も迫力が無いし、これでは本当に人々が困窮しているという生々しさが伝わらない。
それに作品に登場する家具・道具・部屋の作りといったものが若い女が付く以外はいかにも作品が制作された70年代のものそのままで、この作品なりに予想した2022年の未来というものがない。
そして物語の衝撃的なはずの結末だが、人口爆発で食料が無い割には穀物などの普通の食品の配給がなくわざわざ生産に手のかかる加工食品の配給ばかりになっているし、食料生産の秘密に関しては作品のかなり早い時期から予想がついてしまって全く意外性がなかった。この程度の結末のためにこんな状況設定でこんな演出でこんな映像しかないのかとがっかり。
荒廃した未来を提示した最初のSF映画
ブレードランナーより10年は早く、超テクノロジーが進化したバラ色の未来ではない、荒廃した未来世界を映像で提示したところに本作の重要な意義がある
ブレードランナー2049にも影響を与えていると思う
原作は有名SF作家のハリーハリスンの人間がいっぱい
だから設定もしっかりしている
そして本作にはもうひとつの大事な意義がある
冒頭は1920年代の映像から始まる
本作は1973年の作品だから50年昔はこんなだったのだ
だからこれからの50年はどう変わるか
これから始まる物語が荒唐無稽な話だとは言え無いとのメッセージだ
舞台は2022年
つまりほぼ現代なのだ
地球は温暖化による高温で、農地は乾燥して荒廃し、穀物、野菜、果物といった農作物は壊滅している
穀物がなければ酒も作れない
もちろん飼料になる穀物がないから牛も豚も家畜も壊滅している
それらはごく少量だけが超高額で流通し特権階級が入手できる
水すら貴重品の世界
熱いシャワーは憧れの夢だ
人類は海洋の中のプランクトンを合成した人工食料の配給でなんとか生き延びている
文明は停滞し20世紀のままか、後退している
図書館も失われ、本も紙も鉛筆も貴重品だ
都市は荒廃し、作物の取れない農村部から流入した難民が住むところもなく至るところにあふれかえっている
身なりも皆みすぼらしい
どうだろう!
いま現実の世界の延長線上にある世界ではないか!
このまま行くとソイレントグリーンの世界は来る
半世紀前のSF映画が古びることなく逆に現代的意味を強く持ち始めているのだ
本作の本当の意義はそこにある
倫理的問題をはらんだ映画
印象の「難しい」を選択したのは、食料問題の抜本的な解決法がないということと、死にゆく人間を食材の一つとしている世界を倫理的にどう受け止めるか、ということを考えさせられたから。
殆ど食べる物が無くなった地球上で、もう生きるのは十分だと思った人たちの肉を生者に提供するのは、合理的なのかもしれない。
しかし、今はまだ自死希望者だけで賄えてはいるけども、ゆくゆく供給する肉が無くなってきたら、行き着く先は人間の家畜化であり、待ち受けているのは人間を食べるものと食べないものにわかれる、酷いカーストのある世界である。
主人公の危惧していた通りに。
そんな世界に生きていて、人間は果たして幸せといえるのか。
絶滅してもいいのではないか、とさえ思えてしまう。
汚染されていて不毛だと言われても、都会を捨て、どこか別の場所に一縷の望みをつないで旅立ち、前向きな気持ちを持ったままくたばる方がまだマシだと思う。
一際印象に残ったのは、美人女性が「家具」として、高級マンションのオプションになっていること、老人ホームのような場所が美しい光景を見ながら死んでいく施設であることなど。ディストピア映画はたくさんあるが、古い映画ながらも近未来の閉塞感を上手く表現している。
関係ないが、チャールトン・ヘストンは笑顔が下手な俳優だなと思った(役作り?)。苦みばしった顔が、この映画の作風にぴったりだった。
何年経っても、頭から離れない映像と音
自然も食料も無い絶望の世界で老人が見たかった映像は・・・。
見せ方が上手いし、見ている側も考えさせられ、ずっと記憶に残る映画です。
一度見ることを強くお勧めします。
なにせ、凄い映画ですよ。
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