戦争と平和(1956)のレビュー・感想・評価
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女性とドレスが綺麗
だいぶ前にも観て久しぶりに視聴。
オードリーヘプバーンが好きで観ました。
やはり、可憐。衣装も綺麗。ピーターの奥様も兄の恋人も綺麗。ドレスがそれぞれの個性に合った色とデザインでよく似合って美しい。ため息が出る程、ってこういう事かな。ただ、オードリーの相手は何故ずっと年上ばかりなんだろう?メルファーラーもあまりいいとは思わない。名優かもしれませんが。
びっくりして画面をまじまじと観たのが狩りに行く乗馬シーン。ドレスの女性が跨らずに横座りで男性陣に引けを取らずに騎乗しているのが凄い。スタントかなと思うけれど当時女性はこのようにして乗っていたのでしょうか?だいぶ上手くないと落ちてしまうのに。
追記:
馬に跨らずに乗馬できる馬具(鞍)だそうです。
跨って乗るより怖いと思います。
『許されざる者』になぜか出演していたオードリー、裸馬も何のその走り回っていました。
ですので本作もスタント無しのオードリー自身が乗っていると思います♪
リドミュラ=ナターシャへの想いを覆すまでには…
この1年、TV版とソ連版を続けて観ていた
ものの、過去に観たこの米国版については
印象が薄く観る予定は無かった。
しかし、たまたまTV放送があったため、
比較の上で再鑑賞してみた。
改めて観てみて、
ハリウッド映画らしいスペクタクルに、
特にナポレオン軍の撤退シーンには
並々ならぬ迫力を感じることが出来た。
しかし、全体的に主要3人を
空間的にも関わり合いの上でも
コンパクトに改変にしたのは、
ソ連版の約半分の上映時間でもあるし、
膨大な原作をまとめるためのやむを得ない
手法だったとは思うが、
ソ連版が主要3人の人間描写にも重きを置き、
その他の人間関係や話の展開については
ナレーターの処理で
原作の膨大さをカバーしていたのに対し、
この作品では
どうしても“はしょった感”が出てしまい、
重厚さとリアリティの観点からは物足りない
印象になってしまったのは残念だった。
更に、ソ連版「戦争と平和」の
若く可憐なリュドミラ・サベリーエワの
ナターシャぶりには
さすがの華麗なヘップバーンでもかなわず、
また、前半のクライマックスシーンである
ナターシャに愛を告白した
ピエールの喜びの描写が
どうしてもソ連版に比べて弱い。
これは多分に、
ピエールをヘンリー・フォンダが
演じていることと関連があるかもしれない
と今回は感じてしまった。
彼ではピエールの
“外見的な”凡庸さとは一線を画してしまい、
原作にある
「もし僕がいまの僕ではなく、
世界中でもっとも美しい、
もっとも聡明な、
もっともすぐれた人間で、
そして、自由な体であったなら、
僕はいますぐここにひざまずいて、
あなたの愛をもとめたでしょう」
(米川正夫訳)の台詞でイメージされる
人物像と一致しなく、
ナターシャの再起への気付きを働き掛ける
慎み深いピエールの想いが伝わらないので、
結果、原作やソ連版ほどの感動を
私に与えてはくれなかった。
そんなこともあり、やはり、
私のリュドミラ=ナターシャへの想いを
覆す「戦争と平和」の鑑賞にも
ならなかった一因だったかも。
それにしても、
このタイミングでのTV放映は、
ロシアが受身のこの戦争物語だけに、
この度のロシアによるウクライナ侵攻を
皮肉る意味合いでもあったのだろうか。
苦難の時も人生を愛せ、人生が全てだから。トルストイの言葉の引用
言うまでもなく、トルストイの歴史的名著だ。
原作を読んで、ボンダルチェクの映画はみていたが、この映画の方が理解しやすい。
但し、原作ではナポレオンとかクトゥーゾフの記述は少なかったと記憶する。
兎に角、今は。
クトゥーゾフのセリフをロシアとウクライナの大統領に聞いてもらいたいです。
戦争の虚しさ
無邪気な娘から、聡明な大人の女性へと成長していく伯爵令嬢ナターシャをオードリー・ヘプバーンが可憐に演じる。
ぬかるんだ泥道、凍てつく雪道の行軍、飢えと寒さで歩けなくなった捕虜の殺害を逡巡する兵士、建物が破壊され燃える占拠したモスクワに苛立ちを見せるナポレオン1世、多大な犠牲を払う戦争というものの虚しさを淡々とリアルに描く。
ー勝敗を決するのは、布陣や命令、作戦、兵力ではない〝勝つ″という強い意志だ
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
やはり小説の方が、トルストイを感じる
トルストイの『戦争と平和』には多様な側面があり、
フランスロシア戦争を基軸に、それに翻弄される人々の人間模様が描かれる。
そこにトルストイの歴史観や、歴史家批判、理性論、大衆論など
物語の途中から、熱い思いが長々と挿入される。
物語では、人のいいピエールの人生観の進化が印象に残ったが、映画では割愛されていた。
あの長編を映画という数時間の枠に収めるのは無理があるのかもしれない。
戦闘シーンも迫力あるし、当時の貴族や軍隊の衣装に、目が引かれた。
そこは映画の良さですね。
戦争により、アンドレイもナターシャもピエールも、より強くより優しくなる。
ファッショナブルなオードリー
ナポレオンが勢力を拡大していた頃、オードリーヘップバーン扮するナターシャロストフは戦争を憂えていた。ヘンリーフォンダ扮するピエールベズーホフ伯爵は、父親の 臨終時に泥酔していたので生まれ変わろうと思い愛のない結婚をした。メルファーラー扮するアンドレイボルコンスキーは、戦地に赴き交戦していたが敗戦負傷したがナポレオンに助けられた。ファッショナブルなオードリーが画面に出るたび、うさぎが飛び跳ねて来た様な明るい衝撃がたまらないね。華麗なダンスも素晴らしかったな。
エクバーグの圧巻の肉体
私には アニタ・エクバーグの存在しか、印象に残らなかった
この後 フェリーニに認められ、あの名作
「甘い生活」に出演でき、女優としては 幸福である
(もっと洗練され、美しい)
たとえ、代表作が この二作品だけに思えても…
ナターシャは ヘップバーン向きの役であるが、
役より実年齢が上なので、やはり カマトトっぽく
見えてしまうかな
さすがに舞踏会のシーンでは 軽やかではあるが
でも、やはりエクバーグの迫力に、ヘップバーンも、ファーラーも、フォンダも吹き飛ばされた感じ
圧巻の肉体が 女優としての幅と成長を邪魔したらしいのは、気の毒でもある (晩年は困窮)
ナポレオン、もう少し 何とかならなかったのか!
各国のスターが出演してるので 総花的で、ロシアが舞台の物語の重厚感みたいなものも、感じられない
「ドクトル・ジバコ」の様には、いかなかった…
絶世の美女、エレン。この人ほんとに綺麗です、アニタ・エクバーグって...
絶世の美女、エレン。この人ほんとに綺麗です、アニタ・エクバーグっていうのね、要チェック。ところがこの女がとんでもない奴(もちろん役の上での話です)
に対してヘプバーン演じるナターシャが清廉純潔なんだな、そう思った。
違うや〜ん、こいつも負けず劣らずやん。
この映画、男の方もふらりと戦争見物に出掛けたりとちっとも登場人物に共感が持てません。いい人は不幸になります(笑)
人馬を駆使した戦闘突入シーンは今ではもう撮影できないだろう、なかなかの迫力。
ヘプバーンの可憐さをカラー映像で堪能できること。恋人を思い、雨に濡れた窓ガラスから外を見る姿、しびれます。
見どころはそんなとこかな。おそらくは原作の素晴らしさは描ききれてないのかな、そんな気がする。
ロシアは寒くて広すぎた(ナポレオンの後悔)
ロシア文学は、登場人物の名前と愛称の複雑さに難儀してしまいます…。この映画では、衣装が同じAnatoleとDolokhovの見分けがなかなかつかず…。
莫大な遺産を相続し、美女と結婚しても満たされないPierre。妊婦の妻を残し、名誉を求め志願するAndrei。フランス文化を取り入れてきたロシア貴族達が、対ナポレオンの戦争を通して、幸せとは何かを問うています。
貴族特有の遺産相続にドロドロ?恋愛。人間模様は中盤までで、終盤は大分省略されています。幸せや愛、許すことの大切さに気付くAndreiの変化と、恋に恋していたNatashaが愛とは与えるものだと知る過程は、メロドラマ的に描かれています。一方Pierreの苦悩や内面の変化は伝わって来ず、やや楽観的なロシア軍と、諦めて撤退するフランス軍の過酷な道中に焦点が当てられているようでした。戦場そのものの残酷さはありません。
映像的には美女Elenaを演じたAnita Ekbergのグラマラスな美貌、手抜きなしの鮮やかな衣装、そしてエキストラの多さ!!兵士の数は圧巻です。
馬にまたがることなく、両脚を斜めに揃えたお姫様座りのまま、馬で駆け上がったり駆け下りたり、柵を飛び越えたりするスタントは何気に凄いと思いました。
ナポレオンがイメージ通りでちょっと滑稽でした…本物は知らないけど(^_^;)。
"They are a happy delightful family, that's a success, too... perhaps the greatest success."
"Where there is law, there is injustice."
古臭い作品という印象
総合55点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
言わずと知れたトルストイの有名文学の映画化だが、ロシア文学は重いという印象があって原作は未読。だから映画が原作にどれだけ忠実なのかわからないのだが、前半は戦争という動乱の時代において家庭問題やら恋愛問題に終始する貴族階級の話を見せつけられるだけで肩すかし。自分の道を見つけられずに人生を見つめ直すという話が、題名と異なり軽い。
しかも制作年代が古いせいか、交互に言い合う科白回しも含めて演出がいかにも演技してますという不自然さでつまらない。屋外での実写による撮影は金がかかっていて見応えもあるが、一方で美術を背景にした撮影所での場面はすぐに作り物というのがわかってしまって質感が低い。
後半に入り停戦が終わり戦争が佳境に入ると、故郷が占領され戦場での過酷な経験をして動乱の時代を生き抜く様子で盛り返す。辛酸をなめてようやく生き残った人々の希望が見える結末は悪くない。
それでも現代の映画と比較すると厳しい描写がまだ生ぬるい。天然色なのはいいけれど、全体として古い映画だなという印象。似たような作品の「風とともに去りぬ」よりも新しい作品だが、作品の評価としてはそれには全然及ばない。
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