戦場にかける橋のレビュー・感想・評価
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戦争の虚しさを軸にした娯楽大作
むかしから観たいと思ってて観そびれていた映画。やっと観られた。
古い映画を観ると画質や音質など正直つらいことも多いが、あまり気にならなかった。
1957年公開ということで、戦後12年という時期でのこのクオリティは脱帽だ。
戦争映画にしては雰囲気が明るいのだが、多くは誰もが知ってる音楽のせいだろう。当時は戦争の記憶がまだまだ生々しかったであろうから敢えて明るく仕上げたんだろうか。実際、音楽を除けば軽快な場面はほとんどない。映画のトーンを左右するほどに映画音楽が重要であることがよくわかる作品でもある。
さて内容はといえば、日本人にとっては複雑な捕虜虐待的映画だが、これも戦後12年にしてはニュートラルな視点。悪の権化のような描かれかたはされていない。捕虜収容所とはいえ母国が交戦中の折り、夕陽を見ながら双方の長が語らう場面は印象的だった。
そして終盤、次第に大きくなる汽笛をBGMにして繰り広げられる展開にハラハラ。捕虜の大佐、イギリス軍、日本軍、いったい誰に感情移入してハラハラしているのか。みな必死の使命、誇り、意地をかけて...作中の作戦遂行の成否にこれほど複雑な気持ちになったことはないかもしれない。
ラストの橋を巡る描写は、その後の娯楽作品のお手本にもなったことだろう。
南方の日本軍・・
戦争映画の名作。太平洋戦争は当初日本軍は強かった。シンガポールで降伏したイギリス兵士をビルマの捕虜収容所に入れて強制労働させた。国際法に違反した日本軍は悪者だが、戦争映画の暗いイメージはなく口笛のなるマーチのテーマ曲が明るい。最後はやっと完成した橋が・・1957年のアメリカ映画。
ニコルソンの主義と斉藤の意地、生き方を問う作品 誇り高く死ぬか人間...
ニコルソンの主義と斉藤の意地、生き方を問う作品
誇り高く死ぬか人間らしく生きるか、極限での選択に身が引きしまる
国家の対立を超えた人間の友情、その結晶としての橋、そして破壊され、戦争という大きな流れに飲み込まれる悲劇。実に意義のある社会的擬似体験をした
戦争物としてあえて今これを観る理由が見当たらない
日本軍がイギリス人捕虜に橋を作らせる。
一方イギリス軍の別働隊はその橋の爆破をもくろむ・・・
という話で、捕虜の葛藤が描かれている。
音楽は皆が知ってるあの曲。
音楽以外も、さすが名作と言われるだけあって全体的に完成度が高い。
ただ、戦争について作者個人の思想信条を語りすぎな感があり、
説教臭くて少し退屈した。
昔の作品だけど良かった
昔の映画だけど、当時評判が良かっただけあって、良い作品だった。昔ながらの良い作品という感じ。
日本軍の捕虜となったイギリス軍人が橋を作るという話だけど、日本軍がすごい悪者で描かれて行く訳でもなく(最初は悪者な感じが強かったが、なんとなく昔の日本人だとこんな感じだろうなー思う)、イギリス軍と日本軍が協力して橋を造って行くというな感じで書かれてる。
善悪がちゃんと別れてるって感じではなく、戦争が悪いって感じで書かれていて良かった
長い軍隊生活、ただの捕虜で終わるわけにはいかないという士官の意地
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 80
上官の降伏命令で不本意ながら捕虜となってしまったアレックス・ギネス演じるニコルソン。誇り高き彼は捕虜となった自分をよしとせず、生甲斐や存在理由を探しているように見える。たとえそれが敵に利する行為であったとしても、軍人らしく部隊をうまく統制し橋建設でも敵より遥かに高い能力を見せつけ、600年も崩れることのなかったロンドンブリッジのように後世にも残る偉業を示したい。
この映画はやむを得ず活躍の場を奪われた士官の残り少ない軍人人生において、誇りと執着心に支配されてイギリス士官という立場を忘れてそんな盲目的に自分の痕跡を残そうとした彼の生き様が描かれているように思う。反戦映画とか言われているようだしそれは間違いではないのだろう。だがそれよりも彼のある意味偏執的ともいえる執着心と誇り、そしてそれがあっさりと崩れ我に返る彼の姿のほうが強く印象に残る。
ただ「士官も働かせて単に労働力を増やす=工事が進む」という単純な思考の早川雪州演じる斉藤と、もっと本質を理解して技術だけでなく高い人員の管理能力を見せ付けるニコルソンの対比が一つの見せ場。どうしても斉藤に折れないニコルソンには、自分は運が悪かっただけで、機会さえ与えられれば戦場でもそうじゃなくても実績を残せるのだという彼の自負が感じられる。アカデミー賞も納得である。
音楽はこの映画の長所の一つ。初めてこの映画を見た子供のころ、このクワイ河マーチの口笛のオリジナル版を気に入って探し回ったことがある。戦場の音楽というよりも遠足にでも行っている様な爽やかで明るく心地よい行進曲である。
天皇陛下に代わって諸君を歓迎する
映画「戦場にかける橋」(デビッド・リーン監督)から。
タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所で、
連合軍捕虜を使って、国境に流れるクワイ河に橋を架ける
準備が進められていた。(最後は「爆破」されるのだが・・)
その捕虜の行進に合わせて流れる、クワイ河マーチは、
口笛と言えばこの曲、と言われるほど有名であり、
映画音楽らしい、私の好きなシーン、好きな曲でもある。
メモしたのは、捕虜収容所の所長が大勢の捕虜を前に、挨拶した台詞。
その時の台詞が「天皇陛下に代わって諸君を歓迎する」。
日本人の普通の挨拶としては、特に違和感を感じなかったが、
この「天皇陛下」という意味が、英軍兵士の捕虜に伝わるだろうか、と
妙に心配となった。(余計なお世話だが・・)
大統領でも、首相でもない、「天皇陛下」という絶対的な存在が、
彼らに理解できたら、と思ったので、メモをした。
挨拶の中で、笑うに笑えない冗談みたいな台詞。
「山下大将のモットーを伝えておく。『喜んで働け』」
これから働かされる捕虜に向かって、この台詞はないだろう・・と
思いながらも、メモ。
橋に仕掛けられた、ダイナマイトのスイッチ(?)を、
倒れた兵士が偶然、押してしまうシーンは、昔の映画らしい。
時間的には、ちょっと長かったなぁ。(汗)
帰り道は口笛吹いて・・・
古い映画ですが、映画館のスクリーンで観ました。
全編を通して観た事は無かったのですが、一度大きなスクリーンで
観たいと思っていた映画だったので、観れて嬉しかったです。
映画は大筋だけは覚えていたのですが、この映画音楽だけは
しっかり耳が覚えていました。
この頃の映画のほうが、映画音楽がしっかり独り立ちしている
ような気がします。
とは言え、映画と無関係に切り離されている訳ではなく
この映画にはこの音楽だって感じで、印象深いと言った方が
良いかも知れませんね。
映画はちょっと長く、途中で休憩が欲しいくらい。(笑)
こんなに長く、映画館で上映を観たのは、初めてです。
前半はちょっと長いと感じましたが、後半はドキドキしながら時間の経過を
忘れて見入りました。
エンディングは昔の映画に良くある、盛り上がっておいて
パタっと終わる感じで、終わった後にまだ物語が続いている感が
残りました。
観終わった後は、耳に残った映画音楽で、まるで行進するかの
ように帰ったのは、言うまでもありません。
口笛を吹きたい感じでしたが、さすがにそれはやめました。(笑)
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