「戦争の愚かさを描く壮大な寓話の傑作! 原作者は「猿の惑星」の作者! 日本軍人にも敬意をはらい「人」として描いているのもまた素晴らしい なお、セッシュウといえば…」戦場にかける橋 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の愚かさを描く壮大な寓話の傑作! 原作者は「猿の惑星」の作者! 日本軍人にも敬意をはらい「人」として描いているのもまた素晴らしい なお、セッシュウといえば…
第二次大戦下、タイ、ビルマ国境の日本軍捕虜収容所を舞台にした壮大な風刺人間ドラマ。
原作は、フランスの小説家ピエール・ブールは、何とあの「猿の惑星」の作者でもあります!!
厳しく捕虜を扱いながらも、その捕虜の英国人将校に理詰めで説得されてしまい、人知れず涙する日本人。
捕虜であり、敵軍の施設であるにもかかわらず、軍人としての規律を保つため、人としての尊厳も保つため、後世に残るほど立派な橋をかけようとする英国軍将校。
病院でも女性と付き合い、臨機応変に対応するも、使命は最後まで真っ当しようとする米国人。
誰しもが考える典型的な日本人、英国人、米国人、それぞれの性格を見事に表現し、アンサンブルを形作る物語の妙。
せっかく作った橋が、完成し初めて汽車が走るその時に、自らの手で破壊しなくてはならない理不尽さ。
1957年製作と聞いて驚いた。
この実にシニカルな展開と結末!
今観ても、全く古くない!!
いや、時代に関係なく、こんな話が他にあるでしょうか!
しかも、日本人にも偏見が全く無く、敬意すら持ちつつ、正確に描かれてる。
カルカチュアやデフォルメがない。
ちゃんとした発音の日本語を話しているのにも驚いた。
余談ですが、映画や舞台で使う「箱馬」のことを「セッシュウ」と業界用語で呼ぶそう。
語源は、本作出演の日本人俳優が外国人俳優(アメリカから見Ýたら逆ですが)と並んだとき、背が釣り合うように箱馬に乗っていたということから。
本作の冒頭、捕虜を前に演説するシーンで、いきなり箱馬に乗る早川雪舟のシーンがあって、思わずニヤリとしました!
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