劇場公開日 1967年10月4日

「ティパージュとモンタージュで表現された映像の迫力と緊迫感の凄さ」戦艦ポチョムキン Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ティパージュとモンタージュで表現された映像の迫力と緊迫感の凄さ

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

世界映画史上に不滅の名声を博するセルゲイ・エイゼンシュテインの最高傑作と称えられ、実際1958年のブリュッセル万国博覧会で選出された世界映画史上のベスト12では、チャールズ・チャップリンの「黄金狂時代」を抑えてベストワンの名誉に輝いている。1926年公開から2年間に38ヵ国で上映され大きな反響を巻き起こした実績を残したが、残念にも日本では戦後の1967年にATGによって漸く公開された。社会も映画の表現法も変わったこの40年の歳月は、新作と古い名画を同列で評価させることを困難にさせる。荻昌弘、南部圭之助、双葉十三郎、淀川長治諸氏は、別格扱いで無票としている影響か、キネマ旬報のベストテンでは13位に止まる。前年に第2位の高評価を受けた「市民ケーン」とは差が出た結果になってしまった。
個人的には、モンタージュの映画的迫力を最大限に表現した”オデッサの階段”が全ての映画作品である。共産主義国家の下での革命映画の制作に於いて、個人ではなく集団を主人公にしたティパージュを提唱したエイゼンシュテインのモンタージュ理論の完成形にただ圧倒される。数少ないサイレント映画の鑑賞で、このような編集優位の演出に感銘を受けたのは、他にカール・T・ドライヤーの「裁かるゝジャンヌ」くらいである。

Gustav
マサシさんのコメント
2023年5月6日

おはようございます。
ありがとうございます。
ショスタコーヴィチがこの映画を見て作曲した可能性もありますね。妙にあっているように思いました。
しかし、貴殿の様にきちんと鑑賞記録をとっておくべきだと反省しています。
今後ともよろしくお願いします。

マサシ
マサシさんのコメント
2023年5月5日

追伸 今回図書館で借りてきた淀川長治先生の100選で鑑賞したのですが、ショスタコーヴィチ交響曲第5番がバックに流れていました。でも、私の記憶ではショスタコーヴィチがこの曲を作曲したよりも以前にこの映画は作られています。やっぱり、あと付けな効果なんでしょうね。

マサシ
マサシさんのコメント
2023年5月5日

『裁かるゝジャンヌ』良いですね。その点も共感します。

マサシ