戦火の勇気のレビュー・感想・評価
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メグライアン!
このような映画にメグライアンが出ていたとはビックリだ。そしてマットデイモンが若く初々しく役柄上ガリガリに痩せており、パソコンが古く大きいし色んな部分で驚き新鮮な映画だった!
『羅生門』方式
総合80点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
調査をすると、軍にとって理想的な話が出てくる。だけどさらに調査をすると、証言が微妙に食い違う。それどころか全く逆の証言までもが出てくる。何が真実なのか分らない。だけど誰かが自分のために都合の良い話をしている。なぜ食い違いが出来るのか、誰が本当のことを言っているのか、真実の行方に目が離せない。
黒澤作品の『羅生門』を髣髴とさせる展開で、真実が最後まで藪の中だった『羅生門』はそれだからこそ素晴らしい作品だった。だが今回は『羅生門』と異なり、何が起きているのかを複雑な過程を経て示してくれる。自分のため組織のため都合よく真実を隠蔽して書き換えるのではなく、不都合な真実に重い心を引きずりながらも向き合う。ちょっと綺麗ごとのようにも思えるものの、自らにけじめをつけるためにも勇気をもって立ち向かう姿と、真実が明らかにされ関係者にも知らされることにすっきりする。
マット・デイモンは劇中の戦場では健康そうな兵士だったのに、戦場から帰還した後ですっかり痩せ細って顔色が悪くなって目だけがぎょろっとしていたのに気がつかずにはいられない。これがほんのちょっとしか登場しない端役のための、役作り上の苦悩と薬の影響の跡を表現するために体を作ったのならばたいしたものだ。
気になったので調べてみると、ウイキペディアでは100日間で18キロの減量をして撮影に臨んだと書いてあったので、彼の職業意識の高さが伺える。IMDbによると、そのためにその後二年に渡って体調を崩してしまったそうだが、この努力によってこの作品を観た巨匠コッポラに認められて『レインメーカー』の主役の話が来たらしいので努力が報われた。『必死剣鳥刺し』で主役となり、ぶよぶよのたるんだ普通の中年男の体型で登場して、鍛え上げられた剣の達人役と自宅監禁でやつれた役をそのまま堂々と演じた豊川悦司にも少しは見習って欲しい。
その他、拳闘好きのモンフリーズ軍曹を演じたルー・ダイアモンド・フィリップスは強い印象を残してくれた。主人公のデンゼル・ワシントンはいつもどおりの感じで悪くなかったが、抱えた苦悩がもっと表現されてもいいかと思った。メグ・ライアンは普段の恋愛喜劇から離れてここでは真面目な役どころを無難にこなしていた。
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