「ダブル・ミーニング」007 ロシアより愛をこめて しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ダブル・ミーニング
ジェームズ・ボンド・シリーズ第2作。
Amazon Prime Videoで鑑賞(吹替)。
原作は未読です。
前作はかなりSF要素が強めの作風でしたが、本作では打って変わり、現実に即したスパイ活劇に仕上がっていました。
ドクター・ノオの復讐のため、ジェームズ・ボンドに仕掛けられた罠。罠と知りながら飛び込むのは英国紳士の嗜み?
オリエント急行での緊迫した攻防やヘリコプターとの戦いなど、アクションの見せ場が多くてハラハラさせられました。
ハニー・トラップのために寄越された美女を本当に惚れさせてしまうボンドの魅力たるや、男として見習いたいものです。
一方、ボンドガールには聡明さと溢れんばかりの色気が不可欠。本作のボンドガールを演じたダニエラ・ビアンキはその両方を醸し出していて、今日まで続くボンドガールのスタイルのスタンダードを確立したのではないかな、と…
Qの開発したスパイ・ガジェットを冒頭で紹介し、それが敵との戦いにおける切り札となる、と云う後のシリーズでも定番となる伏線の張り方が本作から登場。いつ使われるのかとワクワクし、「なるほど、ここで使うのか!」と巧みな伏線回収にテンションが上がるのは毎度のことです(笑)。
リバイバル公開時に邦題が改められ、現行のものになりましたが、原作の邦題は「ロシアから愛をこめて」。映画版は「ロシアより愛をこめて」。「から」と「より」の違いだけで、後者はロシアと云う場所から「愛をこめて」となるだけでなく、ロシアへの忠誠心よりもあなたへの愛が勝る、と云う意味にもなるダブル・ミーニングに。いやはや上手過ぎる。
[余談]
クレッブ大佐の靴先に仕込んだナイフの使い方が下手過ぎ。池乃めだかの回し蹴りの如く、全然足が上がっていませんでした。これが最後の刺客かと思うと、笑ってしまいました。
※修正(2023/09/21)