「反戦映画の全ての始祖」西部戦線異状なし(1930) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
反戦映画の全ての始祖
本作の様々なモチーフが後世の多くの作品に引用されている
映画ととしても特撮の稚拙な時代に良くここまでリアリティーのある戦場シーンを撮れたものだと感嘆するばかりだ
団塊世代の人々は本作に特に思い入れが激しいようだ
しかし21世紀に生きこれからも生き、さらに次世代を育てていかなければならない我々の世代の目線で本作を観るとどうだろう
戦争するくらいなら殺されようと繁華街でビラを配って歌っている団塊左翼老人達の主張を代弁しているように見えてしまうのだ
主人公が休暇を得て故郷に帰った時の老人達の非現実的な戦争推進談義の逆パターンに見えるのだ
本作のようになりたくなかったら、自ら進んで殺されようと団塊左翼老人世代は本作を利用してそそのかしているのを我々若い世代は散々見てきた
自分達の理想の為に次世代を犠牲にしようとしている無責任な態度だ
正に戦場に学生を送り込もうとする教授の逆パターンだ
それ故に本作は冒頭で但し書きが映されるように
砲弾によって破滅させられたある時代の男達の物語が描かれたものとして、より客観的に観る必要がある
そうでなければ、老人のアギーレに連れて行かれた先には次の世代にはキリングフィールドが待っているのだから
本作をそれに利用させてはいけない
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