スターシップ・トゥルーパーズのレビュー・感想・評価
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さぁ、君も今日から虫どもをやっつけよう!
巨大甲殻型エイリアン”バグ”と人類の戦い
尋常じゃない数のバグと1個体の強さは観ているだけで絶望感がすごいです。
登場人物たちも軍人としてかっこいいキャラ立ちしていて思わず熱くなってしまいます。
ところどころ軍人に向けた皮肉もチクチクと刺さる
前人未到のギャラクシー除虫SF!
原作はSFの巨匠ロバート・A・ハインライン原作の『宇宙の戦士』。
監督はポール・バーホーベン。
【ストーリー】
23世紀。
銀河に進出した人類がはじめてコンタクトした地球外生命体は、強力な軍事力を持つ虫型の「アラクニド」、通称「バグ」たちだった。
主人公リコは、志願兵として宇宙海兵隊に入隊、そこで初恋のカルメンと再会する。
キャンプでしごかれ、一人前の兵士として鍛えられてゆくリコだが、ミスをして同窓の兵士が訓練中に死亡してしまう。
一度は軍を辞めようとするリコだが、両親の住むブエノスアイレスがアラクニドの攻撃で壊滅、除隊届をとり下げ、バグの主星クレンダスへの強襲降下作戦に参加する。
バグの反撃はすさまじく、地球艦隊の戦艦級が次々と落とされる。
どうにか地表にたどり着いたリコたちは、そこではじめて敵と相対する。
無数の集団で統制の取れた行動をし、強靭な肉体を武器に死を恐れず殺到してくる敵軍団に、人類はたやすく狩られてゆく。
バーホーベン作品でおすすめするなら『ロボコップ』とこの『スターシップ・トゥルーパー』をおいて他にありますまい。
でっかい虫が画面いっぱいにワッサー出てきて、凶悪なプレード型前肢で人間を切りきざむ悪夢みたいな映像は、忘れえぬインパクト。
なに考えてんだこの監督と見はじめに思いましたが、反撃がはじまると、うおー行けー人類そしてリコ!
ヒューマンの恐ろしさ、ぶち思いしらせてやれやあ!
となっちゃうふしぎ。
原作のロバート・A・ハインラインは、戦後海外SF御三家と呼ばれた巨頭の一人。
『ミクロの決死圏』『ファウンデーション・シリーズ』のアイザック・アシモフや『2001年宇宙の旅』『地球幼年期の終わり』『楽園の泉』のアーサー・C・クラークと並び称される、ガチの巨匠です。
この宇宙の戦士も、表題のまま日本でアニメ化されてるんですが、こちらは肝心の戦闘シーンはほんのちょびっとだけで、訓練時代の甘ずっぱい話メインになってて、ちがうちがうそうじゃない出来。
設定の使いやすさからフォロワー作品が多数作られ、同じ虫型エイリアンとの戦いを描いた『エンダーのゲーム』やリドリー・スコットが映画化を進めている『終わりなき戦い』など数えきれないほど。
富野由悠季監督がこの作品のあらすじを読んで、今や世界的名作アニメシリーズとなった『機動戦士ガンダム』を着想したのは、ハインラインファンならずとも有名な話です。
映画がどこまで原作と近いのかというと、バトルシーン以外はけっこうまんまなので、興味がわいた方はぜひお手に取ってみてください。
元々児童むけレーベルからの出版なので、翻訳しだいではかなり読みやすいですよ。
バーホーベン作品おなじみのあたおかCMですが、あのまんまではないにせよ、それぐらいの戦時統制社会ではあります。
ストーリーの所々で軍や社会のあり方の議論などがされてて、その内容から「軍事的すぎる」「国粋的だ」との批判も受けたそうですが、ハインラインは元々軍人として太平洋戦争にも参加してますし、近現代の戦時って人権よりも社会全体の生存に重きを置くのは理解できます。
左派的な小説も出しているので、ご本人の思想はかなりニュートラルなんですけどね。
科学者のアシモフやクラークより、ぐっとエンタメによせた物語をつむぐハインラインには国内女性ファンも多く、来日の際に『11人いる!』萩尾望都と『グリーン・レクイエム』新井素子がサインをもらって感激したというエピソードも。
「日本人女性に「モト」って名前が多いと誤解をあたえたらどうしよう」
お二人でそんな懸念を話し合ったそうです。ほほえましい。
続編2作目はスケール小さくてあまり評判よろしくないのですが、低予算のホラーSFとしてはそんなに悪くはない出来。
3作目はあの悪魔の超兵器マローダーが出てきて、クソッタレのバグどもを一掃するおっそろしいお話。人類こええ……。
本国アメリカではアニメシリーズも二作ほどあるそうですが、ちょっと見てません。
実はパワードスーツの始祖でもある原作。
ただのアホアホスプラッタSFではない、いろんな側面のある作品です。
この映像化作品ともども愛していただけたら、幸いです。
銀河戦線異状なし‼️
冒頭、愛国精神じゃない愛星精神あふれる兵隊募集のコマーシャル‼️ちょっとプロパガンダ映画の香りがします‼️「カッコいい!!」「地球を救うぞ!!」みたいな使命感に目覚めた若者たちが、赴いた戦場はこの世の地獄だった‼️まるで名作「西部戦線異状なし」みたいですね‼️ポール・ヴァーホーベン監督が名作小説「宇宙の戦士」を映画化したこの作品、「ロボコップ」「トータル・リコール」「氷の微笑」のヴァーホーベン監督だけに一筋縄ではいきません‼️地球を攻撃する昆虫型エイリアンとの全面戦争を描いているわけですが、アクションの凄絶さ、グロ描写のハードさがハンパありません‼️そしてちょっとしたエロティックな描写も‼️人間が真っ二つに切り裂かれ、串刺しにされ、炎で丸焼き‼️もうホント地獄絵図ですね‼️そして一番ヤバいのは、敵の親玉ブレイン・バグによるストローのような触覚を使っての "脳みそチューチュー"‼️もうこれはトラウマです‼️餌食になった人間の顔‼️バタリアンが可愛く見えます‼️そんなグロさ満載のバイオレンスシーンも、ヴァーホーベン監督のパンチの効いた、力強い演出力が根底にあるので、ヒジョーに見応えのあるものになっております‼️そしてヴァーホーベン監督のもう一つの持ち味であるエロティック描写‼️今作では「氷の微笑」のような直接的な描写は無いものの、兵隊たちが男女関係なく一緒にシャワーを浴びるシーンが‼️しかしこのシーンはキャラたちの兵隊としての仲間意識が強く出ているシーンで、いやらしさはまったく無く、清潔感に満ちたシーンです‼️リコとディジーのベッドシーンもホント爽やか‼️「20分で?」「できるさ!!」‼️昆虫型エイリアンのバグのデザインも「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や最近の「クワイエット・プレイス」のわかりにくいエイリアンたちよりも、わかりやすくてカッコいい‼️公開当時、この作品はそのグロさが影響したのか、いまいちヒットせず、続編が製作されたものの、B級映画扱いとなり劇場未公開となったのは残念です‼️
パーフェクト娯楽映画!ブラボー!
青春・恋・友情・軍・戦争・エイリアン・虫・超能力…これらの素材をでかい中華鍋にぶち込んでバーホーベン印のソースで炒めた最高のエンタメ作品だッ!男女一緒のシャワールームも全くいやらしくなく虫の解剖さえコメディになっている凄まじい完成度とテンポの良さはまさに傑作!最近のVFXばかりで中身スカスカの作品にウンザリしてる方に是非観て欲しい最高のエンタメ作品です
キミも宇宙防衛軍に入ろう!!!
はじめは素早い展開についていけないのですが
ついつい引き込まれてしまいます
原作の方が面白いって話を良く耳にしますが
私はこのおバカな描写が大好物です
無慈悲に人類を殲滅しようとする虫と無力な人間との熱いバトルが最高に楽しい
奴らは群れでやってくる!
いや~、面白いですよ、この映画は。大好きで定期的に観たくなります。興行収入が振るわなかったみたいですが、根強いファンが居るのもわかるくらい傑作と思います。
簡単に言ってしまうと、人間VS巨大昆虫(アラクニド=バグス)の一言で表せれるのですが、笑いあり、涙あり、恋愛あり、友情あり、戦いあり、怖さあり、グロもあり、それでいて何かを訴える作品でもあり、観ていても全く飽きない映画でした。
時代は未来。物語のスタートは、学園もの?っと思わせられる展開です。高校を卒業後、バグから地球を守る軍隊に入るジョニーを中心に描いていますが、彼の入隊の動機は不純で、彼女が入隊するからだか。彼女は優秀であり宇宙船のパイロットに選ばれ、不純な動機のジョニーは番危険で死亡率が多い足軽隊に…。という、この地位の差が愛し合う二人の壁となることは間違いなく、恋愛物としてもしっかり描かれています。
二人の愛の関係だけではなく、数多くの人間ドラマも描かれているのです。戦争という立場に置かれた中での仲間との友情や絆、戦いを経験していくにつれお馬鹿学生卒だった若者がりりしい顔になり立派に成長していく姿等、単なるSF映画では終わらない、感動が数多くありました。
そして一番の見どころは、やはり大迫力な戦闘シーンです。うじゃうじゃと大群で襲ってくる気持ち悪いバグに対し、戦いを挑む人間達。奇妙なバグズばっかりで非常に強く、殺されていく人間が余りにも簡単にちょん切られグロく殺される様子は、戦いの壮絶さを物語っています。囲まれて絶体絶命シーンなんかは脱出は手に汗にぎりまくりでした。本当に勝てるのだろうかと思える程です。
バグズの司令塔のブレイン・バグを捕まえた時には、人間達の壮絶な苦労をみているので、思わず、やったよー!って一緒に喜びたくなりました。捕まえたのが元鬼教官ってところも非常にGoodな選択でした。だって彼は、バグを倒すため地位を捨ててまで戦ってきたんですもん!
でもって、ただただ気持ち悪い姿がとっても印象的な昆虫達なのでした…。
ロバート・A・ハインライン原作『宇宙の戦士』
前半は青春ドラマ(海外ドラマの学園ドラマを想像すると分かりやすい)、後半は戦争映画(軍が舞台なので階級社会の上下関係)、の2部構成なジェットコースタームービー。主人公がスピード出世する様が面白い(学歴社会や女性差別の日本人には想像出来ない実力社会のアメリカ合衆国)。巨大昆虫型異性物「バグズ」の恐怖に圧巻されるがホラー映画ほど極端ではない。ポール・バーホーベン監督の独自の癖はあるが気になる程ではない。
セットがチープ過ぎ
公開時に劇場で見て、
先日配信で見直したけど、「トータル・リコール」でも思ったけど、「セットがチープ」なんだよね。
予算の大半を特殊効果に注ぎ込んだのは分かるけど、それにしてもどーにかなったんじゃね?と思う。
そのおかげで演技も安っぽく思えるし感情移入もしづらい。
内容は、
軍国主義やナショナリズムをあえてバカッぽく描き、それらを揶揄しつつ、エンタメを濃くしてるんだと思う。
(受け手によっていかような解釈も可能。軍国主義を礼賛してる、という解釈も可能だが、それなら中国映画「戦狼」みたいな出来になっただろう)
インモラルな星間SF
ヨーロッパ人がアメリカで仕事をすると、うるおいが減り陽性化し軽くなる。不合理が合理化され、隠喩が直喩になり、レイトも汎化する。「Americanized」の言葉どおりの変化がおこる。
このときどうしてもアメリカ化しきれなかった強い作家性が映画の妙味になる。
ハリウッドに進出したバーホーベンがさいしょにつくったのがロボコップ(1987)。
世界じゅうで大ヒットし一躍バーホーベンをドル箱監督に持ち上げた。が、ごらんになればわかるとおり、アメリカンなロボットエンタメ(リアルスティール/パシフィックリム/ショートサーキット/バンブルビー・・・etc)とは異なる“湿度”がロボコップにはあった。バーホーベンはなんとなく性的で淫靡なのだ。そんな描写がないにもかかわらずロボコップに出てくるナンシーアレンはなぜかとても官能的だった。
すなわちバーホーベンは、ハリウッドシステムの中でも飛び出てくるほど強い作家性の持ち主だった。
これはひとつのバロメーターだ。向こう(外国)で映画をつくったとき“個”が立ち上がる監督もいるし、誰が撮ったのかわからないような映画ができてしまう場合もある。海外進出は、監督が作家なのか、ただの現場監督なのか──を明かしてしまう。
──
ハインラインの宇宙の戦士はガンダムはじめ日本のロボットアニメやスタークラフトなどゲームにも多大な影響を与えたエポックだが、バーホーベンの映画「スターシップトゥルーパーズ」以降は、宇宙の戦士と言えばバーホーベン版の宇宙の戦士のことだった。と個人的には思う。
バーホーベンが創造した未来世界はシャワールームが男女混浴になっていることだった。そんな瑣末時──と思われるかもしれないが、現実にそれがスターシップトゥルーパーズの訴求ポイントと化した。続編が軒並みB級化したのはそのせいだ。もちろん原作には男女が一緒にシャワーをあびるシーンなんかない。しかしスターシップトゥルーパーズ公開当時、男女が一緒にシャワーを浴びるシーンを見たわたしは、その奇異にきょうがくした。「なるほど未来では男女が一緒にシャワーを浴びるのか」と、感心もした。
それがバーホーベンの作家性だった。サービスで裸を挿入したいならば、もっと暴れない方法がある。男女がなぜか一緒にシャワーを浴び、その状況にまったく物おじしないDina MeyerがCasper Van Dienの尻をペチッとひっぱたく──奇景がむしろ未来世界を表現してしまっていた。バーホーベン版といえる新しい宇宙の戦士がそこにあった。
低迷もあったがバーホーベン作品をつらぬく特長は「インモラル」である。Benedetta(2021)は未見だがオランダ時代やElle(2016)はぎらぎらと扇情的、生理的だった。つまりスターシップトゥルーパーズの面白さは克己主義なハインラインをインモラル作家のバーホーベンが描いた妙味だった。
──
世界じゅうの人々に愛される名著宇宙の戦士だが否定派もいる。
軍国主義を称美するような描写によって、宇宙の戦士はリベラルな人々から非難を浴びた。小説内の世界では従軍経験がないと市民権が与えられない。戦わなければ生きる資格がない──とまでは言わないものの、そのような全体主義(ファシズム)が描かれていた。
とりわけ戦後世代が多かった昭和期には、宇宙の戦士のファシズムに対して多数の否定派がいた。わたしが持っている文庫版の巻末には訳者とアンチの攻防みたいな逸話もあった。
ただしハインラインは克己主義者ではあるが単に器用なだけだ。
克己主義とは鍛えられていない未熟者に資格や権利はないという考え方であり、それを表看板にするとファシズムに見えてしまうが、人間が克己しなきゃならないのは社会通念や常識の範疇である。
つまりハインラインはファシズムを描きたかったのではなく「だらだらと自分勝手に生きてはだめだ」と言っていた──に過ぎない。
そもそも月は無慈悲な夜の女王では真逆な革命家/反体制組織が主人公だったし、老いるほど作風はくだけていった。宇宙の戦士がファシズムを称美しているととらえたのは戦後世代の過剰反応だったと個人的には思う。
ところで宇宙の戦士がファシズム論争から解放されたのは、バーホーベンのスターシップトゥルーパーズのおかげでもある。
なぜならスターシップトゥルーパーズは「だらだらと自分勝手に生きてはだめだ」との教訓を含有するハインラインの宇宙の戦士を「インモラル」作家のバーホーベンが描いた映画だった。からだ。
ちなみに「インモラル」は辞書に『道徳、道議に反すること。不品行であるさま。』とある。
かつて、さんざんファシズムを非難された宇宙の戦士をバーホーベンは男女が一緒にシャワーを浴びる進歩的未来の話に昇華してしまったのである。
結局(繰り返すが)スターシップトゥルーパーズの面白さは克己主義なハインラインをインモラル作家のバーホーベンが描いた妙味だった。
バグをやっつける星間SFなのに、なぜかエロ気配を内包してしまう作家性──。
逆に考えてみれば、バーホーベンのオランダ時代──生々しくセクシャルなTurks fruit(1973)やSpetters(1980)から、商業SFをかれに任せてみようという発想は出てこない。すなわちバーホーベンの成功はハリウッドの慧眼でもあった。
(ところでVをヴにするならヴァーホーヴェンです。ヴァーホーベンは片手落ちです。だからいっそのことバーホーベンでいいんじゃないかと思うのです。)
監督で選んでも面白いとは限らない
原作が、有名なハインラインの小説で、もともとよく理解できないまま映画まで見たものの、結局よく理解できないまま。
とりあえずわかったのは、ガンダムとは何の関係もないということぐらいで、うじゃうじゃ動く敵のモンスターが、いかにも作りモノの嘘くささだったことで、すべてが台無しに思えた。
軽いエロとグロが随所に見られるが、刺激よりも退屈が勝つ。
2018.1.27
SF戦争映画の傑作。
本来、名前からしてスターウォーズとはこの作品がふさわしい。!
この映画の世界観がナチスや日本の戦前を思わせる民衆に対して国家に忠誠を強要する社会が描かれていてこの映画の評価を落としているようだ。
まあ!映画を見ている分には私はさほど重要ではないと思う。
戦闘シーンはリアルで迫力がある。
敵の巨大昆虫バグスの大きさの気持ち悪さ、恐怖感を頂く丁度よい大きさだ。!
ガメラに出た兵隊レギオンも絶対参考にしているはず。!
好きなシーンは前線基地を大量のバグス軍団に周囲を囲まれての戦闘シーンである。!
ハラハラドキドキのシーンだ。!
西部劇「アラモ」を思い出す。!
でも、私の好きな女性兵士ディジーは死んでしまいますが。!
「最後にあなたと愛しあえて良かった。!」は涙もの!
私は「カルメン」より「ディジー」が好きだ。!
ラズチャック愚連隊。万歳。
パワードスーツが出ないなんてありえない
当時、そこが不満でしたが観に行きました
宇宙人と戦争をしている地球のプロパガンダ映画
という設定な反戦映画、なのかな
ストーリーがバカなのでこれで戦争は嫌だなとは思えないんですけどね
戦艦の中で一日があって夜は皆休んでるってそれは無い
歩兵の武器が貧弱、これでは戦争できませんよ
パロディだった!?
90年代特有な青春群像モノTVドラマ的な雰囲気、恋愛要素に訓練シーンと少し退屈に感じる前半戦。
男女混合によるシャワーシーンの違和感、バーホーベンは「ロボコップ」でも同じ事やってる。
それぞれのキャラに愛着が持てないから、メインキャストが窮地に陥っても冷静に傍観してしまう。
ルーカスやリドリー・スコットの作品と比べると、全体的なLOOKを含めた昆虫や艦隊などのデザインがダサいというか斬新さも無く「トータル・リコール」から変わらない特殊効果、センスは感じられないB級加減。
序盤とラストの宣伝描写で何となくソレと分かる雰囲気はありつつ、ナチス・ドイツのプロパガンダ映画のパロディって奥深さ。
この上ないSF最高傑作
巨大昆虫と人間が戦争するというB級臭プンプンのテーマだが、これが実は至高のSF映画だったりする。
当時としては文句なく最高の出来だったし、今観ても多少古臭くは感じるかもしれないが楽しめると思う。
ちなみに2以降は監督も違う酷い駄作なので観る価値無し。
映像技術の向上とともに
昆虫パニック映画もちゃんと映画作品として観られる様になった作品。
明らかに異種間の戦争で指導者?が人間を消費する戦争に向かわせる流れがオーバーに表現されている。
実際にあんな戦争に参加したら、段々平時の感覚を失うのは自明の理だ。その辺は目をつぶってこのバカな映画を楽しむのがこの作品を楽しむコツと思う。
シリーズ化もされており、ゲームもあるし今後も虫たちは進化を重ねるのだろう。
その時に人間がどれほどの進化をしているか…気になるが(笑)
しかし何年かに一回観たくなるこの作品。
アクションホラー映画としての質は抜群だ。
多少ギミックとかちゃちな所もあるけど時代的に許せる。男女入り交じって裸でシャワー浴びながら雑談してる様とか今時には観られない内容だ。
そして敵のバグズ…マジで強すぎる(笑)
個々の殺傷能力もさる事ながら、数が多すぎる。
空を飛ぶのも居れば、超強力な酸のシャワーを噴き出す奴もいる。
果ては地上から宇宙空間に停泊している宇宙戦艦を易々と破壊する威力の攻撃も出来る。
正直、こりゃ敵わんわと思う。
人が使うあんな豆鉄砲ではとても敵わないと思う。
ラストシーンにはちょいマシになった兵器が登場してるので、次回作では使ってたかなぁ?
また2~4のシリーズ見直そうと言う気になった。
やりすぎバーホーベンのやりたい放題劇場
個人的にはバーホーベンの最高傑作にして最高ケッサク。
原作未読。劇場公開時鑑賞。
ゴールデンウィークの昼下がり、引きつった顔で劇場を途中退場していく家族連れを複数目撃した20年前の映画館での一コマ。休日の楽しい思い出が阿鼻叫喚の地獄絵図に変わったのが一番の恐怖シーンかも。
プロパガンダCM場面は爆笑モノ。誰だよこんなバカなCM作ってるの。こんなので誰も感化されな…い?…いやいや、それどころか世界中のあちこちで何度も繰り返されてきてるんでした。となるとこの世界の何もかもが薄ら寒く見えてきて、鼻で笑うしか無い。
『宇宙の戦士』が原作のはずだが、『宇宙兵ブルース』が混ざっているような気がした。
ヴァーホーベンの映画は人が作る情報の不気味さを認識させてくれる。
傑作!傑作中の傑作。
未来、架空の国のプロパガンダ映画として作られてる。
勇ましく戦うんだ!って人間があからさまに、わざとらしく成功している。
と、同時に普通の民間人が命を投げ出すまでの洗脳プロセスの映画になっている。
フルメタルジャケットのホラーコメディ版という印象。
各登場人物の流れをまとめる
■主人公
学園カーストのトップ、彼女(軍隊志望)がいる、教師の授業を経て、彼女にカッコつける為なんとなく軍隊に入隊(突撃隊、海兵隊。致死率非常に高い)
ここでもリーダーに選抜されるが彼女と別れ、ミスを犯し除隊。が、宇宙人からの攻撃で両親を殺され戦う決意。
出撃①、重傷を負う。部隊転属。高校教師が率いる部隊に転属。高校教師の言うとおりに動く主人公、自分の意志で決めていない。(自分で決めなさい、選択の自由はあると言われるがその余地がない)
出撃②、アメフトのようにスポーツ感覚で戦争、戦う。
出撃③、敵の攻勢、自分を追ってきた女の子、教師共に死ぬ。これがきっかけとなって主人公は変化している。戦争に向かわせた政府ではなく敵を憎むように変化している。なぜそのように体制側に思考が向かなかったのだろう。
出撃④、彼女と再会。敵の頭脳を見つける。
ラスト、立派な戦士になってしまった主人公。
■ヒロイン
ファムファタールとして描かれている。兵士になると主人公が決めたら体を許す。パイロットだから前線行かない。高みの見物。どう見ても悪女として出てくる。男を取っ替え引っ替え。
■友達の超能力開発者
服装がまんまナチス。頭脳明晰でテレパシー能力(洗脳?)を研究している。その延長として
軍隊では戦争に向かわせる洗脳を研究する。イタチに虫を与えるイメージの研究の先にあるのは人々を戦争に向かわせる研究への布石か?
この映画の中で主人公は何も自分で決めていない。その時、その時の状況に沿って、命を投げ出す人間になった。それは、
虫の長が人間の脳を吸い取って殺す→脳無し→思考がない、考えずに死ぬ人間のメタファーとして描かれている。
そしてその諸悪の根源であるはずの軍隊でさえ失敗してもトップが辞任して新しい人が来るだけ。何も変わらず続いていく。悪の核となる人物・組織が無くアメーバのように人々の殺戮システムは続いていく。
この映画は何か怖い。主人公が平気で自分の命を捨てることをいとわない人間に変化してしまったから。国の目的は1時間で10万人死ぬ戦場に躊躇なく飛び込む人間を作ることだった。
軍事施設で主人公が見た緊急速報、虫はブエノスアイレスに隕石を落として人類に脅威を与えることができるのに、なぜ人間が攻め込んできたときにそれをしないのか?そもそも本当にブエノスアイレス襲撃はあったのだろうか?兵士の戦意を高めるための嘘なのではないか。
どうも人類側の攻撃をきっかけとしたことが匂わされているが、この戦争は財政再建等の理由で他文明を攻撃し誰も責任を取らないまま虫も人類も殺しあっているのでは無いか?
ポールヴァーホーベンの映画はニュース、人が作る情報の不気味さを認識させてくれる。
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