「言いたいことは沢山ある。…が、ダース・モール戦だけでも十分お釣りがくる!」スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
言いたいことは沢山ある。…が、ダース・モール戦だけでも十分お釣りがくる!
SF映画の金字塔『スター・ウォーズ』シリーズの第4作目(1作目?)。
16年ぶりの新作であり、アナキン・スカイウォーカーが如何にしてダース・ベイダーになったのかを描いた「新3部作/プリクエル・トリロジー」の第1作目にあたる。
監督/製作総指揮/脚本はジョージ・ルーカス。
シリーズの生みの親であるルーカスが監督を担当するのは1977年の『新たなる希望』以来になるので、実に22年振りのことである。
オビ=ワン・ケノービの師匠であるジェダイ・マスターであり、本作の実質的な主役でもあるクワイ=ガン・ジンを演じるのは『シンドラーのリスト』『レ・ミゼラブル』の、リーアム・ニーソン,OBE。
若きオビ=ワン・ケノービを演じるのは『トレインスポッティング』『普通じゃない』の、名優ユアン・マクレガー,OBE。
惑星ナブーのアミダラ女王を演じるのは『レオン』『ヒート』の、後のオスカー女優ナタリー・ポートマン。
ジェダイ評議会の長であるメイス・ウィンドゥを演じるのは『ジュラシック、パーク』『パルプ・フィクション』の、名優サミュエル・L・ジャクソン。
アミダラ女王の影武者であるサーベを演じるのは、当時14歳だったキーラ・ナイトレイ。
また、『アウトサイダー』『ゴッドファーザー PART Ⅲ 』の、後の名監督/脚本家のソフィア・コッポラがアミダラ女王の侍女役でカメオ出演している。
旧作ファンから兎角の文句をつけられる「プリクエル・トリロジー」。その中でも最も批判的に語られるのが、第1作目であるこの『ファントム・メナス』。
自分は「プリクエル・トリロジー」世代。
当時は小学生であり、親の借りてきたレンタルビデオを一緒になって観た記憶がある。
思い出の一作…と言えなくもないのだが、当時は正直あんまり好きじゃなかった。
なんか話が難しくてよくわからんし、顔の怖い人が出てくるし、クリーチャーデザインはキモいし、アクションが少なくて退屈だし…。
「あぁ、コレは大人が観る映画なんだ。だからあんまり面白くないんだ…👶」と幼心に思ったものです。
余談ですが、2000年前後というのはエポック・メイキング的なファンタジー映画が3本公開されています。
一つ目はこの『ファントム・メナス』、二つ目は『ハリー・ポッター』、そして三つ目が『ロード・オブ・ザ・リング』。
コレらの映画を少年時代に鑑賞したことにより、オタク的なアイデンティティが形成されてしまったわけですが、当時の好みとしては『LotR』>>>>>『ハリポ』>『ファントム・メナス』という感じだった。
これは正直今見直したとしても印象が変わることはないと思う。
というわけで、特に好きでもない映画なのだが20年振りくらいに見直してみた。
まぁやっぱり面白くは…ない💦
前3部作がルーク・スカイウォーカーによる冒険活劇だったのに対し、本作はどちらかというと政治劇。
共和国だの通商連合だの、関税がどうのこうのと冒頭で説明されるが正直よくわからん。今見てもよくわからんのだから子供の頃に見て理解できるはずないよな…😅
やっぱりファンが『スター・ウォーズ』に求めているものって銀河を駆け巡る冒険活劇であり、こういう小難しいものじゃなかったんだろう。
それを16年も待たされて、期待値が上がり切った状態で観させられたのだから、当時のファンから総スカンを食らったというのも理解できる。
テンポが悪いし、シリアスなのかコメディなのかもどっちつかずで中途半端。
何より、説明的なセリフやややこしい設定が多く物語をのみこみづらい。
シリーズの序章としてはともかく、一本の映画としては良い評価は出来ない。
とはいえ、良い点ももちろんある。
一つは、本作で『SW』世界が一気に拡張されたこと。
これまではルーク・スカイウォーカーの物語に焦点が合わせられていた。
しかし、本作では1人の個人ではなく「銀河系」という広い世界に焦点が合わせられている。『SW』の世界には、どのような政治的な動きがあり、どのような民族がいて、どのような歴史を歩んできたのかがこれまでよりも深く描かれている。
旧3部作ではジェダイってなんなのかよくわからなかったけど、本作でめっちゃ強いNPO法人みたいなものだということが明らかに。
こういう風にディテールを明らかにしてもらうと、その世界の中に浸りやすくなるし、後続作品で世界を拡張しやすくなる。より世界が、広く深くなったような気分にさせてくれます。
もう一点は映像の進化。
今観ても十分に圧倒される映像美は見事。特に水中都市オート・グンガやナブーのコアでの冒険は素晴らしいの一言。
ポンコツドロイドたちも、CGとは思えないほどキュートだしリアリティがある。
映像面において、ついにジョージ・ルーカスのイマジネーションを表現出来るようになったんだ、と感動しました。
そして本作最高のポイントはやはりライトセーバー戦✨!
これまでのライトセーバー戦は、どこか気の抜けたものだった。特に『新たなる希望』のオビ=ワンvsダース・ベイダーなんて、あまりに緊張感がなくて今観ると噴飯物。
それが本作ではキレッキレ!全盛期のジェダイが如何に強かったのか、それを映像的にみせてくれます🤩
特に、ダース・モールvsクワイ=ガン・ジン&オビ=ワン戦は最高😆👍‼︎
ジョン・ウィリアムズ先生のフィルム・スコアに合わせて展開される死闘は、映画史上最高のバトル・シーンだと思っています。
バリアー越しに対峙するモールとジンの、あの対照的な感じがたまらんのです〜✨(しかし、あのバリアーって一体なんなんだろう?)。
これから新たな物語を展開する上で、どうしても避けては通れない説明を詰め込んだ作品であり、本作を一つの映画としてみた場合にはやはり問題の多い作品だと思う。
しかし、『SW』の世界を拡張したという意味では非常に価値のある映画であり、褒められこそすれ極端に貶される作品ではないと思う。
一応「新3部作」は全て観ているのですが、見直すとなるとなんかワクワクしてきた!
当時はあまりハマらなかったが、今観ると印象が変わるのか!?自分自身に期待😁
野菜納豆さん、コメントありがとうございます😊
どうやらフォースの暗黒面に落ちておられるようですが、怒りをコントロールすることが大切だというジェダイ・コードを今一度思い出していただきたいと存じます。
良い師に出会えることをお祈りしております。