「今尚語り継がれる衝撃の真実」スター・ウォーズ 帝国の逆襲 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
今尚語り継がれる衝撃の真実
旧シリーズ2作目。エピソード5。
今となっちゃシリーズ最高作に挙げられるが、自分にとっては一時期『スター・ウォーズ』を敬遠する原因となった作品だった。
実は『スター・ウォーズ』初体験が本作。幼少の頃。(ビデオで)
人気のある面白いSF映画と聞いていたのに、話はよく分からないわ、暗いわ、重いわ、主人公たちはボロボロだわで、聞いてた評判とまるで違う。
確かに今見てもエピソード4のようなワクワクする冒険活劇の醍醐味に欠けるが、いつぞや少し成長して改めて見たら、シリアスなドラマは見応えがあり、それこそが本作の醍醐味であり魅力だと分かった。
ヨーダの下での修行。
洞窟での体験で知った、自らの恐れと未熟。
ひねくれ男と気の強い女のロマンス。
本当は惹かれ合っているのに、素直になれない。
「愛してる」「知ってる」の別れ際の告白に胸アツ。
助けを求めた旧友ランドの裏切り。
帝国の下で生き延びる為だったが、その葛藤、罪悪感。
クライマックスのルークとベイダーの一騎討ち。
そして…
「私がお前の父だ」
悲劇と衝撃の連続。
起承転結で言うなら、“承”“転”。
メインキャラの掘り下げは深みを増し、ドラマは濃密に。
無能な部下を情け容赦なく殺すなどシリーズで最も恐ろしさと強さが表されたベイダー。
「彼が最後の希望です」「いや、もう一人おる」…伏線も張られ、単なる次作への橋渡しに留まらず、一本の作品として格別な出来となっている。
新キャラではボバ・フェットも捨て難いが、やっぱりマスター・ヨーダ!
最初は鬱陶しそうなクリーチャーみたいだが(笑)、徐々に感じ伝わってくるマスターの威厳。
沼に沈んだウイング戦闘機をフォースの力で空に浮かべる凄技!
本作の見せ場の一つである序盤の氷の惑星ホスでの戦い。
今なら全てCGで簡単に表現出来るが、合成、ミニチュア、ストップモーションなどアナログ感たっぷりの特撮。
パペット操演によるヨーダもそうだが、旧シリーズが新シリーズより人気である理由の一つにこのアナログ感もあると思っている。
ドラマ的にも深み的にもシリーズ屈指!