スクリーマーズ
劇場公開日:1996年11月30日
解説
辺境の惑星に取り残された人々と人間そっくりに進化を遂げた殺人兵器の戦いを描いたSFサスペンス。「ブレードランナー」などの原作者としても知られる作家、フィリップ・K・ディックの短編『変種第二号』(ハヤカワ文庫『パーキー・パッドの日々』に所収、また『人間狩り』の題でちくま文庫『人間狩り』に所収)の忠実な映画化で、人間と酷似した贋物の存在によるアイデンティティ崩壊の不安、というディックが一貫して描き続けてきたテーマが色濃く現れている。脚色は「エイリアン」などのSF/ホラー映画専門の脚本家で、ディック作品は「トータル・リコール」に続いて2度目のダン・オバノンと、「フライトナイト2 パンパイアの逆襲」のミゲル・テファダ=フロレス。監督には「スキャナーズ2」「同3」のカナダ映画界の鬼才クリスチャン・デュゲイが当たった。製作は「スキャナーズ2」『頭脳警察』(V)のトム・ベリーとフランコ・バティスタ、エクゼクティヴ・プロデューサーは「キャット・ピープル」(82)のチャールズ・W・フライズ、ジョゼ・ベルナール、「バーチャル・ウォーズ」のマサオ・タキヤマ。撮影は「血のバレンタイン」のロドニー・ギボンズ、音楽はノルマンド・コーベイル、美術は「ロボコップ」TVシリーズのペリ・ゴラーラ、編集は「白い家の少女」のイヴ・ラングロワ。視覚効果監修は「ターミネーター」のアーネスト・ファリーノ、デシタル効果監修は「ロジャー・ラビット」のリチャード・オスティガイがそれぞれ担当。出演は「ロボコップ」「同2」「ニュー・エイジ」のピーター・ウェラー、『フアイナル・ゲーム』(V)のロイ・デュプス、「ダリアン」のジェニファー・ルービン、「ドアーズ」のアンディ・ラウアー、「ブレインスキャン」のチャールズ・パウエル、本作がデビューの子役マイケル・カロスほか。
1996年製作/108分/カナダ・アメリカ・日本合作
原題または英題:Screames
配給:松竹富士(松竹=フジクリエイティブコーポレーション=K2エンターテインメント=メディアリング提供)
劇場公開日:1996年11月30日
ストーリー
2068年、惑星シリウス6Bで新エネルギーのベリニウム鉱石が発見されたが採掘の際、致死量の放射線を出すことが判明。対立する惑星開発企業新ブロック(NEB)と科学者・労働者が結成した連合軍はやがて泥沼の戦争に突入した。地表には連合軍が開発したスクリーマーと呼ばれる防御用兵器が徘徊していた。自己修復機能を備えるスクリーマーは所在不明の工場で製造され、生きるもの全てを襲うようプログラムされたこの殺人兵器は、今では連合軍側にとっても大きな脅威となっていた。そんな時、連合軍のヘンドリクソン司令官(ピーター・ウェラー)は、地球総司令部のグリーン長官から、惑星トライトン4で安全なベリニウム鉱石が発見され、NEBとの休戦協定が進み出したと聞かされる。やっと平和が訪れると安心したのも束の間、民間の宇宙船に偽装した攻撃艦が地表に不時着するのに遭遇。唯一の生存者であるエース上等兵(アンディ・ラウアー)を詰問すると、彼らはトライトンのNEB攻撃の選抜隊で、後続の大部隊もトライトンを目指していると言う。休戦の話を聞いたばかりなのにと驚くヘンドリクソンに、エースは長官が2年前に死んだ事実を教える。味方に裏切られていたことを知ったヘンドリクソンは、こんな無意味な戦争を一刻も早く中止すべきだと主張し、エースを連れてNEB基地へ和平交渉に向かった。彼らは核兵器と放射線で汚染された雪原を進むうち、建物に隠れていた少年デイヴィッド(マイケル・カロス)と出会う。3人がNEB基地に近づいた時、銃声が轟いてデイヴィッドが撃たれ、胸に空いた穴から機械が覗いた。デイヴィッドは進化したスクリーマーだったのだ。ヘンドリクソンたちは、NEBの兵士ベッカー(ロイ・デュプス)とロス(チャールズ・パウエル)、闇屋のジェシカ(ジェニファー・ルービン)と連れ立って司令部に到着するが、既に全滅していた。ヘンドリクソンはコンピューターで、スクリーマーのタイプ1が爬虫類型、タイプ3がデイヴィッド型だと知るが、タイプ2は不明だった。ベッカーはロスを疑って殺してしまうが、彼は人間だった。疑心と無力感にとらわれた一行は連合軍基地にようやくたどり着くが、ゲートが開いて出てきたのは無数のデイヴィッド型スクリーマーだった。ヘンドリクソンたちは苦戦の末に全滅させるが、ベッカーがエースを殺してしまう。彼がタイプ3だったのだ。ベッカーを倒したヘンドリクソンは、いつしか愛するジェシカを連れて、脱出用宇宙船の発射基地に向かう。宇宙船は一人乗りだった。そこへジェシカと瓜二つの女が現れ、二人のジェシカが争う。彼女もまたタイプ3だった。そこへ再び、エースの顔をコピーしたベッカーのタイプ3が現れる。今度こそ、これを破壊したヘンドリクソンは宇宙船に乗り込むと、一路、地球を目指した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- クリスチャン・デュゲイ
- 脚本
- ダン・オバノン
- ミゲル・テハダ=フロレス
- 原作
- フィリップ・K・ディック
- 製作総指揮
- チャールズ・W・フライズ
- ジョゼ・ベルナール
- マサオ・タキヤマ
- 製作
- トム・ベリー
- フランコ・バティスタ
- 撮影
- ロドニー・ギボンズ
- 美術
- ペリ・ゴラーラ
- 音楽
- ノーマンド・コーベイル
- 編集
- イブ・ラングロワ
- VFXスーパーバイザー
- アーネスト・ファリーノ
- デジタルエフェクトスーパーバイザー
- リチャード・オスティガイ
- 字幕
- 岡田壯平