シンドラーのリストのレビュー・感想・評価
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理不尽な死と偽善者
正直な話、シンドラーをユダヤ人を救った立派な人だと思わなかった。劇中終始SSのご機嫌を伺いつつ、有能と見なした人達だけを働かせ「自分の城」を築いただけに過ぎない。
ユダヤ人達の生殺与奪の権を握っているという点で、彼もシンドラーもSSとやってる事は同じ。ゲットーの殺戮を馬上で俯瞰し、命懸けで助けて欲しいと訴える女性を追い返すわ、腹立ち紛れに税理士に「何で俺がユダヤ人を助けなればいけないんだ!」と怒鳴り散らす。憂さ晴らしに女と戯れるシンドラーに罪悪感はないのか?自分の工場の労働者が拉致や殺戮されたのに?と神経を疑う。
終始シンドラーに理性的に接していた税理士の方を私は讃えたい。
個人の善意の限界を超えると義務や責任に耐えられなくなる。
私なら彼の工場で働くのは絶対に嫌だ。
傍らで人が次々殺されている場所で生きていたいとは思わない。
いつ自分が殺されるか分からない中で、未来を描けないから。
個人の善意に縋り、悪意に晒されながら生き延びるよりさっさと劇薬を飲む方を選ぶ。
この映画は圧倒的暴力の前に人の尊厳や命は何と脆いのだ!という衝撃と、虚しさを痛感した。
ゲットーが解体される前、設計ミスを指摘した女性の毅然とした姿が一番心に残った。
銃殺を覚悟で彼女が護りたかったのは、自分の生き様ではないか。
それを暴力で全否定される事が、戦争なのだと思う。
この映画を見て良かった。
シリアス路線
モノクロ
生存者たちの声
これは本当の話なのか?戦争での歴史捏造に苦しめられている日本人とし...
歴史上見てもこんな人いない
自身の正義を行うには力が必要
凄惨なユダヤの歴史の中で感動を得られる一作
RIP
リーアムニーソンの観るべき作品
リーアム・ニーソンの演技が素晴らしい
血の通った神になる事
個人評価:4.7
中学生の時に、この映画を学校で見、難しいという記憶しかなく、そしてアカデミー賞作品賞は難しい映画がとるのだと浅く理解していた。
愚かにもそれ以降、本作を見る機会を持たなかった自分を恥じる。
常にエンターテイメント性に溢れる作品を世界に送り出し、大多数の人間が喜ぶ映画を作り続けたあの時代のスピルバーグが、なぜこの異色作を世に出したのか。
それは忘れてはならない歴史の真実を映画という形で記録に残し、そして世界中に伝える。
世界が認める監督がこの題材を描き、より多くの人に伝える。本当に意味のある行為だと感じる。
またスピルバーグ自らが作ったシェアー財団。ホロコーストを生き抜いたユダヤ人の生きた声を記録し続ける財団とその意味。今を生きる人間が後世に伝える義務がある歴史。それをアメリカ系ユダヤ人でもあるスピルバーグ自身が担っている。
劇中シンドラーに対して向けられたユダヤの言葉「1人を救える人間は世界を救える」。
ホロコーストが真実であれば、600万人のユダヤ人が虐殺されたこの地。その人達全てを救う事は出来ないが、せめて関わった目の前の人だけでも救いたいというシンドラーの考え方。目の前の命を1つでも救う為にとった数々の行為。それは人間でありながら、神に近い行為であると感じる。
ユダヤ人が信じる神は、救いを願ったであろう信者に何をしてくれただろう。人々は虐殺され、何もしてはくれやしない。
敗戦後に工場の人達にむけ掛けた言葉と、群衆がシンドラーに向ける眼差し。それはキリストを見る眼差しに近い物があった。
最後のポーランドで生き残ったユダヤの末裔達がシンドラーの墓に石を置く描写。それは架空の神ではなく、彼らがしっかりと感じる事ができる、血の通った神であると考える。
「この先の運命が知りたくないの?」名もなきおばちゃんの一言
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