シンシナティキッドのレビュー・感想・評価
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【スタッド・ポーカー映画の逸品。派手なアクションが無くとも、面白い映画は出来るというお手本の様な作品。若きギャンブラーを演じる青い瞳のスティーヴ・マックィーンの姿が、堪りません。】
<Caution!内容に触れています。>
ー 今作では、派手なアクションシーンは殆どない。
途中、25年イカサマをしてこなかった男が、”ザ・マン”と言われるポーカーの名手ランシー・ハワード(エドワード・G・ロビンソン)にコテンパンにやられた男スレードから、貸してあった金を盾に、”ザ・マン”にスティーヴ・マックィーン演じるシンシナティ・キッドに勝たせるようにカード配りの際にイカサマを強制するシーンや、
シンシナティ・キッドの女クリスチャンが大勝負の前にキッドの前を去るシーンや、
何故かシンシナティ・キッドがクリスチャンの家に行き、ポーカーマジックを見せるシーンなどがあるが、ハッキリ言ってあれらのシーンは要らない。
この映画の醍醐味は、他のプレイヤーが次々に脱落していく中で、ポーカーの名手ランシー・ハワードとシンシナティ・キッドの1対1のポーカーシーンに尽きるからである。
相手の表情、仕草、配られた手札(スタッド・ポーカーであるので、一部は表にして配られる。)、掛け金の額から相手の見えないカードを考え、自分の役と相手の出来得る役を考え、勝負するシーンが実に面白いのである。
そして、シンシナティ・キッドが、最後の大一番でランシー・ハワードに負けた後に、外に出て黒人少年に揶揄われながらも、歩き始めそこで待っていたクリスチャンと合うシーンなども良いのである。ー
<今作は、スタッド・ポーカー映画の逸品である。
どこか、阿佐田哲也の「麻雀放浪記」(映画も良いけれど、原作本が一番面白い。)を思い出す作品でもある。>
マックイーンだね。
先日亡くなったノーマンジェイソン監督作品
ライバルのポールニューマンは、ハスラー
こちらは、ポーカーだ。
とにかくカッコいいね。
エドワードGロビンソンもいいね。
ラストの子供との賭けに負け
つきのおちを匂わせる。
ジグソーパズルのピースを削って強引にはめる女。ずるい女、ばいばいありがとう、さようおなら。
最初にTVで見たのは小学生の時くらいだったろうか。『大脱走』のスティーブ・マックィーンが日本でも大人気だったし、70年代は雑誌「スクリーン」や「ロードショー」での人気投票で必ずランクインしていた頃。当時の男優でいえば、アラン・ドロン、ブルース・リー、マックィーンが三大巨頭だった気がする(間違ってたらごめんなさい)。
そんなマックィーン演ずるシンシナティキッド。ニューオーリンズでは負けなしのキッドだったが、ニューヨークから“ザ・マン”と呼ばれる大物ランシー・ハワードがカードギャンブルのためにやって来ていた。多少の自惚れはあったが、果敢に勝負を挑むキッド。ゲームはファイブ・スタッドポーカーで争われる。1枚目を伏せ、2枚目からはオープンで配られ、その都度ベットしていく方法だ。
ポーカーフェイスという言葉を初めて知ったのもこの映画を観てからだったし、ギャンブルは良くない!と感じたのもこの映画から。男臭い中にも女性関係やら、少年との対決、富豪のスレードが親友シューター(カール・マルデン)にキッドを勝たせるイカサマ話を持ち掛けるという、色んな要素が渦巻く。中でも恋人クリスチャン(チューズデイ・ウェルド)がキッドとメルバ(アン・マーグレット)との浮気現場を目撃したにも関わらず、勝負の後には優しく接するという結末も男性客を喜ばせる趣向になっていた。
ギャンブル映画ではあるけれど、順調に勝ち進んでいっても最後に堕ちてしまう男の渋さがにじみ出ているのです。決して生活の糧にはできないギャンブル。ほどほどにしておきましょう。
ねぇキッド、もう1度やろうよ!
個人的には61年のポール・ニューマン主演「ハスラー」と似てる所が多いので比べてしまう。
「ハスラー」が負け犬からの再生を描くのに対して、こちらは完璧なギャンブラーが最後に転落する話しなので、どちらが好きかと言えばあちらになります。
だが、こちらもキャラの立ち具合なら負けてません!
ポーカー・フェイスという言葉がぴったり当てはまるマックィーン。
そのポーカーフェイスが崩れる最後の瞬間。この顔のためだけに作られたんじゃないのか!?と思わせるほどの絶妙な表情を見せてくれます。
そして、30年最高位の地位を譲らないザ・マンのエドワード・G・ロビンソン。
終盤具合が悪いのもキッドを揺さぶってるのでは!?と思ってしまうほど、貫禄たっぷりに演じています。
他、カール・マルデン、チューズデイ・ウェルドも良いが、メルバを演じたアン=マーグレットが素晴らしすぎ。
メルバと寝た男は皆破滅に追い込まれる、究極のさげまんっぷりで、こういう奴いるいる〜て笑っちゃう位の究極ビッチ(笑)
やぐっちゃってるのを見て去ったはずのクリスチャンが待っているという、取って付けたようなラストは、スタジオ側の命令で実際に撮って付けたシーンで、監督の本意では無いそうです。
確かに、最初に勝った黒人少年にまで最後に負けたところで終わったほうが、救いは無いけど作品は締まりますな。
野望を秘めた男の静の緊迫感
総合:65点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 65
音楽: 75
マックイーンは今回は体を張った派手な動きはないが、机の上で真剣勝負に挑む。
マックイーンが演じるのは、実力を持って頂上を狙う野望溢れるプロの賭博師。勝負に賭けるという意味で、カーチェイスや追跡劇といった活劇がない静の場面でもうまく撮影すれば緊迫感は出せるだろう。
だがポーカーは勝負の駆け引きという実力が重要である一方、イカサマがなければどうしても運も勝負を左右する。いい手役がくるかどうかは配られるカード次第、そこに自分が関与する隙はない。勝負の決め時に相手役の駆け引きが一枚上手だったのは言うまでもないが、だが運もあったように思って、何か知力の限りを尽くした最高の勝負というには物足りなさを覚えた。だから「お前は私がいる限り二番手にしかなれない」という科白がちょっと白々しくも思えた。
最後の靴磨きの少年の科白はいい。人間落ち目のときってのはこんなズブの素人にも負けるものだ。そしてそんな落ち目の彼を迎えるのは、平凡な生活と平凡な幸せを願う女。野望溢れる男がたった一度の敗北で過去を捨てて平凡な生活をすることが出来るのか、それとも女と別れてまた賭け事で再起を図り頂上を目指すのか。その後の彼がどちらになるのかも少し中途半端に思った。
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