知らなすぎた男のレビュー・感想・評価
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やはり、ビル・マーレーは♥
ビル・マーレー主演のドタバタコメディー。
頭の中空っぽにして見るべし。
最後まで見て、題名の意味が分かる。そして、最初からそう言う性格で、彼(映画の中の彼)の才能だと知る。
普通は耐えきれずにチャンチャンなのだろうが。
何箇所か矛盾する脚本ではあるが、楽しくワクワクして、腹抱えて笑えた。
ダンスもカット少なめで、最近のブロードウェイミュージカルのダンスよりは誠意が感じられた。ちょっとばかり臭いダンスたけれども。
意外に人生の本質を語っていたりして
ベースとしては完全なコメディなのだけれども、実際の世の中も「真剣にやっているけれども、所詮浮世の中のお芝居なのさ」的感じがあって共感するものがある。
パロディ、コメディの類も完成度が高いといいですね。
本人は体験型演劇ゲームを楽しんでいるつもりで、実は爆弾テロ計画に巻...
本人は体験型演劇ゲームを楽しんでいるつもりで、実は爆弾テロ計画に巻き込まれていた。
本人はノリノリで演じており、やることなすこと全てがはまって、相手からも凄腕の殺し屋だと勘違いされ、気づかないうちにテロを防止していたというのが終始おもしろい。
天然
がんらい、高得点をつけるほどの映画ではない──のかもしれないが、個人的な追加点がある。
コメディだが、素のままで危機を乗り越えていく主人公は、わたしにとってほとんど人生の先生だった。
ビルマーレイはよっぱらっているわけではなかったし、ラリっているわけでもなかったが、スパイをも手玉にとれるほどの予測不能な天然をもっていた。
そう。天然である。
いつでも、どこでも、自意識から逃れられないにんげんがいる。わたしもそうだ。
公共で職場で商業施設で交通機関で・・・なんかしら、取り繕おうとしている、じぶんに気づく。無意識になれない。
ポーズというか、かっこつけというか、しがらみというか、誰かに見られている気配感というか、いつでも、どこでもじぶんがいて、なんとかじぶんをやろう/じぶんで過ごそう──としていることに気づく。
そういう自意識/自我から逃れられないにんげんにとって、天然ほど、うらやましい属性はない。
しばしば芸能人などの天然が、好ましい属性として紹介/披瀝されるのは、その羨望があるからだ。フワちゃんやローラが人気者なのは曲がりなりにも天然属性の持ち主だからだ。
だがじっさい、まったくの天然をもっているひとは、芸能人の天然が本物である可能性と同様にわずか──である。
若いころ、天然な動作をやって女の子の気を惹こうとしたこと──はないだろうか。
なんとなく伸びをしてみたり、ちょっと大仰な振る舞いをしてみたり。しかし、天然でないにんげんがやってみる天然の模倣ほど、ぎこちない景色はない。
また、一定年齢を過ぎて、なお天然の模倣をしていると、いずれ通報されるだろう。
知ってのとおり天然は自称すると矛盾する。わたしは天然です──と言うのは、わたしは天然を装っている天然詐欺師です、と言っているのとおなじである。
わたしたちは天然にあこがれ、天然をさがし、天然を装うことに失敗し、だれかのウソ天然を見抜き、思いがけずに顕れた天然に惚れ、それこそ天然に余念なく生きているのであり、もし、ゆるぎない絶対的な天然のキャラクタライズがあるなら、そしてその天然が、自意識/自我によって制御されている悪者たちのたくらみをことごとく排除できるならば、かれ/かのじょを師と仰ぐ──にちがいない。
だからマーレイは師/先生だった。
かれは今世紀でもっとも成功した映画俳優のひとりだが、もっともおいしいところを持っていった映画俳優のひとりでもある。
その最大の理由は何か、といえば、かれの持っている「天然」の気配にほかならない──のである。
すでにお分かりと思うが、いちばん重要なのは、ほんとうに天然なのか、あるいは偽天然なのか、その真偽は置いて、にんげんには、天然が似合う人と、天然が似合わない人がいる──ということだ。
天然の真偽はわからないし、わかったところで、どうなるものでもない。ビビアンスーが戦略的だったとして、だれがそれを責められよう。彼女は天然が似合っていた。
そして天然が似合うならば、人生はけっこう楽しいものになる。ことをわたしたちは、うすうす知っている。
サタデーナイトライブの出身でベルーシ、エイクロイド、チェイスより出遅れたものの、最も長い黄金期を築いたのはビルマーレイである。90年代から、いまなお続く超長期スターダムである。
いつでも酔っているみたいな悠揚さ、脱力していながら周囲を霞ませる存在感・・・いろいろあるだろうが、いちばんは、彼が天然が似合う男だった──ということ、なのである。
いまなお思い出すたび、見る。そして、なんど見てもたのしい。
一瞬も天然ができないわたし/あなたのために、この映画はある。と思うのです。
この手があったか・・
スパイ・アクション映画というと正統派は007をはじめ数多あり、ネタ切れ状態、本作の後ドジなスパイ・コメディ路線も多く作られるが先駆けは本作だろう。
ユニークなのは勘違いした素人が大使暗殺の陰謀を食い止めるというプロット、題名から推測されるようにヒッチコックの「知りすぎた男」のパロディもどき、暗殺阻止は似ているが中身は全くの別物である。
さて、どうやって仮想と現実をミックスするかだが「あなたもスターに」ではないが映画村のファンサービスみたいな演劇体験ビジネスをしつらえた。多少都合が良すぎる感はあるものの観客も術中に嵌ってしまうから不思議だ、正統派のハラハラ・ドキドキ感とは違った遊園地のアトラクションのような感じだが、この手のサスペンスがあったとは原作・脚本のロバート・ファーラーは奇抜な天才、英国人らしい風刺とユーモアも光っている、カーチェイスはミニ・クーパーがダンシング、SM夫婦には大笑い。
主演は「ゴーストバスターズ」のビル・マーレイだがお惚け感が絶妙、オーバーアクションのコメディ俳優ではぶち壊しになったろう。ヒロインから敵役までキャラの設定具合も主人公の非力さに合わせて上手に練られている。クレジットの音楽は妙に正統派なのも素敵、ただ最後の浜辺のシーンは蛇足でしょう、007ばりのおまけドッキリかと思えば続編のほのめかし?
久々に大笑い、素敵なアトラクションでした。
言語は違えど
ビル・マーレイのおとぼけ具合が炸裂していますね。『ゴーストバスターズ』が初めて観た彼の出演作ですが、印象は変わらず。ローワン・アトキンソンが画面に写れば自然と笑みが浮かぶように、ビル・マーレイが出てきた瞬間に、ニヤッとしてしまいました。
いわゆる"勘違い"から起こる騒動(のレベルが半端じゃない笑)を描いています…です笑
何も考えずに、ただひたすら事の成り行きを追っていきます。米コメディだとよくあることですが、彼らのジョークを感覚的に理解することはできません。日本人のジョークが海外の人に通じないのと同じです。なので、字幕であっても吹き替えであっても、捉える意味、面白さは恐らく彼らとは違うはず。
しかしながら、その映像だけで笑えてしまうところが、コメディの良い点です。言語は違くても、"面白い笑える"といった本質は変わりません(チャップリンは、まさにその金字塔ですね)。コメディは、そういう側面で考えても素晴らしいジャンルだと思います。
コメディ映画の最高峰!
洋画コメディは笑えないという概念を見事に覆す作品です!
ゲームだと思い込んでのビルマーレイの台詞や行動に笑いっぱなしで、あっという間に終わったなという印象です。
今まで洋画コメディをつまらないと思っていた人は必見です。
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