ナガナ

解説

ユニヴァーサルがウィーンから招いた女優タラ・ビレルが「魔の家(1932)」「お気に召すまま(1932)」のメルヴィン・ダグラスを相手として主演する蕃地情話で、野口英世博士の殉職をとり入れたもの。レスター・コーエンが特に執筆し、「全米軍」「ボルネオの東」のデール・ヴァン・エヴァリーがドン・ライアンと共同脚色し「アパートの女」のエルンスト・L・フランクが監督に当たったものである。助演者は「放送室の殺人」「監視装甲車」のオンスロー・スティーヴンス、邦人俳優の森田幹、エヴェレット・ブラウン、ノーブル・ジョンソン等でキャメラは「ボルネオの東」「蹴球大学」のジョージ・ロビンソンがクランクしている。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Nagana

ストーリー

アフリカにある熱帯病研究所長ラドナー博士は、原住民地区に働いている所員スターク博士が研究を棄ててサンドラという有閑夫人の別荘で爛れた愛欲に惑溺している、という知らせを聞いたので、自らサンドラの邸へ赴きスターク博士に即刻研究所へ帰れと厳命した。ラドナー博士は後に残ってサンドラを難詰した。火のような性格の彼女はナイフを揮って博士に切りかかったが、それを防ごうとして博士が彼女と格闘するはずみに二人の肉体は相触れて情熱の火は燃える。彼女と共に一夜を明かしたラドナー博士は翌朝研究所へ帰ってみるとスターク博士は自殺して了っていた。自責の念に堪えず、スターク博士の研究を続行すべく睡眠病が猛威を極めている奥地に赴くことにした。生まれて始めて真実の恋を知ったサンドラは一緒に伴ってくれとたのんだが、それを却けて所員樺口博士と共にナゴル地区へ向かった。地区の近くで酋長の息子ノグと会い、睡眠病研究のために地区に止まる許可を得たが、それには酋長が睡眠病で死んだ場合にはラドナー博士も殺されるという条件付きであった。研究所は建てられ二人の博士は病原菌の発見と血清の発見に努力した。サンドラはラドナー博士の後を追い来ったが、ナゴル地区に近付くや供の原住民等は恐れて逃げ帰ったので彼女は一人で行かねばならなかった。折しも酋長は睡眠病に陥ったので、地区民等はサンドラを魔法使いと見なして捕えた。ラドナーは彼女が来たことを憤った。研究中罹病した樺口博士は自ら作った血清を注射した。ラドナーはその血清を酋長に勧める自信は無かったが、恋人の生命を気遣いサンドラは人知れずその血清を酋長に注射した。樺口博士と酋長が共に犠牲と成った時ノグは、ラドナー博士とサンドラの命をもらうと宣告した。博士は12時間の猶予を得て完成しかかっている血清の作成に着手した。サンドラは川岸の杭に縛され鰐の餌食にされることとなった。遂に真正の血清を作り得たラドナー博士はその効力をノグに知らせるために、睡眠病菌をノグ及び自身に注射した。二人はたちまち苦しみはじめたが血清の注射によって快癒した。狂喜したノグはサンドラの釈放を命じたが迷信深い祈祷者たちはノグを狂人と見なして殺してしまう。絶体絶命となったラドナー博士は研究所に放火し実験用の猛獣共を放った。猛火に狂奔したライオンや虎に原住民等は逃げまどって大混乱が起った。ラドナーはその隙に乗じてサンドラを鰐から救い出すことに成功した。博士は貴重な発見と愛人とを得て文明の世界へ帰ったのである。

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