ジョー・ブラックをよろしくのレビュー・感想・評価
全59件中、1~20件目を表示
今観ても感慨深い
ブラピとアンソニー・ホプキンスの共演に惹かれ、若い頃映画館で鑑賞。
大人になってから観ると感情移入する相手が変わってきて、昔は美しい若き二人の恋模様に目が行ってましたが、今見ると我が子を案じるアンソニー・ホプキンスや、裏方で全力を尽くすお姉さんの方に感情移入していました。
ブラピの死に神という設定もただでさえ興味深いですし、家族や会社としてのファミリー物としても、心に染みるものがありました。
プラピ扮するジョー・ブラックがお迎えに来るならば…と思わなくもないですが、アンソニー・ホプキンスの言うとおり、「人生は立ち去りがたし。」…その通りだよな〜と思いました。。。
擬人化された死と一緒に暮らす怖さと 面白み
美しい盛り。若きブラッド・ピット。
涼しい目鼻立ちのクレア・フォーラニ。
そしてやはり重鎮はアンソニー・ホプキンス。
出だしから、登場する俳優たちの硬軟の表情と、その表情のハッとする変化を 絶妙に、そしてコマ送りのごとくに撮る監督。
これは誰だと驚いていたら、あのアル・パチーノの「セント・オブ・ウーマン」を撮ったマーティン・ブレストの作品でした。
ピーナツバターを舐めなめ、ネクタイの結び目には悪戦苦闘し、地球にやってきたばかりの宇宙人のように、慣れない人間社会で不器用な冒険をする死神ジョー。
しかし、まとわりつく迷惑な彼をビル=アンソニー・ホプキンスは突き放せない。ジョーの正体を知っているが故にだ。
人類を絶対的に支配する冥王であるはずのジョーが、体を拝借させてもらっただけのはずの好青年ブラピの人の良さ(=滲み出てきてしまうブラピの好ましい性格) に
こんなはずでは無かったー!と狼狽える=その死神の様子が、それを観る僕たちの微笑みを生むのだが、
さて、結果はいかに。
・・・・・・・・・・・・・
【死は、いつもそばにいた】
10代。初めて同級生が事故や病に没したときには衝撃だった。人は歳を取ってから死ぬものだと思っていたからだ。まさかの同年代の人間の死去が起こるとは思ってもみなかった。
自分の寿命についても考える事の初めてとなった。
20代。いろいろな理由で人は死ぬことを知った。
中年に差し掛かると周囲の知人も親戚たちも次々と鬼籍に入り、
自分も親を看取る年頃になって、自身の老いにも愕然とする。
体も、精神力も、終幕に向かって坂道を転がり落ちるように衰えていることを毎朝・毎夕、実感するようになる。
【棺桶に入らないものは片付けておくべき】
その準備に、僕も入っているのだ。
もう毎日が同僚や仲間たちとのお別れの一瞬一瞬であり、口から出るすべての言葉のかけらが遺言の域に入っている。
その事を、僕はこの年代になってひしひしと感じているのだ。
ビルは、理由を言い出せないままに、昨夜も、今夜も、家族を呼んで夕食を取る。名残惜しさの極みだ。
本作製作時のアンソニー・ホプキンスは、年齢の設定は僕と同年。さすがの名優だ。大会社を運転するように、システム手帳には予定表として「自分の死ぬ日」をスケジューリングしなければならないって事だ。
映画は、
誕生パーティーでのスーザンとの別れで幕でも良かったかも知れない。でも監督はエンターテイメントとして、新社長の追放というオマケを付けてある。これを蛇足と取るか、必須と取るか。
ちょっぴり安っぽいオチのシーンをわざと付け加えるのがマーティン・ブレストのやり方。照れ隠しと、観客の肩の力を抜かせてくれるオマケの部分だろう。
あれが有っても無かったとしても、本編の重厚さと品格は一分たりとも損なわれはしない。
死神は、仕事は完遂するからだ。
そしてこれは言葉のやり取りに輝きを見せる“男映画”の最たるものだ。
本物の豪邸と、邸内の名画と、NYCの街並み。そして各人のステータスごとに誂えられたスーツの、その絶品の仕立ての良さにも目が奪われる。
これこそが細部に手を抜かない監督マーティン・ブレストの真骨頂だ。
スーザン役のクレア・フォーラニは、切れ上がった細い目と肉感的な唇。そして少しエラの張った顔立ち。
ブラピが後日結婚するアンジーを予感させるね。
・・・・・・・・・・・・・
擬人化された死は、不思議クンだった。
映画を見ながら、僕はアパートのベッドに腰かけ、モニターに映る本作を観ながら、「僕の隣に僕の死が、一緒に並んでこの映画を観ている」気分になる。
・・・・・・・・・・・・・
従兄弟をふたり、1週間違いで失った2025年春に観賞。
·
ジョー
あきらめることは必要です
あの花火は絶対に日本の花火だと思う。
近所の花火大会を見てこの映画を思い出し、劇場鑑賞以来の数十年ぶりに鑑賞。
ブラッド・ピット全盛期で彼をひたすら美しく撮った女性客を当てにした映画だと思っていたら、話自体にオリジナリティがあり面白く見る事ができた。
まあピットは半端なく美しかったが。
死神っぽい演出がもう少しどこかで欲しかったような気もするが、あまり強大でマジカルな力を見せつけられるより人間のことを一から知ろうとするが故の子供っぽさも良いかなと思った。
美人で聡明で勘の良い次女をあからさまに贔屓するカリスマで大企業の経営者役のアンソニー・ホプキンスの名優然とした重ための演技がそのまま作品の格を上げている気がする。
役員の娘婿はハゲてるけど忠誠心のある最高にいい奴だが、残念ながら人が良すぎて会社を任せるほどではない。
私はスキッピーのピーナツバターが一番だと思ってるw
入院してるおばあさんには死神に見えている事と、スーザンが抱き合った後に怖い顔で「あなたは違う人?」と言うシーンはかなりオカルト。
童貞が憧れる最高の初体験シーンだが、首から下も美しい二人があってこそ。
死神にさえも考えを変えさせる純粋で美しい大人の恋愛物語でした。
引き込まれて
稲妻に撃ったのはコーヒーショップの彼
人の営みを知識としてしか知らない死神が、人として過ごすうちに徐々に人としての機微を得ていくお話。
「限られた時間しか無い」という状況であるが、大富豪パリッシュと死神ジョーの感情の対比があり、人生の幕引きを意識することもなかった上映当時は私の視点にはジョーの感情しか存在しなかった。
40を目前にした今、パリッシュの視点を僅かに得て、彼の葛藤やそれを飲み込んだ潔さにもとても感じるものがあった。
ファンタジーを混ぜながらも人生観や今をいかに生きるのかを考えさせられる作品。
脇役である姉アリソンやその夫クインスの存在感もしっかりとあり、それぞれの人生を感じさせる。
その上で彼らの人生観がパリッシュやジョーに披露されるシーンは結構グッと来る。
180分という長い上映時間に対して、その長さを感じさせない没入感がある。
180分あっても尺が足りないきらいあり。
ハンサムの処理の仕方とかサクッとしてるし、アリソンへのフォローはほぼ無いのが少しさみしいとは感じた。
本筋としては死神ジョーの視点が多く、展開が進んでいくごとに人間性を獲得するのにつられて彼に感情移入しがちだけど、スーザンの気持ちはずっとコーヒーショップで出会ったハンサムに向いているのであって、2人のロマンスは実のところ頭から最後まで行き違っている。
死神ジョーがハンサムの体を借りた時点で2人は出会ってたからこそ、このラブロマンスは始まったわけで、かと言って他の人であればラブロマンスは始まらない。
どちらにせよ、死神ジョーにとって負けることが決まったロマンスだったわけで…これは神の立場を利用した身勝手さの因果応報なのかも。
ただのラブストーリーじゃなく、父の仕事や家族との向き合いも混ざって...
ただのラブストーリーじゃなく、父の仕事や家族との向き合いも混ざってるのが良かった!
そもそものストーリーが奇妙で面白い。
父親が娘に稲妻が落ちるような恋をしてほしい願いや、ブラピの言葉のチョイスや誠実さ、そして彼女の心と容姿の美しさとどれをとっても好きになれる。
カフェで初めて合ったシーンや、会議で元恋人を怒らせるシーンであったり、本当の愛を語る父のシーン等、好きなシーンも多々合った。
運命の出逢いを信じる人ならみていてジーンとくる映画やと思う。
〜この映画をみて自分のことを回想〜
僕は今まで2人、運命の相手やと思える女性と出会った。
だが、2人とも別れてしまった。
運命ではなかったのか、僕が運命を壊してしまったのか、はたまた三度目がくるのか‥
ファンタジーめいた設定からは想像もつかない人間ドラマ。 何も持たず...
神々しい美しさのクレアフォーラニ
全59件中、1~20件目を表示