「ホプキンス & ブラピ」ジョー・ブラックをよろしく talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
ホプキンス & ブラピ
ゴッドファーザーはパーティーで始まるがこの映画はパーティーで終わった。What a Wonderful Worldの音楽と共に。
オフィスへ飛ぶヘリの中で娘のスーザンに語るホプキンスの言葉はどれも美しく愛と輝きに満ちた人生と詩そのものだった。それがスーザンの心に深く残った。ブラピ死神を呼んだのも彼の美しい言葉なんだろう。それだけ言葉が大切な映画だから知的でエレガントなホプキンスはまさに適役だった。妻となる女性に初めて出会った時の彼女の装いも正確に言葉で表現できる。面白くてピリッとした言葉も沢山あった、「死と税金からは逃れられない」のように。「PLAN75」のようでなく、娘達に心からの愛情と感謝を告げ美しい花火のもと、怖がることはないと言ってくれるブラピのような人にいざなわれて死ねたらどんなにいいだろう。
コーヒーショップでのブラピと死神ブラピは全く異なっていて上手いなあと思った。雰囲気も異なっていた。死神ブラピは初めて世界を見る好奇心に満ちた子どものように無垢で可愛いらしかった。料理のお皿を手にとって持ち上げて匂いを嗅いだり、ピーナッツバターのスプーンを口に咥えたり、ネクタイを結べなくてグチャグチャになったり。
ブラピは美しい。この時のブラピ・イメージに拘泥せず解放されて素敵に年をとっていることが嬉しい。女優もそれが難しくないようになればと思う。
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