「映画史上最高のスリラー映画だ。」ジョーズ 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
映画史上最高のスリラー映画だ。
今見ると、よくある展開や演出と思う人もいるだろうが、その「よくある展開や演出」を創造し、後世に幅広く広めたのが本作と考えれば、非常に画期的で、映画史上に残る傑作だ。
サメの造形など昔の技術も、時代を感じて味わい深い。やたらと過剰な残酷描写に頼らず、忍び寄る恐怖を徐々に描き、脅威が現れた時からは、怒涛の如く迫る恐怖という、緩急のつけ方も非常に巧い。
また、登場人物のキャラクターに深みを与え、人間ドラマとしても見事に成立している。だからこそ、サメを退治しようとする主要キャスト(みんな素晴らしい演技だ!)の目線で感情移入できる。
不穏でおどろおどろしい空気が、緊迫感をもたらし、何度でも見れる驚異的なスリラーを誕生させた。ジョン・ウィリアムズの音楽、自然で力強い演技、見事なストーリーテリング、そのすべてが素晴らしい、映画史上最高のスリラー映画だ。
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