「刑務所内出世物語。」ショーシャンクの空に せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
刑務所内出世物語。
妻と浮気相手を殺害した罪で終身刑となったアンディが刑務所内でレッド率いる受刑者たちと出会い、刑務所内で生き抜いていく話。
私はこの話、刑務所内の半沢直樹だなと思った。新入りのアンディが、最初は話が通じてかつ古株で"調達係"という重要な役割のレッドと仲良くなり、さらに銀行員の知識を活かしてうまく刑務官と取引をして所長の手伝いまでできるように出世する。
刑務所入りたてで誰ともあまり話さなかった時に所員達や刑務官を観察して既に自分のこの場所での筋道を立てていて、ちゃんとプランBも用意してあった。この人副頭取は名ばかりじゃなくてちゃんとできる人間なんだなと。そして最後にはちゃんと「倍返し」するし。このできる人間アンディを横目で見ながらも何も変えられない変わろうとしないレッド達は、私たち一般ピーポーと同じ。
なので、この刑務所内は私が生きている今の環境そのもの。日々がルーティン化されて変化はなくとも仲間がいて居心地が良いこの場所に浸かれば浸かるほど、徐々に腐っていく。そういうレッドの言葉を聞いた時、自分も既に囚人になってしまっている!と絶望した(笑)
『花束みたいな恋をした』で主人公達が今作を好きという大人を若干小馬鹿にしてたのだが、サブカルクソ野郎大学生が鼻で笑う感じちょっとわかる(笑)スカッとするどんでん返しに、とても爽やかなハッピーエンド、あまりにも出来すぎている。でも、そういう普通の面白いものを小馬鹿にすることほどかっこ悪いことはないのにね。
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