「名作ですね❣『希望を棄てないで』」ショーシャンクの空に bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
名作ですね❣『希望を棄てないで』
言わずと知れた、人々の心に残るスティーブン・キング原作の名作。久しぶりに、Huluで鑑賞。
公開当時のアメリカでは興行収入も伸びなく、その年のアカデミー賞の数多くの部門にノミネートされながらも、大賞には惜しくも届かなかった。しかし、日本では、ヒットし、数多くの賞も受賞し、レンタル・ビデオを通して、ジワジワと人々に広がり、心を掴んだ作品。
ストーリーは、妻とその浮気相手のゴルファーを殺したという冤罪で、終身刑を受けて収監された、やり手の銀行マンのアンディーと、刑務所の囚人の中でも古株で、物資の調達屋として重宝されていたレッドとの、男の友情物語。
収監当時のアンディーは、冤罪に対しての怒りと愛する妻を失ったことで、自分の殻に閉じこもり、苛めやパワハラも受けていた。その中で、レッドとは親しくなり友情が芽生えていく。そこから長い年月をかけて、アンディーの高い知性と銀行マンとしてのキャリアを活かして、レッドの仲間と共に、収容所の中に、次から次へ奇跡を起こしていく。
そして何十年も収監が続いたある日、新たに入所してきた若い男が、アンディーの妻と愛人を殺した男を知っていると告白する。アンディーはその事実を調べ直すように、収容所の所長に直訴するのだが…。
この作品のテーマは、『どんなに理不尽で、苦しいことがあっても、希望を棄てない』ということなのだろう。アンディーは、冤罪ではありながら、収容所を少しでも過ごしやすくしようと働きかけたり、時には、監視員も巻き込んで、物資を調達したり、そして、何より仲間を大切にした。そして、20年の年月をかけて、壮絶な目的を果たした。
この作品を通して、以前読んだアウシュビッツから生還したユダヤ人の手記である『夜と霧』を想起した。厳しい強制労働の中で、最後に生き抜くことができたのは、『運』と『微かな希望』を棄てないことだったと語っていた。
また、今まさにウクライナでは、死と隣り合わせの厳しく、恐ろしい現実と直面している人々がたくさんいる。ミサイルや銃弾が飛び交う中で、なかなか希望を持つことはできないだろうが、ウクライナの人々が、明日への希望の光が見えるように、全世界が協力し合うことが求められていると思う。アンディーが、雨の中で両手を広げて、体全体で自由を感じとったように、ウクライナの人々にも訪れることを、祈るばかりだ。