「これは名作と呼ばれるのも分かる」ショーシャンクの空に といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
これは名作と呼ばれるのも分かる
知名度がめちゃくちゃ高くて誰もが知っている名作映画なんだけど、意外と観たことなくて内容を知らない作品ってありますよね。私はここ2年くらいで映画を観るようになったんですけど比較的新しい映画ばかり観ていますので、こういう「名作映画」って全然観てないんですよね。本作も私にとって「有名だけど観たことない映画」でした。
内容については全く事前知識がありませんでした。原作小説のタイトルが「刑務所のリタ・ヘイワース」だということは知っていたので、刑務所の物語なんだろうな。『グリーンマイル』みたいな感じかなと想像していました。
結論、予想していた内容と全く違った!!これは面白い!!
勝手なイメージで『グリーンマイル』みたいな感動系の映画を想像していましたが、実際は『オーシャンズ11』と『プリズンブレイク』を足して2で割ったような内容でしたね。ハラハラするサスペンス要素もありつつ仲間との友情が描かれつつ、勧善懲悪で最後にはスカッとするようなカタルシスもある。伏線回収の要素もあり、かなり私好みの作品でした。役者陣の演技も素晴らしく、完璧に近い映画だったと思います。
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銀行の副頭取を勤めていたエリート銀行員のアンディ(ティム・ロビンス)は、妻とその浮気相手を殺害した罪を着せられる。アンディ本人は犯行を否認していたが結局は無期懲役の有罪判決を受け、ショーシャンク刑務所に収監された。刑務所での理不尽な仕打ちに耐えながらも、長年服役している囚人レッド(モーガン・フリーマン)を始めとする仲間たちと友情を深めていく。
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本作は1995年のアカデミー賞に7部門でノミネートされながらも、一つも賞を獲得できなかったという作品です。調べてみると同じ年にアカデミー賞を受賞した作品は『フォレストガンプ』『ライオンキング』『スピード』などの錚々たる映画で、これはあまりにも相手が悪かったとしか言いようがないですね。でもアカデミー賞を逃したにも関わらず公開から30年近く経過した今でも名作として語られることが多いところからも、本作の持つポテンシャルの高さを感じることができます。
この映画、最初の前半にあたる一時間半くらいは「アンディと他の囚人たちの友情物語」「知的なアンディの刑務所内での成り上がり物語」という感じで進んでいくのですが、後半でかなりテイストが変わります。刑務所の所長らが行う悪事や理不尽がフィーチャーされ、観ている観客にストレスを与えるような暗い展開が繰り広げられます。アンディが酷い目に遭う展開。観ているだけでイライラが止まりません。
しかしそんな暗い展開がラストで一変。アンディの取ったとある行動でこれまで悪事を尽くして私腹を肥やしていた刑務所長らの立場が失墜します。最後の伏線回収やカタルシスは実にお見事で、終盤までに溜まっていたイライラが一気に解消されるような爽快感があります。これぞ映画の醍醐味ですよね。
序盤からのストーリーの組み立てやラストの展開に至るまで、全編通して隙の無い映画だったと思います。役者陣も見事で、主役から脇役まで完璧な演技を見せてくれます。
今まで食わず嫌いしてこの映画を観なかったことを後悔するくらい素晴らしい映画でした。観たことない方はぜひ観てみてください。オススメです!!!!