「豊かさとは」ショーシャンクの空に ぽこぺんさんの映画レビュー(感想・評価)
豊かさとは
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この映画がいつ見ても感動するのは、全編通して語られる「どんな過酷な状況であろうとも人としての豊かさ、人間らしさを失ってはいけない」というメッセージのためだと思う。映画は、無実の罪で終身刑を受けて服役中という過酷な状況におかれたアンディを通して、それでも負けるな!と言われている気になる。
アンディは初日に泣き喚いたせいで死んだ無実かもしれない男の名前を聞く。自分たちには一人一人名前がある。つまり俺たちは誰も気にしないどうでもいい存在などではなく個性や役割を持って生きているんだということを気づかせてくれたし、図書室を充実させようとしたのもレコードで音楽を流したのも、囚人たちに心の豊かさを取り戻させるための行為だ。この囚人というのは、日々の辛さや理不尽な現実に負けそうな自分たちであり、アンディは俺たちに向かって忘れちゃダメだと示してくれているのだ。そうやって人間らしさを失わなかった彼は自由を手に入れ、また人間らしさを取り戻した親友との再会が感動を呼ぶのだろう。下手をすれば蛇足とも思えるかもしれないラストがとても感動的なのは、俺も豊かさを失わなければいつかアンディに会えるんだと思わせてくれるからなのかもしれない。
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