ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦のレビュー・感想・評価
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詩的なペキンパー選手
バイオレンスの頂点、ペキンパー選手、本当はこういうのが撮りたかったのではないか、という全編抒情的な雰囲気の秀作です。酒場のケンカシーンで少しだけスローモーションが出てくる以外はバイオレンス封印です。
現代劇で家庭劇ですが、中身は西部劇です。外国人から見た日本人のステレオタイプがサムライであるように、私たちにとってアメリカ人のステレオタイプはカウボーイですが、この作品から彼らの何たるかがわかるような気がします。
マック先輩の持ち味を最大限に引き出した作品と言えましょう。
青春の夢儚きロデオ‼️
これは珍しく銃撃戦もなく、ほとんど血も流れないサム・ペキンパー監督の名作です。私はペキンパー監督作品ではこの作品が一番好きだな、多分‼️ロデオ大会に出場するために故郷へ戻ってきた男が、両親やがめつい兄との心の交流のうちにロデオ大会で優勝、また旅に出る・・・失われゆくモノへの哀感みたいなものが、主人公のロデオに対する愛着心に例えて描かれていて、わが憧れマックィーンがカッコ良さを超越した名演でホントにいい味出してます‼️もちろん劇中のロデオ・シーンも吹き替えナシで魅せてくれてます‼️そして冒頭、父親の家がブルドーザーで壊されるシーンでペキンパー監督お得意のスローモーション‼️思えばこの作品で一番の暴力シーンでした‼️
乳しぼり大会まであるのか!
バイオレンスものを得意とするペキンパー監督作品。公開年じゃないけど、映画館で何かのカップリングで観たのが最初。当時はマックイーンのロデオ・アクションだけを楽しんだ記憶があるのですが、今回あらためて観ても印象にはさほど変わりがなかった。
父親エースもロデオの名手だったが、今では金鉱探しにオーストラリアへ行くんだと夢を追い求めているオヤジ。長男カーリーはちゃっかり不動産で儲けていてロデオは見るだけ。そんな家族のもとに独立記念日のロデオ大会のためにジュニア(マックイーン)が帰ってきた。冒頭から、暴れ牛に負けたという映像が流れ、今回は運よく雪辱を果たせるチャンスがやってくるのだ。
暴れ馬、乳しぼり、暴れ牛というジャンルがあり、馬の方はあっけなく予選も通過できず、父とともに乳の方で家族のスキンシップを高め、その夜のバーでの大乱闘を経験し、翌日の暴れ牛ロデオにチャレンジするという運びだ。バーの乱闘を止めるためにバンドのメンバーがアメリカ国家を演奏するなんてのも印象に残る。
ロデオでの男の戦いを楽しむというよりは、家族の絆を描いたり、失われていくフロンティアスピリットを祭りという形で再現する作品だ。序盤では売ってしまった牧場がブルドーザーで整地されている様子も描かれ、西部が近代化されていく郷愁をもテーマとしているのかもしれない。ちなみになぜジュニアとかJRとかと呼ばれるのかは謎のままだ・・・
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