「70年代NYの景観が楽しめます」ジャグラー ニューヨーク25時 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
70年代NYの景観が楽しめます
子供でさえダイエットで食事制限したり、多くの市民ランナーが街中を走っていたりと当時のアメリカの国民病だった肥満問題からくる健康ブームを垣間見る事ができる。
一方、道路、建物、地下鉄などNYの景観の汚なさや治安の悪さなど街自体がかかっている病も同時に見る事ができ、当時の独特の映画音楽(ディスコ?)と合わせ資料映像的役割もあってちょっぴり興味深い。
女性ランナーがまあまあの露出であちこちを走っていたり、ノーブラでサウスブロンクスを歩いていたら、そりゃ「通りでレイプされる街なのよ!」って元嫁が嘆くのもわかる。
延々と走るシーンはダーティーハリー、セルピコ、マラソンマンなどでも見られるが当時の流行りだったのだろうか。
追いかけながら、「そいつ誘拐犯だから捕まえてくれ!」と大声で叫べばもう少し展開が変わったのかも知れないけど。
とにかくそれほどメジャーな監督作品でもないのに、日中の街中で車両をぶっ壊しまくり、ショットガンをぶっ放すなど好き放題を許可する当時のNY市の寛容さには驚かされた。
主役のジェームズ・ブローリンは息子のジョシュとは似ても似つかないほどイケメン長身でカッコ良いが、走る姿は少し不恰好。
犯人はマザコン、ロリコン、ぽっちゃり好きの思い込みが激しい中二病タイプで、さらにここでまさかのストックホルム症候群?と一瞬心が躍ったが、ダーティハリーのスコルピオのような面倒臭い凶悪犯という感じではなく、ただのタチの悪いこじらせ男だったのは、この映画が今一つブレイクし切れなかった要因の一つなのかも知れないと思った。
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