劇場公開日 1966年6月14日

「後世に多大な影響を与えた、一大人間ドラマの傑作。」市民ケーン 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0後世に多大な影響を与えた、一大人間ドラマの傑作。

2024年10月16日
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「バラのつぼみ」という言葉を残して死んだメディア王、チャールズ・フォスター・ケーンの生涯を、彼を知る関係者に次々と取材する、ニュース新聞の編集記者を通して描いたドラマ。

本作以前にも無かったことはないだろうが、主人公の稀有な生い立ちや、成功から挫折に至る人生を取り上げ、関係者の証言を通じた回想という形で描くのも、本格的に明確に提示した、初めての作品では無いかなと。

狂言回しの存在や、「バラのつぼみ」の結末も、後の映画やドラマで、頻繁に使われている手法だね。
後世の作品に、非常に多大な影響を与えた作品と思う。

中だるみが無いわけでは無いと思うし、やや冗長という気もする。それでも、公開当時としては、画期的かつ独創的なストーリー運びで、メディア王の生涯を実に興味深く、壮大かつ大胆に描いた、一大人間ドラマの傑作だ。

瀬戸口仁