劇場公開日 1966年6月14日

「「Mank」とセットで観て、その真価が分かる。」市民ケーン iwaozさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「Mank」とセットで観て、その真価が分かる。

2021年1月11日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

当時、ハリウッドの中では、この映画の
ケーンが誰を指しているか周知の事実だったが
故の脚本賞だったのでしょう。(T . T)
映画ファンのオールタイムベストでほぼtopに
来るのも、それが理由ですね。

その裏側を知らない人にとっては
映像表現はとても素晴らしい事は分かりますが
古今から良くある「金(KANE)より愛」映画と
しか思えません。
自分も途中から相当、眠気との闘いでした。
(><)

しかし、「Mank」を観ると、どれだけの
深い思い、人生の葛藤、紆余曲折があって、
この脚本が書かれたのか、映画会社を敵にまわしても
この映画を世に出さなければいけない理由が
分かりました。
当時のハリウッドの赤狩りの風潮、
大統領選も絡んだ権力争い、映画会社の横暴、
ナチスの台頭、ユダヤ人の保護など、改めて
マンキーウィッツの人生を賭けた作品であった
事に対しての高評価でしょう。
m(_ _)m
そして、この作品を映画として、最高の技術と
センスで世に出したオーソン・ウェルズの才気(鬼)に
脱帽です。
黒澤監督の映像センスは近いものを感じました。
今、観ても斬新なカットだらけです。
^ ^

とにかく最近の映画ファンにとっては、
「Mank」を観ないとこの映画の真価は
分からない、と言えるでしょう。
まあ、本当に優れた作品は予備知識なしで
子どもが観ても心に残る作品だとは思いますが、
予備知識も含めて映画の歴史に残すべき作品だと
思います。
当然、「Mank」とセットで残さないといけませんが。
f^_^;

結局、人生の真実なんて、他人には分からないもので
ローズバットが子ども時代のソリに書かれている
というのも、本当の意図は別にあったという事。
そして、
時代の流れに飲み込まれ、権力に流される風潮の
中で、虐げられ犠牲になった友人たちの仇討ちの
思いが、マンキーウィッツの才能を最高に引き出し、
歴史に名を残したという事。
を忘れないように、次回もまた映画館で観たいと
思います。^ ^

「Mank」の制作人、Netflixにも感謝!
m(_ _)m

iwaoz
とみいじょんさんのコメント
2021年5月3日

レビュー拝読しました。

『マンク』まだ見ていませんが、こちらのレビューを拝読して、
この映画の主人公がなぜもああ好戦的で、サディストで、人をおちょくって嫌な感じを与える人として描かれていたのか、
実在の人物をモデルにしたと言われるこの映画ですが、その方の神経をこうも逆なでするものに仕上げたのか、
腑に落ちたような気がします。

金(KANE)というご指摘も、正に的を得たものに見えて、
(映画の中でも、突然日本語の新聞出てきましたね)
解っていて、この苗字にしたのか、
なんて勘ぐってしまいました。

ただの感想ですが、失礼いたします。

とみいじょん