「ごくふつうの人に静かに寄り添う作品」自転車泥棒 あまおとさんの映画レビュー(感想・評価)
ごくふつうの人に静かに寄り添う作品
クリックして本文を読む
ビットリオ・デ・シーカ監督作品/1948/イタリア
(言語が英語だったのは残念だった)
悲しい作品。
アントニオの失敗は、凡人レベルのドジ。(わたしもやりそうだが;;) さらに焦って盗みの行動に出る。(これは情けない。)
しかし世の中は凡人らで成り立つ。良い社会のために凡人の苦労への理解や思いやりはあってほしい…、この作品は、アントニオに静かに寄り添うことで、そういう優しさを、(小規模であっても大規模なものであっても)求めているように感じた。
きちんと心得ている思いやりのある人たちもさりげなく登場する。一緒に自転車を探してくれる友人たち、シーツをおまけをつけて買い取ってくれる質屋、自転車を盗んだ罪を見逃してくれる紳士。
最も彼に寄り添ってくれたのは長男のブルーノ。ブルーノからみたら父の姿は残念だろう。子どもの登場により憐れさも増す。しかし、こんな苦楽を分かち合う親子は、きっと後深い絆で結ばれるだろう。
悲しいが、心が温まる映画でもあった。
コメントする