「私なりに考察してみました。」自転車泥棒 0rokamonoさんの映画レビュー(感想・評価)
私なりに考察してみました。
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戦後の困窮した情勢がシーンの至る所から伝わる名作でした。鑑賞後、観た人はどうだったのか?と調べたら不遇、救われない、悲しいといった感想が多かったのですが、私の感想はどこか違います。境遇は可哀想に思いますが、教訓に近い話に感じました。以降、考察となります。主人公のアントニオが不運に見舞われるのはいつも自己中心的な振る舞いと、信仰心を含めた無礼な振る舞いをした時でした。占いをインチキと言い妻の信念を無下にします。その際、周囲にも迷惑を掛けていました。教会では人を押し退け、礼拝を台無しにしてしまいます。神に対してだけでなく、そこに居る人達へ無礼な振る舞いをしてしまいます。(息子のブルーノは教徒の行為への咄嗟的な真似とは言え、十字を切り、非礼を詫びました。結果何が起きたかと言うと息子は溺死せずに済んでいました。私には死の回避に思えてしまうんです。)その後の終盤、神に縋る思いで占い師の部屋を訪れますが、そこでもまた無礼な振る舞いをしてしまいます。その際に受ける啓示は、他の指示者のような具体的なものではなく流動的なものでした。「お前の態度次第」だと言っているように感じました。結果はまた頭ごなしに疑って掛かり、本当のことを言っているのに誰からも信じて貰えす、一生手に入らないものになってしまいました。邪推かも知れませんが、信じるものは救われる、の逆で神を含む他者を信じれないような奴が救われることは無い。という意味が込められているように感じました。人は追い詰められると客観性を失ってしまいます。その位の窮地に立っているのですが、そんな時でも失ってはいけないものがあることを学べる映画に思えました。
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